2round
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「君、私のものにならないか?」
部屋に入って一言。
他に挨拶も自己紹介もなし。
俺に何か素性を確認することもしない。
扉を潜れば、烏丸がいた部屋を思い出す。
同じような雰囲気の、やたら高そうな調度品とか置いてある趣味のわからない部屋。
そこに大柄で顔に傷のある男。
30代後半くらいか?
高そうなスーツに身を包んで中央のデスクにどかりと偉そうに座っていていかにもって感じだった。
「…話がよくわからないんすけど」
ここまで案内してきたスーツの男が俺の言葉使いにピクリと反応した気がした。
「肝が据わっていて気に入ったんだ。かなり場数も踏んでいる。何よりその個性…まだ本領を発揮してないんだろう?私の元で使え」
「…」
こいつも烏丸と一緒で俺を使い捨ての駒にしたいらしい。
確かに、攻撃、防御、捕縛。
使い方によっちゃ俺の個性は全て可能だ。
シールドの形を変えられるからな。
あれば便利だろう。
「もちろん好条件をだそうじゃないか。私を守り、私の身の回りの世話をし、行動を常に共にしろ。そうすればこんないつ殺されるとも知らぬファイトに出なくていいぞ」
「…俺の個性なら勝てる」
「その個性が効かない個性が相手だったらどうする?こんな試合、どんな個性と当たるかの運次第で簡単に命を落とす」
「…」
どうする?
ここで断ると不自然だ。
俺は金と住む場所に困ってるって設定でここに来てる。
ひとまず受け入れたフリをして、ここを出たらヒーローを呼ぶか?
顔は覚えたぞ。
「…それなりに金も弾んでくれるんだよな?」
「好きなだけくれてやる」
「…いいね。あんたのとこで働くよ」
大柄な男は満足そうに笑った。
ひとまずこれでいい。
あとは勝己のところまで戻れれば問題ない。
「じゃあ俺、これまでの試合の金を上で受け取ってく…」
「その前に私に忠誠を誓ってもらおうか」
「は?」
男は立ち上がって俺の方へと歩いてきた。
妙な雰囲気だった。
周りにいたスーツの男たちも俺に近づいてくる。
「今ここで、私への忠誠を態度で示せ」
「!?」
俺の目の前までくると男は自身のベルトを外し出した。
は?え、これって…。
突然護衛についていた男たちが俺の肩や頭を上から押さえつけてきた。
「っ…なんだよ!」
俺は咄嗟にそいつらの腕を払い落とした。
それでもつかみかかってこようとしたのでシールドで防いだ。
馬鹿かよ!
俺の個性知ってて素手で捕まえられると思ってんのか。
「素晴らしい個性だ。しかし私との相性はどうかな?」
「…?!」
シールドで防御しているのに、体が前方に引っ張られた。
「な?!」
「次個性を使ったらこの場で殺す」
俺は見えない強い力に引っ張られて床に引き摺り下ろされた。
両手両膝をついて、そこから動けなくなった。
何だこいつの個性?!
「お前のシールドは引力まで防げないみたいだな」
「…!」
大男は俺の前髪を掴み上げると上を向かせた。
そして目の前には男のズボンがやたらと膨らんでいるのが見えて…
ふざけんなよ。
こんな周りに他の人間もいるのに正気かよ?
「…せめて部下の人たちをどっかやってくれよ」
どさくさに紛れてここから逃げられないだろうか。
俺はとにかく話を終わらせたら突っ込まれると思って話した。
「何言ってる。忠誠を誓うなら大勢の前でしてもらわないとな」
「…!」
「お前の個性が何であろうと、一目見た時から私のものにしようと決めていた」
勝手に決めんな!!
くそっ…!!
こうゆうことさせんのが目的だったんなら先に言えよ!
ぜってぇ断って逃げてたのに‼︎
俺は必死に体を動かそうとしたが手足はまるで鉛のように動かない。引力で下に強く引っ張られ、肩や肘の関節が軋む。
考えろ。
そう自分に言い聞かすが、そいつはすでに下半身を露出させていた。
顔の目の前に見たくもないグロテスクなものが聳り立っていて本気でやばいと思った。
「ふ、っふざけんな!誰がこんな…」
腕がもげてもいい。
この重力から逃れようともがいた。
昔の俺だったら、こんな状況になったら簡単に諦めていただろう。
俺なんかおもちゃにされて、使い捨てにされても仕方ないって思ってた。
でも今は違う。
俺以上に、俺のことを大事にしてくれる人がいるから。
その時、地面が大きく揺れた。
頭上から爆発音とコンクリートが粉砕する音が近づいてくる。
その耳が痛くなるような轟音が、俺にとっては母親が子供に語りかける時の声より、安心した。
部屋に入って一言。
他に挨拶も自己紹介もなし。
俺に何か素性を確認することもしない。
扉を潜れば、烏丸がいた部屋を思い出す。
同じような雰囲気の、やたら高そうな調度品とか置いてある趣味のわからない部屋。
そこに大柄で顔に傷のある男。
30代後半くらいか?
