3.妹と、かっちゃん
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「あの男の子、雄英の……。隣の子彼女かな?」
洋服を見ていると、店員さん同士の話し声が聞こえてきた。
私は手に持った服を掲げ、つまらなさそうに立っているだけかっちゃんの方へ向いた。
でも一緒に居てくれるあたり愛を感じる。
あ、これ言ったら怒られちゃうやつだ。
「勝己兄。どっちがいいかな?黄色と緑。」
「……右」
察したのか、かっちゃんはなにも言わない。
普段なら、いい加減にしろって言うのにね。思わず笑みがこぼれる。
「なに笑ってんだ。はよ買ってこい」
「はぁーい!」
レジにて
「あの。一緒にいるのって雄英の爆豪くんですよね?」
「そうですよ~」
彼氏ってきかれるんだろうな~と思いながら、
「お兄ちゃんなんです!」と言う。
幼なじみのお兄ちゃんだもんね。間違ってない。
「そうなんですね、優しいんですね」
なぜか少し安堵した顔で店員さんは言った。
私はあんな怖い顔してるのに、と勝手に心の中で付け足して笑ってしまった。
「ふふ…。はい、本当に!」
店員さんに不思議な目で見られる。
「ありがとうございました~!」
その後、私たちは昼食を取るために、ファミレスに入った。
「ぷぷっ!勝己兄って呼んだときのかっちゃんの顔!!わらっちゃうね!」
「笑ってんじゃねぇ」
「無理無理!ぷぷぷ!」
食後のお茶を飲みながら、今日のことを思い出して笑っていた。
かっちゃんはなにも言い返さずに、真剣な表情で静かに私を見据えた。
「泉」
ピンと緊張の糸が張りつめた音がした。私も笑うのを止めて、かっちゃんを真っ直ぐ見つめた。
「お前、俺と出かけんの終いにしろ」
「…….どうして?」
「言わねぇとわからんのか」
「わからないよ?」
きちんと納得がいくように言われなきゃ、わからないよ。
「……半分野郎が好きなんだろ」
「うん、好き」
「好きな奴がいんのに、他の男と出かけてんな。軽い奴だと思われんだろ」
「……」
「半分野郎は気にくわねぇから、お前のそれを応援する気はねぇ。だがな、気持ちひとつ突き通せない奴が、俺の妹を語ってんじゃねぇぞ」
「だから、かっちゃんと出かけるなってこと?」
かっちゃんは、静かに肯定の意を示した。
紅茶を一口飲んで、大きく息を吐いた。
「……嫌だ」
きっぱりと言い切った。
「あ゛?」
「いつも冗談で妹って言ってる訳じゃないよ?本当にかっちゃんの妹だと思ってるんだよ。こうして2人で出かけるのも、お兄ちゃんと出かけるのと何にも変わらない。同じことなの。兄と出かけてなにが悪いの?これは私の中で譲れない大事なことだよ?もし、誰かがこのことに対して悪く言うことがあれば、悲しいし申し訳ないけど…私はもうその人とは仲良く出来ない。轟さんでもそう。かっちゃんは私のお兄ちゃんなんだから。私はかっちゃんの妹なんだから」
かっちゃんは盛大なため息をつく。
「いいか、自分の評価を自分で下げるようなことはすんじゃねぇぞ」
「はーい!わかりました!お兄ちゃん!」
「だから、妹じゃねぇつってんだろ…!」
「ううん、かっちゃんは泉を妹として見てくれてるから、そういうこと言ってくれるんでしょ。泉はそんなかっちゃんが大好き」
「…お前な…もう高校生だろ、自分のこと名前で言うのやめろや」
「気をつけるー!」
「ところで、かっちゃんこそ、泉を妹として見てないんじゃないの?妹と出かけたくないお兄ちゃんいる?お兄ちゃんはいつも泉と出かけてくれるよ?」
「オメェんとこのクソナードと一緒にすんじゃねぇよ」
「お兄ちゃんのことクソナードだなんて言わないで!…だって、かっちゃん泉が妹じゃないって言ったよね?」
「言葉のあやだろ。お前が妹じゃなかったら何だよ。…安心しろ売れ残っても、貰ってやるようなことはしねぇから」
「当たり前でしょ。兄妹なんだから」
かっちゃんは面倒臭そうにまたため息をつくと、席を立った。
私の頭をくしゃくしゃと撫でてから、歩き出した。
「帰んぞ」
「うんっ!」
.
