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轟は驚いていた。
そして、刮目した。
「勝己ー、俺あのココアってやつまた飲みてぇ」
「ん。座ってろ」
「…」
あの爆豪が…、個性さながらの性格のあの爆豪が、少年に甘えられてそれを受け入れている。
こんな光景想像できたであろうか、いや出来ない。
「ショートは?ココア飲む?コーヒーか?それとも酒か?」
「あ、あぁ。…あ、コーヒー」
「お前はいつまでいんだよ」
「いいじゃん。勝己の女遍歴とか聞きてぇ」
「んなもんねぇよ!!」
ヘラヘラ笑っている少年は爆豪の怒鳴り声にも全く動じず、むしろ楽しんでいるように見える。
爆豪もそれに怒りを増幅させることもなく、黙って何だかんだコーヒーの準備までしてくれているようだった。
高校時代のクラスメイトが見たら爆豪の偽物かと思うかもしれない。真剣にそんなことを考えてしまうくらい、それくらい爆豪の横顔が穏やかに見えた。
そして轟の目の前に湯気の立つコーヒーがマグカップに入って運ばれてきた。
それははやや素っ気なさげにテーブルの上にゴトリ、と置かれたのに対して、名前には「火傷すんなよ」と言って、マグカップの持ち手が持ちやすいように手渡してやっていた。
その様子にも目を見張った。
「んじゃ高校の時はどんな女と付き合ってたのー?」
ココアを、一口美味しそうに飲んだ名前が嬉々として轟に尋ねた。
しかし爆豪がすかさずそんな話題を自分の目の前でされてたまるかと、横から制止した。
「んなもんねぇっつってんだろ!…んで、轟は今日なんか収穫あったんか」
話題を逸らそうと、追っている敵 の話題にすり替える。すり替えた本人は名前の前でするべきではなかったかもしれないとも思ったが、咄嗟だった。
轟は爆豪の心境に気づくはずもなく、振られた話に素直に返事をした。
「いや。今日は何も情報は入って来なさそうだな。例の地下格闘技場でも見つかれば少しは進展できそうだが…」
「え?何それ?何それ?」
「だぁってろ。名前には関係ねぇ」
名前が身を乗り出す。
やはりこの話題は失敗だったと爆豪が後悔する。
爆豪は名前に過去を思い出させるようなことはできるだけさせたくなかった。
辛い記憶だろうと気遣う気持ちと、そういうものに今後一切近づいてほしくないと思っていた。
名前がまた誰かに利用されるような事にでもなったらと思うと気が気でなかった。
しかし一方の名前は良かれと思って話を進めた。
「この辺だともしかしてあれかなぁ、完全に真っ黒な格闘技賭博やってるとこ」
「?何か知ってるのか?」
轟は名前が何故そんなことを知っているのかと思いながら話の続きを促した。
「個性の使用OKで、審判もいねぇから試合終了は対戦相手の棄権か再起不能を認めてやった時。もしくは相手が死ぬまで」
「…なんだ、そりゃ。本当に日本の話なのか?」
「うーん。俺は烏丸に気に入られてたからそっちに出たことは一回もないからよく知らんけど、あんまり使えなさそうなのはそっちに出場させられてたみてぇ。一回でも出たらけっこー金になるからって」
「名前、首突っ込むな。轟。テメェも素人の話なんか真面目に聞いてんじゃねぇぞ」
爆豪が自分で振った話ではあったが、これ以上は何だか踏み込んで欲しくない気持ちになり会話を無理矢理終わらせようとした。
しかし名前はまぁまぁと爆豪を仕草で制して話を続けた。
「それこそ場所の特定は素人には難しいと思うけどな。ランダムで会場を変えてるらしいし、逃げ慣れてる連中だから怪しい奴がいたら証拠消してすぐ消えちまうし」
「…名前は何でそんなこと知ってんだ?」
轟は純粋な疑問を投げかける。
名前がニコリと意味深な笑顔で、それは長くなるからまた今度。と返した。
そして何か思いついたような、もしくは悪巧みでもするようにニヤリと笑って言った。
