2.妹と、ご飯を食べる話
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食堂に着き、それぞれが自分の食事を購入して、席に座った。
麗日さん、私、お兄ちゃんの順に座り、向かいには飯田さんと轟さんが座った。
私の向かいに轟さんがいる。ちょっと…じゃなくて結構緊張する。
麗日さんは定食、飯田さんはビーフシチュー、轟さんは温かくないそば、お兄ちゃんはカツ丼。そして、私は…
「泉、やっぱり親子丼にしたんだ。」
「うんっ!大好きだなんだもんっ。いただきます!」
と手を合わせる。
熱いのでふうふうと少し冷ましてから、親子丼を口にする。
「ん~!!おいひい……!雄英に入れて良かった!」
「食事が美味しいから、雄英に入れて良かったということ?」
「本当にさすがクックヒーロー、ランチラッシュだよね!」
隣の麗日さんがご飯が美味しい!と言う。
「ランチラッシュと言えば…」
お兄ちゃんが思い出したように口を開くが、この先はオタク話だ。
「はいはい、その話は去年も聞いたよ。お兄ちゃん。」
「あれ、そうだっけ?」
あはは、と頭を掻きながら笑う。
何度も聞いてるから、耳にタコが出来ちゃうよ。
「緑谷。」
「うん?」
「はい?」
緑谷と呼ばれたので、思わず返事をしてしまった。
……しまった、これは私じゃなくて、お兄ちゃんを呼んだんだね?
「………?」
轟さんは不思議そうな顔で私を見る。
「轟くん、僕たち兄妹だからね?」
「…ああ、そうか。」
「確かに2人とも緑谷くんでは分かりにくいな。」
「でしたら、泉と名前で呼んで下さい!」
「じゃあ、私は泉ちゃんて呼ばせてもらうね!私もお茶子でええよー。」
「お茶子さん…!」
「では、泉くんと呼ばせてもらうな!」
飯田さんはまた不思議な手の動きをしていた。思わず笑ってしまう。
「ん?轟くんどうしたの?」
「いや……。」
なにやら考えていた轟さんにお兄ちゃんが声をかけた。
顔を上げると、私を見つめた。
改めて見ると、綺麗な顔をしてるし、見れば見るほどイケメンだなあ、なんて考えていると、轟さんが口を開いた。
「泉。」
「…へ…?」
今、名前で呼ばれた?そうだよね?
理解が追いつかない。
顔に熱が一気に集まる。あつい。
「名前間違ってたか?悪りぃ。」
「間違ってません!大丈夫です。私の名前は泉です!」
「……緑谷と、……泉。」
「うん?」
「確かに呼び分ける方が、わかりやすいな。」
「…そう、デスネ…。」
心臓の音がうるさい。好きな人に名前を呼ばれただけで、こんなにうるさくなるなんて、恋って凄まじい。
うるさい鼓動から耳を背けるように、目の前の食事にがっついた。
黙々と食べる。
最後の一口を、放り込む。
ふう…。
お箸を置いて、手を合わせた。
「ごちそうさまでした。」
うるさかった心臓の音は、いつの間にか鳴り止んでいた。
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麗日さん、私、お兄ちゃんの順に座り、向かいには飯田さんと轟さんが座った。
私の向かいに轟さんがいる。ちょっと…じゃなくて結構緊張する。
麗日さんは定食、飯田さんはビーフシチュー、轟さんは温かくないそば、お兄ちゃんはカツ丼。そして、私は…
「泉、やっぱり親子丼にしたんだ。」
「うんっ!大好きだなんだもんっ。いただきます!」
と手を合わせる。
熱いのでふうふうと少し冷ましてから、親子丼を口にする。
「ん~!!おいひい……!雄英に入れて良かった!」
「食事が美味しいから、雄英に入れて良かったということ?」
「本当にさすがクックヒーロー、ランチラッシュだよね!」
隣の麗日さんがご飯が美味しい!と言う。
「ランチラッシュと言えば…」
お兄ちゃんが思い出したように口を開くが、この先はオタク話だ。
「はいはい、その話は去年も聞いたよ。お兄ちゃん。」
「あれ、そうだっけ?」
あはは、と頭を掻きながら笑う。
何度も聞いてるから、耳にタコが出来ちゃうよ。
「緑谷。」
「うん?」
「はい?」
緑谷と呼ばれたので、思わず返事をしてしまった。
……しまった、これは私じゃなくて、お兄ちゃんを呼んだんだね?
「………?」
轟さんは不思議そうな顔で私を見る。
「轟くん、僕たち兄妹だからね?」
「…ああ、そうか。」
「確かに2人とも緑谷くんでは分かりにくいな。」
「でしたら、泉と名前で呼んで下さい!」
「じゃあ、私は泉ちゃんて呼ばせてもらうね!私もお茶子でええよー。」
「お茶子さん…!」
「では、泉くんと呼ばせてもらうな!」
飯田さんはまた不思議な手の動きをしていた。思わず笑ってしまう。
「ん?轟くんどうしたの?」
「いや……。」
なにやら考えていた轟さんにお兄ちゃんが声をかけた。
顔を上げると、私を見つめた。
改めて見ると、綺麗な顔をしてるし、見れば見るほどイケメンだなあ、なんて考えていると、轟さんが口を開いた。
「泉。」
「…へ…?」
今、名前で呼ばれた?そうだよね?
理解が追いつかない。
顔に熱が一気に集まる。あつい。
「名前間違ってたか?悪りぃ。」
「間違ってません!大丈夫です。私の名前は泉です!」
「……緑谷と、……泉。」
「うん?」
「確かに呼び分ける方が、わかりやすいな。」
「…そう、デスネ…。」
心臓の音がうるさい。好きな人に名前を呼ばれただけで、こんなにうるさくなるなんて、恋って凄まじい。
うるさい鼓動から耳を背けるように、目の前の食事にがっついた。
黙々と食べる。
最後の一口を、放り込む。
ふう…。
お箸を置いて、手を合わせた。
「ごちそうさまでした。」
うるさかった心臓の音は、いつの間にか鳴り止んでいた。
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