1round
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
名前には悪いと思ったが、風呂を貸してやってる間にパーカーのフードの先端の縫い目を開いて小さな発信機を入れてまた縫い付けた。
監視するみてぇで気が引けだが、何かあった時のお守りだと自分に言い聞かせた。
実際お守りはすぐに役に立った。
名前は家であろう方向には帰らず、どこかに向かっていた。
おそらく、ボスのところに行ったんだろう。お陰で居場所も目星をつけられた。
問題は俺と接触したことで名前によからぬ疑いがかけられていないかということだった。
何人か他のヒーローにも連絡してしばらく建物を遠巻きに監視した。
そうしていると別のヒーローから名前が男と車に乗ってどこかに向かったと連絡が入った。
俺も車で後を追った。
車は高級なホテルの前で泊まり、名前と若い男が2人降りるところが見えた。
どうする。部屋に入られたら中の状況がわからない。外にはやつの部下のような人間がいる。俺が中まで追うのはリスクがある。
隠密が得意な別のヒーローを呼ぶしかないと諦め、応援を呼び、しばらく外で待機していた。
正直気が気でなかった。
やはり今からでも中へ突撃しようかと何度も迷った。
こんなところで名前に何をさせるつもりなのか…なんて、わかりきっているがわかりたくなかった。
「くそっ‼︎…ん?」
スマホを見ると名前につけた発信機が少しだけ動いた。
「なんでだ、ホテルの外に出てやがる…?!」
他の仲間が正面以外の出入り口も監視しているが、名前もあの男も出てきていない。
まさか…窓から突き落とされーーーー
俺は咄嗟に上を見た。
鼓動がうるさい。
開け放された窓はないか、焦る気持ちを抑えながら確認した。
すると非常階段から何か飛び出したように見えた。
闇夜に紛れて見逃すところだったが、鳥のようなものだった。
「あれは、敵 か?」
黒い翼の向かう先に目を走らせた。
あのパーカーを着た少年が見えた。
「名前?!」
何故か空中を走っている。
黒い翼のそれは空中を走っている少年に振りかぶった。
少年は、倒れた。
誰もそれに気が付かない。
全てがスローモーションのようだった。
街ではいつも通りの日常が流れる。
その上では1人の命が消されようとしている。
こんなの、あんまりじゃねぇか。
生きるために、今日死ぬかもしれぬ死闘に身を投げ続けた名前の命が、こんな簡単に、消されていいわけがない。
俺の掌が熱くなった。
爆発の勢いで飛び上がる。
同時に烏野郎に一発ぶっ放す。
落ちていく名前の体を抱き止める。
「名前!!!」
死ぬな。
お前は、助けられても迷惑だって思うかも知れねぇ。
だけど俺は、死んでほしくねぇ。
こんな世界も悪くねえって、お前にいつか思わせてやれるようなヒーローになるから。
だから、頼む。
死ぬな。
監視するみてぇで気が引けだが、何かあった時のお守りだと自分に言い聞かせた。
実際お守りはすぐに役に立った。
名前は家であろう方向には帰らず、どこかに向かっていた。
おそらく、ボスのところに行ったんだろう。お陰で居場所も目星をつけられた。
問題は俺と接触したことで名前によからぬ疑いがかけられていないかということだった。
何人か他のヒーローにも連絡してしばらく建物を遠巻きに監視した。
そうしていると別のヒーローから名前が男と車に乗ってどこかに向かったと連絡が入った。
俺も車で後を追った。
車は高級なホテルの前で泊まり、名前と若い男が2人降りるところが見えた。
どうする。部屋に入られたら中の状況がわからない。外にはやつの部下のような人間がいる。俺が中まで追うのはリスクがある。
隠密が得意な別のヒーローを呼ぶしかないと諦め、応援を呼び、しばらく外で待機していた。
正直気が気でなかった。
やはり今からでも中へ突撃しようかと何度も迷った。
こんなところで名前に何をさせるつもりなのか…なんて、わかりきっているがわかりたくなかった。
「くそっ‼︎…ん?」
スマホを見ると名前につけた発信機が少しだけ動いた。
「なんでだ、ホテルの外に出てやがる…?!」
他の仲間が正面以外の出入り口も監視しているが、名前もあの男も出てきていない。
まさか…窓から突き落とされーーーー
俺は咄嗟に上を見た。
鼓動がうるさい。
開け放された窓はないか、焦る気持ちを抑えながら確認した。
すると非常階段から何か飛び出したように見えた。
闇夜に紛れて見逃すところだったが、鳥のようなものだった。
「あれは、
黒い翼の向かう先に目を走らせた。
あのパーカーを着た少年が見えた。
「名前?!」
何故か空中を走っている。
黒い翼のそれは空中を走っている少年に振りかぶった。
少年は、倒れた。
誰もそれに気が付かない。
全てがスローモーションのようだった。
街ではいつも通りの日常が流れる。
その上では1人の命が消されようとしている。
こんなの、あんまりじゃねぇか。
生きるために、今日死ぬかもしれぬ死闘に身を投げ続けた名前の命が、こんな簡単に、消されていいわけがない。
俺の掌が熱くなった。
爆発の勢いで飛び上がる。
同時に烏野郎に一発ぶっ放す。
落ちていく名前の体を抱き止める。
「名前!!!」
死ぬな。
お前は、助けられても迷惑だって思うかも知れねぇ。
だけど俺は、死んでほしくねぇ。
こんな世界も悪くねえって、お前にいつか思わせてやれるようなヒーローになるから。
だから、頼む。
死ぬな。