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12月も半ばの、本格的な冬が始まっている頃。
朝、目を覚ますと布団から出ている顔がひんやりしていて、特に冷たくなっている鼻をさする。
「…さむっ」
名前は布団の中に顔も隠そうと布団を引っ張りあげた。
するとそれを邪魔する者がいた。
「ん?あ、勝己離せよー」
先に起きていた爆豪がそれをさせまいと、足元で仁王だって布団を掴んでいた。
「おい。とっとと起きねぇか」
「何でよ?今日勝己非番だろ?」
「だからだろぉが。早く起きて休みは有効に使うんだよ」
「休みは休むためにあんだよ!」
「ったく!」
「わー!やめろ!寒っ!!」
しばらく討論し合った末、爆豪が布団を名前からひっぺはがした。
名前は突然外気に晒され、身を丸く縮めた。
「鬼ー!布団くれ!」
「ったくまだ言うか」
「勝己も一緒にもう少し寝よう?」
「!」
突然投げかけられた提案に爆豪の表情が固まる。
目の前には寝起きでまだ緩みきった表情の恋人。無防備に寝ている状態。寝巻きからのぞくうなじとか鎖骨とか色々目に毒であった。
「5分だけ、な!」
「…ちっ、5分だけだぞ」
そう言ってせっかく引き剥がした布団をまたかけた。先程と違うのはその中に爆豪も潜り込んだこと。
抱き合うように身を寄せ合って暖を分け合う。
「猫みてぇ」
「ん?」
丸まって自分に擦り寄ってくる姿がまるで子猫のようだと爆豪は思い、それがそのまま口をついて出た。
爆豪は名前と住むことが決まってから固く決意した事がある。今この社会に生きるためリハビリ中の未成年の恋人に手を出さぬよう、自分の理性を保つために寝室も別々、夜は別々に寝ることを提案した。
そして宣言した手前、名前がこうして甘えて来ない限りはなかなかこうして一緒に布団に入ることはなかった。
「ふふ。あったけぇな」
「…おぉ」
爆豪の恋人は…名前はよく笑うようになった。
一緒に住んでよかった。名前にここにいろ、と自分のわがままを通してしまったと思っていたが、それも杞憂だったと思えるくらいになった。
名前は社会に馴染もうと今は読み書きを勉強して、家事なども一通りできるよう練習中だ。
それを困惑しながらも楽しそうにしている名前を見ているのは爆豪の何よりの心の安寧だった。
爆豪は恋人の笑顔を見るたび誓った。
この少年を大切にする。
名前を幸せにするのだ、と。
「なー。やっぱり冬の間だけでも夜一緒に寝ねぇ?」
「…」
爆豪が何度目かわからぬ誓いを心中で唱えていることなど露ほども知らぬ名前は、早速爆弾を投下した。
「寒ぃもん。いいだろー?」
「…っダメだ」
「一緒に寝るだけだから!絶対手ェだしたりしねぇから!」
「そんな心配しとらんわ!!」
自分が心配してるのはそっちじゃねぇ!と思わず突っ込んでしまった爆豪は大きくため息をついた。
「じゃぁ何の心配してんだよ‼︎」
「そ、そりゃあ…」
珍しく名前が声を荒げる。
最初から名前は同じベッドで眠りたいと言っていたのを、爆豪は適当な理由をつけて寝室を別々にしたのだ。
おそらく本当は自分のことを恋愛対象として見れないのではないか、などと心配しているのだろうと爆豪には予想がついた。モヤモヤとした不安が名前の中を渦巻いているように見えた。
「俺は勝己とそうゆーことしたいと思ってるけどさ、勝己が嫌ならしねぇ。一緒にいられなくなる方がもっと嫌だ。だからちゃんと…言ってくれよ…」
爆豪は顔に手を当てた。
年下の、可愛い恋人にこうもストレートに想いをぶつけられて、嬉しい反面情けなかった。
この少年の方がよっぽど男らしいではないか。
自分は体裁を保つことばかり気にして、名前の誠実な気持ちを大切にしてやれていないではないかと。
「わかった。名前、一回しか言わねぇからよく聞け」
「?、何?」
名前は何か自分にとって辛いことを聞かなければいけないかと身構えた。
「お前はまだ17だ。俺は22。成人した人間が未成年に手を出すのは世間体的にアウトなわけだ」
「え?でもそんなのバレねぇだろ!今までだって20超えてる女と寝たけど別に」
「あー!うるせぇ!他の女の話しなんかすんじゃねぇ!!」
そんな金に物言わせて名前をいいようにしていた連中と同じ土俵で話をしないでいただきたいと、ここは強く言っておこうと爆豪は声を荒げる。
「ヤキモチかー?」
「うっせ!んな下衆モブ連中と一緒にすんな‼︎」
「してないって」
「とにかくだなぁ!てめぇが成人するまでは手をださねぇようにしてる俺の配慮なんだよ!わかったか?!」
「え?」
疑問符を浮かべる名前に、まだなんか文句あんのかと、爆豪の顔つきが険しくなる。
「それってさ」
「何だ?!」
「一緒に寝たりすると勝己が俺に手を出しちゃいそうだから…」
「おぅ」
「だから別々で寝ようってこと?」
「お、ぉぉ…」
「…」
「…」
あれ?自分は何を伝えようとしていたのだ?
