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爆豪は冷蔵庫にあるものを適当に調理すると、名前と軽く食べることにした。先程4日ぶりに開けた冷蔵庫には想像していたより遥かに食材が多く残されていた。
冷凍室も開けてみれば、爆豪がしばらく家に帰れなかった時のためにと作り置いておいた料理もあまり減っていない。
「お前この4日間何食ってたんだ」
「ん?…あー、何かめんどくさくてさぁ」
ちゃんと食え、と苦言を呈そうとした爆豪は思い直した。
ーーー俺は何を食べるかより、誰と食べるかを重視してるから。
そう言っていた名前の言葉を思い出して、やはり寂しい思いをさせていたようだと気付く。
「…ほら。どうせ朝も食ってねぇんだろ。お前も食え」
「いぇーい!やりぃ」
すぐさま食卓についた名前をみて思わず口角が上がる。
食事に手をつけだした名前を見ながら、自身もコーヒーに口をつけた。
「敵 の出現が立て続いたみたいだなー」
そういえば、と前置きした名前が徐ろに話題を振ってきた。
「あぁ、後処理とかにも手間取ってなかなか帰って来れんかったわ」
「ニュースで勝己映ってたな!」
「すぐテレビ局くるからな」
先程の拗ねた雰囲気はすっかりなくなり、名前は食事を進めていく。
「最近ここら辺も物騒な連中が潜り込んでるらしい。お前変な所とか暗くなってからでかけるんじゃねぇぞ」
「えー、俺の方がよっぽど裏の人間らしくない?」
冗談とも本気とも取れる名前の言葉に、爆豪はため息をつく。
「お前のような個性は便利すぎんだよ。そういうのは烏丸以外にも狙う奴は多いつってんだ。迂闊に人に見せんじゃねぇぞ」
「大丈夫だって!バレないように個性使うプロだぜ俺は?」
「馬鹿が。俺には一発でわかったわ」
「えー?そうだったかぁ?」
心配しているというのに、自分の恋人はまるで他人事のように話を聞いているものだがら爆豪は頭が痛くなる思いだった。
何と釘を刺してやったら良いものかと考えを巡らせた。
「それにさ」
「あ?」
食事をあっという間に平らげた名前が椅子から立ち上がり、食器をシンクに運ぶ。
「もし俺が危ない目にあってもさ、ヒーローが助けに来てくれんだろ?」
「お前なぁ…」
そんな都合よく助けに行ける時ばかりではない、と言おうとした爆豪を名前が後ろから抱きしめた。爆豪は一旦黙って名前の言葉の続きを聞くことにした。
「爆心地はみんなのヒーローだけど、俺のヒーローは勝己だけだよ」
自分の恋人はつくづく自分の扱いが上手いと思った。そんなふうに頼られて悪い気はしなかった。
それに、名前を守るのは、この先もずっと自分がいい、と。
「…もう誰にもお前を傷つけさせねぇよ」
名前が回した手を優しく解き、爆豪は振り返る。
そして血色の良い頬にその手を添えて顔を近づける。名前も促されるまま顔を近づけていく。
「…名前」
「勝己…、俺もう待てないよ」
2人の唇が触れようとした瞬間。
“ピンポーン”
「!!」
家中に雰囲気をぶち壊す間抜けな電子音が響いた。咄嗟に玄関の方に視線がいく。
なんて言うタイミングだろうと思い、爆豪は玄関から恐る恐る名前の顔に視線を戻す。
名前は猫が威嚇しているときのような顔で玄関を睨んでいる。
ありもしない毛が逆立っているように見える。
せっかく機嫌も直ってこれからだという雰囲気なのだから、ここは居留守を突き通すしかないと爆豪は決意する。
「…っむ、無視すりゃいいだ」
“ピンポン、ピンポン、ピンポーン”
「あぁ!クソがっ!」
まさかのインターホン連打にもう雰囲気はぶち壊しであった。
早く鳴り止ませたい一心で爆豪が荒々しい足音を立てながらインターホンのモニターに近づく。
