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「そういやお前いくつなんだ?」
「17」
「…はぁぁぁ」
俺完全にアウトじゃねぇか。
丸1日非番の休日。
昼飯も食べ終わって2人でその片付けをして、なんとなくソファで並んで座ってくつろいでいる時にそんな質問をした。
まぁ未成年なのはわかりきっちゃいた。わかりきっちゃいたが…。
アングラな社会からせっかく出てきた少年に、俺がこんな状態…好意を持った状態で同棲しよう発言は色々ヤバい気がしてならない。
頭を抱えてソファに座る。
これからどうする?
ひとまず名前を説得することに成功したようで、一緒に住むということで落ち着いている。
名前が俺のそばにこれからはいるのだと思うと単純に嬉しかった。
しかし実際自分の気持ちを自覚して、その想いを伝えた上での同棲生活は…色々ヤバい。
いつからだったのだろう。
いつからこんな気持ちを抱くようになったのだろう。
今思えば真っ暗な地下で、人知れず拳を振るうお前を初めて見た時からだったのだろうか。
お前が俺を好いてくれるのはいい。
だけど、俺はいいのか?
なにより…。
「あ、ばっ!おまっ!やめろや‼︎」
「なんだよ照れんなよ」
名前のスキンシップがなかなか積極的だ。
ソファに座る俺の膝の上に乗り上がってきた。対面になるように座ってきて、しっかり両腕は俺の首に回してくる。
こいつ好きな相手にはこうもスキンシップ激しいのか?
今まで血を流しながらファイトを繰り返してきたあの殺伐とした少年とは思えない行動だった。
くそがぁ、ギャップかよぉぉ。
これ以上はこちらも正直手を出しかねない。
「あ、今までの性格は嘘だったのかって考えてるだろ?俺もベタベタする人間じゃなかったんだけどさぁー、爆心地も俺のこと好きなら遠慮する必要もねぇかと思って」
ニコリ。
とでも効果音がつきそうな笑顔で見てくる。
そりゃあな、積極的にきてくれるのは大いに結構。
いやだめだろ!しっかりしねぇか俺!
せっかく名前が日の当たるまっとうな人生スタートさせようとしてるってーのに、俺がしっかりしねぇでどぉすんだ!
「降りろ」
「!、ぇ…ご、ごめん」
「嘘だわ馬鹿がぁぁ!!」
「わーっ」
途端に耳の垂れた子猫みてぇにシュンとなっちまったのを見て秒速掌返し。
すぐに目の前の名前に抱きついてしまう始末。
そしてこれも全部名前の計算通りなのもわかってるからもうお手上げだ。
そうだよお巡りさん俺がやりました。
「つぅかよー」
「ん?」
尻尾でも振ってそうなほど機嫌のいい名前の頭を撫でてやりながら言う。
「その爆心地ってのやめろ」
「今更ー?」
「名前、呼べ」
そう言うと名前が黙った。
「あ?なんだよ」
「あ、や。なんか今更変えるの恥ずいって言うかさぁ」
「言え」
俺は名前の両肩を掴んで少し引き離すと、その顔をまっすぐ見て命令した。
名前は「えー」とか「でも」とか色々言って視線を彷徨わせていたが最後には観念して小さい声で言った。
「っか、かつき…」
ーーー顔真っ赤にして言うんじゃねぇ…!
この少年に手を出さずして、成人するその日を迎えられるのか。
ヒーロー活動以外でこんな苦行が待ってるなんて知らなかった。