高そうなスーツに身を包んで中央のデスクにどかりと偉そうに座っていていかにもって感じだった。
「…話がよくわからないんすけど」
ここまで案内してきたスーツの男が俺の言葉使いにピクリと反応した気がした。
「肝が据わっていて気に入ったんだ。かなり場数も踏んでいる。何よりその個性…まだ本領を発揮してないんだろう?私の元で使え」
「…」
こいつも烏丸と一緒で俺を使い捨ての駒にしたいらしい。
確かに、攻撃、防御、捕縛。
使い方によっちゃ俺の個性は全て可能だ。
シールドの形を変えられるからな。
あれば便利だろう。
「もちろん好条件をだそうじゃないか。私を守り、私の身の回りの世話をし、行動を常に共にしろ。そうすればこんないつ殺されるとも知らぬファイトに出なくていいぞ」
「…俺の個性なら勝てる」
「その個性が効かない個性が相手だったらどうする?こんな試合、どんな個性と当たるかの運次第で簡単に命を落とす」
「…」
どうする?
ここで断ると不自然だ。
俺は金と住む場所に困ってるって設定でここに来てる。
ひとまず受け入れたフリをして、ここを出たらヒーローを呼ぶか?
顔は覚えたぞ。
「…それなりに金も弾んでくれるんだよな?」
「好きなだけくれてやる」
「…いいね。あんたのとこで働くよ」
大柄な男は満足そうに笑った。
ひとまずこれでいい。
あとは勝己のところまで戻れれば問題ない。
「じゃあ俺、これまでの試合の金を上で受け取ってく…」
「その前に私に忠誠を誓ってもらおうか」
「は?」
男は立ち上がって俺の方へと歩いてきた。
妙な雰囲気だった。
周りにいたスーツの男たちも俺に近づいてくる。
「今ここで、私への忠誠を態度で示せ」
「!?」
俺の目の前までくると男は自身のベルトを外し出した。
は?え、これって…。
突然護衛についていた男たちが俺の肩や頭を上から押さえつけてきた。
「っ…なんだよ!」
俺は咄嗟にそいつらの腕を払い落とした。
それでもつかみかかってこようとしたのでシールドで防いだ。
馬鹿かよ!
俺の個性知ってて素手で捕まえられると思ってんのか。
「素晴らしい個性だ。しかし私との相性はどうかな?」
「…?!」
シールドで防御しているのに、体が前方に引っ張られた。
「な?!」
「次個性を使ったらこの場で殺す」
俺は見えない強い力に引っ張られて床に引き摺り下ろされた。
両手両膝をついて、そこから動けなくなった。
何だこいつの個性?!
「お前のシールドは引力まで防げないみたいだな」
「…!」
大男は俺の前髪を掴み上げると上を向かせた。
そして目の前には男のズボンがやたらと膨らんでいるのが見えて…
ふざけんなよ。
こんな周りに他の人間もいるのに正気かよ?
「…せめて部下の人たちをどっかやってくれよ」
どさくさに紛れてここから逃げられないだろうか。
俺はとにかく話を終わらせたら突っ込まれると思って話した。
「何言ってる。忠誠を誓うなら大勢の前でしてもらわないとな」
「…!」
「お前の個性が何であろうと、一目見た時から私のものにしようと決めていた」
勝手に決めんな!!
くそっ…!!
こうゆうことさせんのが目的だったんなら先に言えよ!
ぜってぇ断って逃げてたのに‼︎
俺は必死に体を動かそうとしたが手足はまるで鉛のように動かない。引力で下に強く引っ張られ、肩や肘の関節が軋む。
考えろ。
そう自分に言い聞かすが、そいつはすでに下半身を露出させていた。
顔の目の前に見たくもないグロテスクなものが聳り立っていて本気でやばいと思った。
「ふ、っふざけんな!誰がこんな…」
腕がもげてもいい。
この重力から逃れようともがいた。
昔の俺だったら、こんな状況になったら簡単に諦めていただろう。
俺なんかおもちゃにされて、使い捨てにされても仕方ないって思ってた。
でも今は違う。
俺以上に、俺のことを大事にしてくれる人がいるから。
その時、地面が大きく揺れた。
頭上から爆発音とコンクリートが粉砕する音が近づいてくる。
その耳が痛くなるような轟音が、俺にとっては母親が子供に語りかける時の声より、安心した。