そしてそこに映っているのは、数時間前に会ったばかりの同期のヒーローだった。
爆豪は玄関のドアを勢いよく開けた。
やはりそこには轟が立っていた。
何やら紙袋をこちらに差し出している。
「休んでるとこ悪いな。これ預かってきた」
「…なんでぃこりゃ」
「お前が事務所に泊まり込んでた間の洗濯物だそうだ。事務所の人が持って行こうとしてたんだが、俺が近くを通るついでに届けてやろうと」
「…せん、たくものっ…はぁぁぁぁぁ」
そう言えばそんなものも忘れていた、と爆豪は盛大なため息をつく。早く帰りたいという気持ちが先に出て、忘れていた。
タイミングは最悪だが、轟は完全な善意で来ている手前無碍にはできなかった。
「わる、かっ、たなぁ…」
「やけに素直だな」
いつもと様子の違う爆豪に轟は違和感を覚えた。
そしてふと開け放された玄関から、爆豪の家の中が見えた。玄関からまっすぐリビングに続く廊下に見知らぬ少年が立ってコチラを見ていることに気づいた。
「…誰だ?」
「ぁ?」
爆豪も振り返ると、廊下でコチラをじとーっとした目つきで睨んでいる名前がいた。
「俺とヒーローショートと…二股かけてたのか、勝己」
「はぁ?!!」
「ふたまた?」
轟が怪訝な顔をして名前と爆豪を交互に見比べた。
「ざっけんじゃねぇ!何で俺がこんな半分ヤローと…!!」
「だって洗濯物持ってきてもらうってどぉゆー関係だよ」
「これは!ちげっ…、お前話聞いてなかったのかよ?!」
顔を真っ赤にして爆豪が否定する。
後ろでは轟が「声でかいぞ。近所迷惑だ」と的外れな心配をしていた。
そのうち名前がふっと笑い出した。
「…ぶ、っふふ。ごめん、冗談だって。仲良さそうでムカついたから、意地悪した」
「…!!」
さらに爆豪の顔が赤くなる。耳まで赤くなって恥ずかしいのか怒りなのかもはやわからない様子だった。
そんな様子でも特に空気を読もうとしない轟が、トントンと指先で爆豪の肩を叩く。
「ぁんだ?!」
「ついでに家に邪魔していいか?」
「…っっっせぇぇ!!帰れ!!!」
冷凍室も開けてみれば、爆豪がしばらく家に帰れなかった時のためにと作り置いておいた料理もあまり減っていない。
「お前この4日間何食ってたんだ」
「ん?…あー、何かめんどくさくてさぁ」
ちゃんと食え、と苦言を呈そうとした爆豪は思い直した。
ーーー俺は何を食べるかより、誰と食べるかを重視してるから。
そう言っていた名前の言葉を思い出して、やはり寂しい思いをさせていたようだと気付く。
「…ほら。どうせ朝も食ってねぇんだろ。お前も食え」
「いぇーい!やりぃ」
すぐさま食卓についた名前をみて思わず口角が上がる。
食事に手をつけだした名前を見ながら、自身もコーヒーに口をつけた。
「
そういえば、と前置きした名前が徐ろに話題を振ってきた。
「あぁ、後処理とかにも手間取ってなかなか帰って来れんかったわ」
「ニュースで勝己映ってたな!」
「すぐテレビ局くるからな」
先程の拗ねた雰囲気はすっかりなくなり、名前は食事を進めていく。
「最近ここら辺も物騒な連中が潜り込んでるらしい。お前変な所とか暗くなってからでかけるんじゃねぇぞ」
「えー、俺の方がよっぽど裏の人間らしくない?」
冗談とも本気とも取れる名前の言葉に、爆豪はため息をつく。
「お前のような個性は便利すぎんだよ。そういうのは烏丸以外にも狙う奴は多いつってんだ。迂闊に人に見せんじゃねぇぞ」
「大丈夫だって!バレないように個性使うプロだぜ俺は?」
「馬鹿が。俺には一発でわかったわ」
「えー?そうだったかぁ?」
心配しているというのに、自分の恋人はまるで他人事のように話を聞いているものだがら爆豪は頭が痛くなる思いだった。
何と釘を刺してやったら良いものかと考えを巡らせた。