と、思わず間抜けな表情を晒している爆豪を目の前に、名前は目を輝かせた。
それはつまり、自分に興味がないわけではなく、むしろその逆だったのだと知ったからだ。
「…んだよ。悪ぃかよ」
「…勝己!!」
「ぶっ‼︎…んだてめぇ!!離れろ!今言った話全然わかってねぇな‼︎」
顔を真っ赤にして悪態をつく爆豪の姿をみて堪らなくなった名前は恋人に飛びついた。
そして恐らく、彼の今までの人生で1番の、とびきりの笑顔で言った。
「俺いいよ!勝己にならどんなことされたって嬉しいから」
「ーーっだから!!そういうのやめろっつってんだろぉ!!!」
とんだ殺し文句をサラッと言ってのけてしまう恋人を恐ろしく感じた爆豪は、自分の理性が崩壊する日はそう遠くないとどこかで悟った。
朝、目を覚ますと布団から出ている顔がひんやりしていて、特に冷たくなっている鼻をさする。
「…さむっ」
名前は布団の中に顔も隠そうと布団を引っ張りあげた。
するとそれを邪魔する者がいた。
「ん?あ、勝己離せよー」
先に起きていた爆豪がそれをさせまいと、足元で仁王だって布団を掴んでいた。
「おい。とっとと起きねぇか」
「何でよ?今日勝己非番だろ?」
「だからだろぉが。早く起きて休みは有効に使うんだよ」
「休みは休むためにあんだよ!」
「ったく!」
「わー!やめろ!寒っ!!」
しばらく討論し合った末、爆豪が布団を名前からひっぺはがした。
名前は突然外気に晒され、身を丸く縮めた。
「鬼ー!布団くれ!」
「ったくまだ言うか」
「勝己も一緒にもう少し寝よう?」
「!」
突然投げかけられた提案に爆豪の表情が固まる。
目の前には寝起きでまだ緩みきった表情の恋人。無防備に寝ている状態。寝巻きからのぞくうなじとか鎖骨とか色々目に毒であった。
「5分だけ、な!」
「…ちっ、5分だけだぞ」
そう言ってせっかく引き剥がした布団をまたかけた。先程と違うのはその中に爆豪も潜り込んだこと。
抱き合うように身を寄せ合って暖を分け合う。
「猫みてぇ」
「ん?」
丸まって自分に擦り寄ってくる姿がまるで子猫のようだと爆豪は思い、それがそのまま口をついて出た。
爆豪は名前と住むことが決まってから固く決意した事がある。今この社会に生きるためリハビリ中の未成年の恋人に手を出さぬよう、自分の理性を保つために寝室も別々、夜は別々に寝ることを提案した。
そして宣言した手前、名前がこうして甘えて来ない限りはなかなかこうして一緒に布団に入ることはなかった。
「ふふ。あったけぇな」
「…おぉ」
爆豪の恋人は…名前はよく笑うようになった。
一緒に住んでよかった。名前にここにいろ、と自分のわがままを通してしまったと思っていたが、それも杞憂だったと思えるくらいになった。
名前は社会に馴染もうと今は読み書きを勉強して、家事なども一通りできるよう練習中だ。
それを困惑しながらも楽しそうにしている名前を見ているのは爆豪の何よりの心の安寧だった。
爆豪は恋人の笑顔を見るたび誓った。
この少年を大切にする。
名前を幸せにするのだ、と。
「なー。やっぱり冬の間だけでも夜一緒に寝ねぇ?」
「…」
