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「黒幕は追ってる敵 の可能性は高そう。ファイトはトーナメント形式だけどファイターの人数もわかなくていつが決勝になるのかも不明。ただし、決勝まで勝ったやつはかならず黒幕から仲間にならないかって勧誘受けるらしい」
「すごいな。1日で場所だけじゃなくてそんなにわかったのか」
名前は例の地下闘技場に目星をつけて足を運んだ。いくつか回ってみてそれは当たった。
烏丸の名を出したら今でもすんなり入れた。
俺役に立つだろ!と、名前が轟の前で誇らしげに笑う。
「あぁ。情報屋として雇いたいくらいだ。…そこの保護者の許可は降りねぇだろうが」
轟の後ろでは爆豪が般若のような形相で仁王立っていた。
「…って、めぇ」
「うわ」
今度は名前にズカズカと音を立てながら近づいてその首根っこを荒っぽく掴んだ。
「なぁにが見てくるだけだ!!護衛につけてた奴まで撒いて誰が地下まで潜ってこいっつった!!」
有名なヒーローがうろつけば敵に知られかねないと、爆豪や轟はそばにいることができなかった。代わりに名前の身を案じて何人かサポートできそうな個性をもった事務所の関係者をつけていたのに、途中でそれを振り払ってしまった。
「いやだってよぉ、こういうのはスピードが勝負だぜ?試合に出たいわけでもない奴が周りでコソコソしてるとすぐ勘づかれて逃げられるぜ?」
「黙れ!!ガキが危ねぇこと……っ、お前今なんつった?」
爆豪は名前の今しがた発せられた言葉に嫌な予感がした。
服を掴んだ手が震える。
「試合で誰か勝たなきゃ黒幕捕まえられないだろ?」
「クソが!!出させるわけねぇだろ!!」
爆豪は事務所の窓ガラスがミシミシと音を立てそうなほど叫んだ。
「でも、もう出るって言ってきた」
「はぁぁあ?!!」
まさに糠に釘状態の名前を前に、爆豪は額の血管が切れそうだった。
見かねて轟が助け舟を出す。
「名前、協力は嬉しいがここまでで十分だ。お前が言ってたんじゃねぇか、死ぬまで闘う試合だって」
「だからその辺の経験ないヒーローじゃ死んじまうよ。正攻法でくる奴らじゃねぇし」
轟の助け船も無視して名前が話し続ける。
腕っぷしのあるヒーローじゃ有名だからそもそも近づけもしねぇだろ。とも付け加えた。
「…だからって、一般人のお前を巻き込んでいいことにはならねぇ。あとは何とかする」
「でも」
「いい加減にしやがれ!!お前はヒーローじゃねぇんだ!!」
ぴくっと名前の肩が揺れた。
そして少し俯いたかと思えば少し拗ねた顔で爆豪を見上げた。
「ちぇ!んだよ、ケチ。久しぶりに個性使って体動かしてぇと思ったのによー。俺このままじゃ太っちまうじゃねぇか」
ぱっと、掴まれていた手を振り払い、名前はべーと下を出して爆豪に不満をぶつけた。
諦めてくれた様子の名前に轟も、周りでそのやりとりを傍観しているしかできなかった事務所の者たちも胸を撫で下ろす。
まだ怒りが収まらない様子の爆豪にビクビクしながらも、とりあえず事務所が爆豪の個性で吹き飛ばずに済んだと思った。
「じゃあせめて何かご褒美くれよー」
「そ、そそそそうですよね!な、何がいいですかね?あ、とりあえず何か好きな食べ物ないですか?買ってきますよ?!」
轟のサポートとして付いてきた女性事務員がこの流れを止めてはいけないと、すぐさま名前に提案した。
「え!ほんと?!俺さっき帰ってくる途中でTVで見たことあるアイスの店の前通ったんだよね!」
「すぐ買ってきます!」
「溶けちゃうじゃん!一緒に行ってよ!その前にたこ焼きも買ってー」
「はい!もちろん!」
黙っている爆豪を無視して名前は事務員と歩き出す。
2人の声が事務所の外に遠ざかっていく。
それが聞こえなくなったところで皆がはぁっ、とため息をついた。
各々仕事に取り掛かろうと、誰かが言ったところでそれぞれ動き出した。
黙り込む爆豪に轟が声をかけた。
「…名前すげぇな。肝が座ってる。うちでヒーローとして雇いてぇくらいだ」
「あいつは何もわかってねぇガキだ!ヒーローなんかやらせられっか!」
「…そうか?」
「あ?」
轟が意味深に呟くものだから思わず爆豪はそちらを見た。轟が爆豪を静かに見ていた。
「名前がどうやって生きてきたかは聞いた。あいつの方が世の中の理不尽を嫌ってほどわかってんじゃねぇのか」
何もわかってないはずがないと、轟は爆豪に伝えたかった。
何より名前は爆豪の役に立ちたくて今回調査を強引に名乗り出たのだろう。
その気持ちを無碍にされたくなくて、轟は思わず爆豪を諭した。
「…んなこたぁわかってんだよ」
「?」
反発してくるかと思いきや、爆豪は静かに呟いた。
「あいつがわかってねぇのは…」
その時、轟のスマホが鳴った。
轟は一度爆豪に視線を寄越したが、すぐに電話に出た。
「どうした?」
それを見て爆豪も他のヒーロー同様仕事に取り掛かかろうと思った。
「は?名前がいない?」
轟のその驚いた声を聞いて、爆豪はすぐさま轟のスマホを奪った。
「おい!名前がどぉした?!」