「それにさ」
「あ?」
食事をあっという間に平らげた名前が椅子から立ち上がり、食器をシンクに運ぶ。
「もし俺が危ない目にあってもさ、ヒーローが助けに来てくれんだろ?」
「お前なぁ…」
そんな都合よく助けに行ける時ばかりではない、と言おうとした爆豪を名前が後ろから抱きしめた。爆豪は一旦黙って名前の言葉の続きを聞くことにした。
「爆心地はみんなのヒーローだけど、俺のヒーローは勝己だけだよ」
自分の恋人はつくづく自分の扱いが上手いと思った。そんなふうに頼られて悪い気はしなかった。
それに、名前を守るのは、この先もずっと自分がいい、と。
「…もう誰にもお前を傷つけさせねぇよ」
名前が回した手を優しく解き、爆豪は振り返る。
そして血色の良い頬にその手を添えて顔を近づける。名前も促されるまま顔を近づけていく。
「…名前」
「勝己…、俺もう待てないよ」
2人の唇が触れようとした瞬間。
“ピンポーン”
「!!」
家中に雰囲気をぶち壊す間抜けな電子音が響いた。咄嗟に玄関の方に視線がいく。
なんて言うタイミングだろうと思い、爆豪は玄関から恐る恐る名前の顔に視線を戻す。
名前は猫が威嚇しているときのような顔で玄関を睨んでいる。
ありもしない毛が逆立っているように見える。
せっかく機嫌も直ってこれからだという雰囲気なのだから、ここは居留守を突き通すしかないと爆豪は決意する。
「…っむ、無視すりゃいいだ」
“ピンポン、ピンポン、ピンポーン”
「あぁ!クソがっ!」
まさかのインターホン連打にもう雰囲気はぶち壊しであった。
早く鳴り止ませたい一心で爆豪が荒々しい足音を立てながらインターホンのモニターに近づく。
そしてそこに映っているのは、数時間前に会ったばかりの同期のヒーローだった。
爆豪は玄関のドアを勢いよく開けた。
やはりそこには轟が立っていた。
何やら紙袋をこちらに差し出している。
「休んでるとこ悪いな。これ預かってきた」
「…なんでぃこりゃ」
「お前が事務所に泊まり込んでた間の洗濯物だそうだ。事務所の人が持って行こうとしてたんだが、俺が近くを通るついでに届けてやろうと」
「…せん、たくものっ…はぁぁぁぁぁ」
そう言えばそんなものも忘れていた、と爆豪は盛大なため息をつく。早く帰りたいという気持ちが先に出て、忘れていた。
タイミングは最悪だが、轟は完全な善意で来ている手前無碍にはできなかった。
「わる、かっ、たなぁ…」
「やけに素直だな」
いつもと様子の違う爆豪に轟は違和感を覚えた。
そしてふと開け放された玄関から、爆豪の家の中が見えた。玄関からまっすぐリビングに続く廊下に見知らぬ少年が立ってコチラを見ていることに気づいた。
「…誰だ?」
「ぁ?」
爆豪も振り返ると、廊下でコチラをじとーっとした目つきで睨んでいる名前がいた。
「俺とヒーローショートと…二股かけてたのか、勝己」
「はぁ?!!」
「ふたまた?」
轟が怪訝な顔をして名前と爆豪を交互に見比べた。
「ざっけんじゃねぇ!何で俺がこんな半分ヤローと…!!」
「だって洗濯物持ってきてもらうってどぉゆー関係だよ」
「これは!ちげっ…、お前話聞いてなかったのかよ?!」
顔を真っ赤にして爆豪が否定する。
後ろでは轟が「声でかいぞ。近所迷惑だ」と的外れな心配をしていた。
そのうち名前がふっと笑い出した。
「…ぶ、っふふ。ごめん、冗談だって。仲良さそうでムカついたから、意地悪した」
「…!!」
さらに爆豪の顔が赤くなる。耳まで赤くなって恥ずかしいのか怒りなのかもはやわからない様子だった。
そんな様子でも特に空気を読もうとしない轟が、トントンと指先で爆豪の肩を叩く。
「ぁんだ?!」
「ついでに家に邪魔していいか?」
「…っっっせぇぇ!!帰れ!!!」