爆豪が何度目かわからぬ誓いを心中で唱えていることなど露ほども知らぬ名前は、早速爆弾を投下した。
「寒ぃもん。いいだろー?」
「…っダメだ」
「一緒に寝るだけだから!絶対手ェだしたりしねぇから!」
「そんな心配しとらんわ!!」
自分が心配してるのはそっちじゃねぇ!と思わず突っ込んでしまった爆豪は大きくため息をついた。
「じゃぁ何の心配してんだよ‼︎」
「そ、そりゃあ…」
珍しく名前が声を荒げる。
最初から名前は同じベッドで眠りたいと言っていたのを、爆豪は適当な理由をつけて寝室を別々にしたのだ。
おそらく本当は自分のことを恋愛対象として見れないのではないか、などと心配しているのだろうと爆豪には予想がついた。モヤモヤとした不安が名前の中を渦巻いているように見えた。
「俺は勝己とそうゆーことしたいと思ってるけどさ、勝己が嫌ならしねぇ。一緒にいられなくなる方がもっと嫌だ。だからちゃんと…言ってくれよ…」
爆豪は顔に手を当てた。
年下の、可愛い恋人にこうもストレートに想いをぶつけられて、嬉しい反面情けなかった。
この少年の方がよっぽど男らしいではないか。
自分は体裁を保つことばかり気にして、名前の誠実な気持ちを大切にしてやれていないではないかと。
「わかった。名前、一回しか言わねぇからよく聞け」
「?、何?」
名前は何か自分にとって辛いことを聞かなければいけないかと身構えた。
「お前はまだ17だ。俺は22。成人した人間が未成年に手を出すのは世間体的にアウトなわけだ」
「え?でもそんなのバレねぇだろ!今までだって20超えてる女と寝たけど別に」
「あー!うるせぇ!他の女の話しなんかすんじゃねぇ!!」
そんな金に物言わせて名前をいいようにしていた連中と同じ土俵で話をしないでいただきたいと、ここは強く言っておこうと爆豪は声を荒げる。
「ヤキモチかー?」
「うっせ!んな下衆モブ連中と一緒にすんな‼︎」
「してないって」
「とにかくだなぁ!てめぇが成人するまでは手をださねぇようにしてる俺の配慮なんだよ!わかったか?!」
「え?」
疑問符を浮かべる名前に、まだなんか文句あんのかと、爆豪の顔つきが険しくなる。
「それってさ」
「何だ?!」
「一緒に寝たりすると勝己が俺に手を出しちゃいそうだから…」
「おぅ」
「だから別々で寝ようってこと?」
「お、ぉぉ…」
「…」
「…」
あれ?自分は何を伝えようとしていたのだ?
と、思わず間抜けな表情を晒している爆豪を目の前に、名前は目を輝かせた。
それはつまり、自分に興味がないわけではなく、むしろその逆だったのだと知ったからだ。
「…んだよ。悪ぃかよ」
「…勝己!!」
「ぶっ‼︎…んだてめぇ!!離れろ!今言った話全然わかってねぇな‼︎」
顔を真っ赤にして悪態をつく爆豪の姿をみて堪らなくなった名前は恋人に飛びついた。
そして恐らく、彼の今までの人生で1番の、とびきりの笑顔で言った。
「俺いいよ!勝己にならどんなことされたって嬉しいから」
「ーーっだから!!そういうのやめろっつってんだろぉ!!!」
とんだ殺し文句をサラッと言ってのけてしまう恋人を恐ろしく感じた爆豪は、自分の理性が崩壊する日はそう遠くないとどこかで悟った。