「そうだ」
爆豪は嫌な予感がした。
そしてやはり轟を家に招いたことを後悔した。
「俺が見てきてやろうか?」
そして、刮目した。
「勝己ー、俺あのココアってやつまた飲みてぇ」
「ん。座ってろ」
「…」
あの爆豪が…、個性さながらの性格のあの爆豪が、少年に甘えられてそれを受け入れている。
こんな光景想像できたであろうか、いや出来ない。
「ショートは?ココア飲む?コーヒーか?それとも酒か?」
「あ、あぁ。…あ、コーヒー」
「お前はいつまでいんだよ」
「いいじゃん。勝己の女遍歴とか聞きてぇ」
「んなもんねぇよ!!」
ヘラヘラ笑っている少年は爆豪の怒鳴り声にも全く動じず、むしろ楽しんでいるように見える。
爆豪もそれに怒りを増幅させることもなく、黙って何だかんだコーヒーの準備までしてくれているようだった。
高校時代のクラスメイトが見たら爆豪の偽物かと思うかもしれない。真剣にそんなことを考えてしまうくらい、それくらい爆豪の横顔が穏やかに見えた。
そして轟の目の前に湯気の立つコーヒーがマグカップに入って運ばれてきた。
それははやや素っ気なさげにテーブルの上にゴトリ、と置かれたのに対して、名前には「火傷すんなよ」と言って、マグカップの持ち手が持ちやすいように手渡してやっていた。
その様子にも目を見張った。
「んじゃ高校の時はどんな女と付き合ってたのー?」
ココアを、一口美味しそうに飲んだ名前が嬉々として轟に尋ねた。
しかし爆豪がすかさずそんな話題を自分の目の前でされてたまるかと、横から制止した。
「んなもんねぇっつってんだろ!…んで、轟は今日なんか収穫あったんか」
話題を逸らそうと、追っている
轟は爆豪の心境に気づくはずもなく、振られた話に素直に返事をした。
「いや。今日は何も情報は入って来なさそうだな。例の地下格闘技場でも見つかれば少しは進展できそうだが…」
「え?何それ?何それ?」
「だぁってろ。名前には関係ねぇ」
名前が身を乗り出す。
やはりこの話題は失敗だったと爆豪が後悔する。
爆豪は名前に過去を思い出させるようなことはできるだけさせたくなかった。
辛い記憶だろうと気遣う気持ちと、そういうものに今後一切近づいてほしくないと思っていた。
名前がまた誰かに利用されるような事にでもなったらと思うと気が気でなかった。
しかし一方の名前は良かれと思って話を進めた。
「この辺だともしかしてあれかなぁ、完全に真っ黒な格闘技賭博やってるとこ」
「?何か知ってるのか?」
轟は名前が何故そんなことを知っているのかと思いながら話の続きを促した。
「個性の使用OKで、審判もいねぇから試合終了は対戦相手の棄権か再起不能を認めてやった時。もしくは相手が死ぬまで」
「…なんだ、そりゃ。本当に日本の話なのか?」
「うーん。俺は烏丸に気に入られてたからそっちに出たことは一回もないからよく知らんけど、あんまり使えなさそうなのはそっちに出場させられてたみてぇ。一回でも出たらけっこー金になるからって」
「名前、首突っ込むな。轟。テメェも素人の話なんか真面目に聞いてんじゃねぇぞ」
爆豪が自分で振った話ではあったが、これ以上は何だか踏み込んで欲しくない気持ちになり会話を無理矢理終わらせようとした。
しかし名前はまぁまぁと爆豪を仕草で制して話を続けた。
「それこそ場所の特定は素人には難しいと思うけどな。ランダムで会場を変えてるらしいし、逃げ慣れてる連中だから怪しい奴がいたら証拠消してすぐ消えちまうし」
「…名前は何でそんなこと知ってんだ?」
轟は純粋な疑問を投げかける。
名前がニコリと意味深な笑顔で、それは長くなるからまた今度。と返した。
そして何か思いついたような、もしくは悪巧みでもするようにニヤリと笑って言った。
「そうだ」
爆豪は嫌な予感がした。
そしてやはり轟を家に招いたことを後悔した。
「俺が見てきてやろうか?」