洋服を見ていると、店員さん同士の話し声が聞こえてきた。
私は手に持った服を掲げ、つまらなさそうに立っているだけかっちゃんの方へ向いた。
でも一緒に居てくれるあたり愛を感じる。
あ、これ言ったら怒られちゃうやつだ。
「勝己兄。どっちがいいかな?黄色と緑。」
「……右」
察したのか、かっちゃんはなにも言わない。
普段なら、いい加減にしろって言うのにね。思わず笑みがこぼれる。
「なに笑ってんだ。はよ買ってこい」
「はぁーい!」
レジにて
「あの。一緒にいるのって雄英の爆豪くんですよね?」
「そうですよ~」
彼氏ってきかれるんだろうな~と思いながら、
「お兄ちゃんなんです!」と言う。
幼なじみのお兄ちゃんだもんね。間違ってない。
「そうなんですね、優しいんですね」
なぜか少し安堵した顔で店員さんは言った。
私はあんな怖い顔してるのに、と勝手に心の中で付け足して笑ってしまった。
「ふふ…。はい、本当に!」
店員さんに不思議な目で見られる。
「ありがとうございました~!」
その後、私たちは昼食を取るために、ファミレスに入った。
「ぷぷっ!勝己兄って呼んだときのかっちゃんの顔!!わらっちゃうね!」
「笑ってんじゃねぇ」
「無理無理!ぷぷぷ!」
食後のお茶を飲みながら、今日のことを思い出して笑っていた。
かっちゃんはなにも言い返さずに、真剣な表情で静かに私を見据えた。
「泉」
ピンと緊張の糸が張りつめた音がした。私も笑うのを止めて、かっちゃんを真っ直ぐ見つめた。
「お前、俺と出かけんの終いにしろ」
「…….どうして?」
「言わねぇとわからんのか」
「わからないよ?」
きちんと納得がいくように言われなきゃ、わからないよ。
「……半分野郎が好きなんだろ」
「うん、好き」
「好きな奴がいんのに、他の男と出かけてんな。軽い奴だと思われんだろ」
「……」
「半分野郎は気にくわねぇから、お前のそれを応援する気はねぇ。だがな、気持ちひとつ突き通せない奴が、俺の妹を語ってんじゃねぇぞ」
「だから、かっちゃんと出かけるなってこと?」
かっちゃんは、静かに肯定の意を示した。
紅茶を一口飲んで、大きく息を吐いた。
「……嫌だ」
きっぱりと言い切った。
「あ゛?」
「いつも冗談で妹って言ってる訳じゃないよ?本当にかっちゃんの妹だと思ってるんだよ。こうして2人で出かけるのも、お兄ちゃんと出かけるのと何にも変わらない。同じことなの。兄と出かけてなにが悪いの?これは私の中で譲れない大事なことだよ?もし、誰かがこのことに対して悪く言うことがあれば、悲しいし申し訳ないけど…私はもうその人とは仲良く出来ない。轟さんでもそう。かっちゃんは私のお兄ちゃんなんだから。私はかっちゃんの妹なんだから」
かっちゃんは盛大なため息をつく。
「いいか、自分の評価を自分で下げるようなことはすんじゃねぇぞ」
「はーい!わかりました!お兄ちゃん!」
「だから、妹じゃねぇつってんだろ…!」
「ううん、かっちゃんは泉を妹として見てくれてるから、そういうこと言ってくれるんでしょ。泉はそんなかっちゃんが大好き」
「…お前な…もう高校生だろ、自分のこと名前で言うのやめろや」
「気をつけるー!」
「ところで、かっちゃんこそ、泉を妹として見てないんじゃないの?妹と出かけたくないお兄ちゃんいる?お兄ちゃんはいつも泉と出かけてくれるよ?」
「オメェんとこのクソナードと一緒にすんじゃねぇよ」
「お兄ちゃんのことクソナードだなんて言わないで!…だって、かっちゃん泉が妹じゃないって言ったよね?」
「言葉のあやだろ。お前が妹じゃなかったら何だよ。…安心しろ売れ残っても、貰ってやるようなことはしねぇから」
「当たり前でしょ。兄妹なんだから」
かっちゃんは面倒臭そうにまたため息をつくと、席を立った。
私の頭をくしゃくしゃと撫でてから、歩き出した。
「帰んぞ」
「うんっ!」
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