『ひ!…す、すみません!一緒に歩いていたはずなんですが、一瞬でいなくなってしまって…』
電話の相手は先程名前と外へ出たエンデヴァー事務所の職員だった。
「すごいな。1日で場所だけじゃなくてそんなにわかったのか」
名前は例の地下闘技場に目星をつけて足を運んだ。いくつか回ってみてそれは当たった。
烏丸の名を出したら今でもすんなり入れた。
俺役に立つだろ!と、名前が轟の前で誇らしげに笑う。
「あぁ。情報屋として雇いたいくらいだ。…そこの保護者の許可は降りねぇだろうが」
轟の後ろでは爆豪が般若のような形相で仁王立っていた。
「…って、めぇ」
「うわ」
今度は名前にズカズカと音を立てながら近づいてその首根っこを荒っぽく掴んだ。
「なぁにが見てくるだけだ!!護衛につけてた奴まで撒いて誰が地下まで潜ってこいっつった!!」
有名なヒーローがうろつけば敵に知られかねないと、爆豪や轟はそばにいることができなかった。代わりに名前の身を案じて何人かサポートできそうな個性をもった事務所の関係者をつけていたのに、途中でそれを振り払ってしまった。
「いやだってよぉ、こういうのはスピードが勝負だぜ?試合に出たいわけでもない奴が周りでコソコソしてるとすぐ勘づかれて逃げられるぜ?」
「黙れ!!ガキが危ねぇこと……っ、お前今なんつった?」
爆豪は名前の今しがた発せられた言葉に嫌な予感がした。
服を掴んだ手が震える。
「試合で誰か勝たなきゃ黒幕捕まえられないだろ?」
「クソが!!出させるわけねぇだろ!!」
爆豪は事務所の窓ガラスがミシミシと音を立てそうなほど叫んだ。
「でも、もう出るって言ってきた」
「はぁぁあ?!!」
まさに糠に釘状態の名前を前に、爆豪は額の血管が切れそうだった。
見かねて轟が助け舟を出す。
「名前、協力は嬉しいがここまでで十分だ。お前が言ってたんじゃねぇか、死ぬまで闘う試合だって」
「だからその辺の経験ないヒーローじゃ死んじまうよ。正攻法でくる奴らじゃねぇし」
轟の助け船も無視して名前が話し続ける。
腕っぷしのあるヒーローじゃ有名だからそもそも近づけもしねぇだろ。とも付け加えた。
「…だからって、一般人のお前を巻き込んでいいことにはならねぇ。あとは何とかする」
「でも」
「いい加減にしやがれ!!お前はヒーローじゃねぇんだ!!」
ぴくっと名前の肩が揺れた。
そして少し俯いたかと思えば少し拗ねた顔で爆豪を見上げた。
「ちぇ!んだよ、ケチ。久しぶりに個性使って体動かしてぇと思ったのによー。俺このままじゃ太っちまうじゃねぇか」
ぱっと、掴まれていた手を振り払い、名前はべーと下を出して爆豪に不満をぶつけた。
諦めてくれた様子の名前に轟も、周りでそのやりとりを傍観しているしかできなかった事務所の者たちも胸を撫で下ろす。
まだ怒りが収まらない様子の爆豪にビクビクしながらも、とりあえず事務所が爆豪の個性で吹き飛ばずに済んだと思った。
「じゃあせめて何かご褒美くれよー」
「そ、そそそそうですよね!な、何がいいですかね?あ、とりあえず何か好きな食べ物ないですか?買ってきますよ?!」
轟のサポートとして付いてきた女性事務員がこの流れを止めてはいけないと、すぐさま名前に提案した。
「え!ほんと?!俺さっき帰ってくる途中でTVで見たことあるアイスの店の前通ったんだよね!」
「すぐ買ってきます!」
「溶けちゃうじゃん!一緒に行ってよ!その前にたこ焼きも買ってー」
「はい!もちろん!」
黙っている爆豪を無視して名前は事務員と歩き出す。
2人の声が事務所の外に遠ざかっていく。
それが聞こえなくなったところで皆がはぁっ、とため息をついた。
各々仕事に取り掛かろうと、誰かが言ったところでそれぞれ動き出した。
黙り込む爆豪に轟が声をかけた。
「…名前すげぇな。肝が座ってる。うちでヒーローとして雇いてぇくらいだ」
「あいつは何もわかってねぇガキだ!ヒーローなんかやらせられっか!」
「…そうか?」
「あ?」
轟が意味深に呟くものだから思わず爆豪はそちらを見た。轟が爆豪を静かに見ていた。
「名前がどうやって生きてきたかは聞いた。あいつの方が世の中の理不尽を嫌ってほどわかってんじゃねぇのか」
何もわかってないはずがないと、轟は爆豪に伝えたかった。
何より名前は爆豪の役に立ちたくて今回調査を強引に名乗り出たのだろう。
その気持ちを無碍にされたくなくて、轟は思わず爆豪を諭した。
「…んなこたぁわかってんだよ」
「?」
反発してくるかと思いきや、爆豪は静かに呟いた。
「あいつがわかってねぇのは…」
その時、轟のスマホが鳴った。
轟は一度爆豪に視線を寄越したが、すぐに電話に出た。
「どうした?」
それを見て爆豪も他のヒーロー同様仕事に取り掛かかろうと思った。
「は?名前がいない?」
轟のその驚いた声を聞いて、爆豪はすぐさま轟のスマホを奪った。
「おい!名前がどぉした?!」
『ひ!…す、すみません!一緒に歩いていたはずなんですが、一瞬でいなくなってしまって…』
電話の相手は先程名前と外へ出たエンデヴァー事務所の職員だった。