2.妹と、ご飯を食べる話
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勢いよく立ち上がった。
ガタンと音を立てて、椅子が後ろに弾き飛ばされる。
「あの、今日はこの辺で失礼します!」
「え、泉?」
椅子を直してから、食器の乗ったトレーも持ち、小走りに離れた。
やばいやばいやばい!!
何あれ、イケメンの微笑みってあんなに神々しいの……?
ドキドキしてる心臓が未だ鳴り止まない。
周りの音よりも、心臓の音が大きく聞こえた。
…おかしい…。
別に轟さんの顔が好きなんじゃない。
轟さん自身が好きなんだ。
なのに、笑った顔だけで、こんなにドキドキするんだ…。
人を好きになるってすごいな……。
ダッシュで教室へと帰る。
「おかえり、泉。久しぶりの兄との食事はどうだった?」
「……綺麗な顔が笑うと、心臓が死にそうになるんだね…」
「は?」
同じ中学出身の仲の良いクラスメイトに話しかけられるが、うわの空で答える。
そのあとも「どういうこと?」と何度も尋ねられたけど、轟さんの笑った顔が頭から離れなくて、正直なんて返したか覚えていない。
午後の授業を知らせる予鈴がなったとき、まだうわの空だった私の頭を思い切りはたかれた。
スパーン!といい音が鳴る。
「痛い!!」
「いい加減しっかりして。次ヒーロー基礎学だよ。」
私の前の席に座る、先ほど話しかけてきたクラスメイトが、ため息を吐きながら、呆れて言った。
「恋もヒーローも頑張るんじゃなかったの?そんな惚けててどうすんの。」
「…うん、そう。頑張る。」
自分の頬をぱちんと叩いた。
「よし!」
「あとで、ちゃんと話し聞かせてよ。」
クラスメイトは私の髪をくしゃくしゃ撫でながら、笑った。
「うん、もちろん!」
よし!
午後もヒーロー目指して、頑張りますか!
2017.08.11