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その後警察とヒーローの合同調査の末、烏丸は逮捕。
そもそも少年を殺そうとしていた現場をヒーローに目撃され、そのまま戦闘。現行犯逮捕。
そこから余罪がどんどん出てきて、今では無事檻の中となったらしい。
寝ている間にそんなにことがトントン拍子に進んでいたとは。
「じゃあ、俺がやったこと無駄じゃなかったんだなぁー」
「ばぁぁか!!俺が行かなきゃ無駄になってたんだよ!!それどころか死体が出ただけで世の中に無駄な仕事増やすとこだったわ!!」
あ、それは俺もあの時思った。
「まぁまぁ、ダイナマイト。そこまで言わなくても。だけど無事で何よりだったよ」
優しそうな警官が爆心地を宥めた。
塚内さんとか言ってた。
目が覚めて落ち着いた頃、警察が事情聴取したいってんで警察署に向かった。
今は取調室。なんでか爆心地もついてきた。
俺は…ちなみに何か罪に問われんのかな?未成年だから何か施設とかに入れられるんかな?
「君はこれからどうしたい?これまでの境遇や無理矢理闘技場でファイトさせられていたことはわかっている。君のこれからの生活を支援できそうな施設をいくつか紹介させてもらうことはできるけど」
「え?お咎めなしってことですか?」
俺が質問すると爆心地が横で「お前敬語使えんなら俺にも使えや!!」とか言ってたけど無視する。
「まぁファイト中とはいえ、ヒーロー資格持ってない人間が個性を使って人を傷つけたことは確かだからね。しばらくは観察がつくと思うけど…どちらかと言うと君は烏丸に搾取されてきた被害者だから」
「…そうですか」
世間にはそう映るもんなのか。
そうか。俺、さくしゅされてきたんだな。
ちょっとさくしゅの意味はよくわかんないんだけど。
あの烏丸さんに一泡吹かせれたんだと思うとじわじわとくるものがあった。
「…でも、俺この先どうしたいかとか…よくわかりません。字も読めない、書けない。ろくな仕事もできないから」
「んなもんできるようにすりゃいいじゃねぇか」
横で爆心地が当たり前のように言う。
簡単に言ってくれるよなぁ。
「まぁまぁ、すぐに決めろとは言わないよ。また連絡くれるかい?今日は長い時間とらせてすまなかったね」
警察も忙しいようだ。
今日はまた爆心地の家に世話になることになるな。
警察署を後にした俺は横を歩く爆心地に言った。
「…いつまでもごめんな。早めに家出るから」
「別に迷惑なんて…思ってねぇよ」
夕暮れの中、家に向かって2人でゆったりと歩いた。
横をランドセルを背負った小学生が数人走って追い抜いていく。
スーツを着たサラリーマンが電話をしながら歩いてきて、家族との通話だろうか、すれ違いざまに「もう会社出たから」と言っているのが聞こえた。
なんて、穏やかで、現実味のない世界なのだろう。
もう、唯一母が俺に残した借金の心配もしなくていい。
もう、烏丸さんの機嫌を損ねたらどうしようとか考えなくていい。
もう、個性を隠して戦う術を考えなくていい。
もう、戦わなくていい。
でも…。
戦えなくなった俺に価値などあるのだろうか…。
胸の辺りが苦しくなる。
明日からどうやって生きていけばいいのだろう?
自由になったというのに。
その自由が怖い。
明日の命を心配する俺がいた。
これでは、地下闘技場で戦っていたときと、変わらないではないか。
「おい」
考え事を遮るように爆心地が言った。
「…え?んなに?」
爆心地が俺をまっすぐ見る。
いつも自信に溢れてるその目が、今は何だか不安げに見えたのは気のせいか。
「俺のとこに…ずっといてもいいんだぞ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は一瞬何のことかよくわからなくて、意味がわかった時、素直に嬉しかった。
と、同時に自分の狡さを思い知る。
爆心地は優しいから…そう言ってくれんじゃねぇかなって思ってたし、言って…欲しかったんだと思う。
でも実際言われてみると、ダメだ。
自分の想いを自覚する。
俺は…この人と一緒にはいられない。
この人にこれ以上は迷惑かけれねぇ。
俺にとって大切な人だ。
太陽みたいな、ヒーローだ。
みんなの、ヒーローだ。
だから…
そもそも少年を殺そうとしていた現場をヒーローに目撃され、そのまま戦闘。現行犯逮捕。
そこから余罪がどんどん出てきて、今では無事檻の中となったらしい。
寝ている間にそんなにことがトントン拍子に進んでいたとは。
「じゃあ、俺がやったこと無駄じゃなかったんだなぁー」
「ばぁぁか!!俺が行かなきゃ無駄になってたんだよ!!それどころか死体が出ただけで世の中に無駄な仕事増やすとこだったわ!!」
あ、それは俺もあの時思った。
「まぁまぁ、ダイナマイト。そこまで言わなくても。だけど無事で何よりだったよ」
優しそうな警官が爆心地を宥めた。
塚内さんとか言ってた。
目が覚めて落ち着いた頃、警察が事情聴取したいってんで警察署に向かった。
今は取調室。なんでか爆心地もついてきた。
俺は…ちなみに何か罪に問われんのかな?未成年だから何か施設とかに入れられるんかな?
「君はこれからどうしたい?これまでの境遇や無理矢理闘技場でファイトさせられていたことはわかっている。君のこれからの生活を支援できそうな施設をいくつか紹介させてもらうことはできるけど」
「え?お咎めなしってことですか?」
俺が質問すると爆心地が横で「お前敬語使えんなら俺にも使えや!!」とか言ってたけど無視する。
「まぁファイト中とはいえ、ヒーロー資格持ってない人間が個性を使って人を傷つけたことは確かだからね。しばらくは観察がつくと思うけど…どちらかと言うと君は烏丸に搾取されてきた被害者だから」
「…そうですか」
世間にはそう映るもんなのか。
そうか。俺、さくしゅされてきたんだな。
ちょっとさくしゅの意味はよくわかんないんだけど。
あの烏丸さんに一泡吹かせれたんだと思うとじわじわとくるものがあった。
「…でも、俺この先どうしたいかとか…よくわかりません。字も読めない、書けない。ろくな仕事もできないから」
「んなもんできるようにすりゃいいじゃねぇか」
横で爆心地が当たり前のように言う。
簡単に言ってくれるよなぁ。
「まぁまぁ、すぐに決めろとは言わないよ。また連絡くれるかい?今日は長い時間とらせてすまなかったね」
警察も忙しいようだ。
今日はまた爆心地の家に世話になることになるな。
警察署を後にした俺は横を歩く爆心地に言った。
「…いつまでもごめんな。早めに家出るから」
「別に迷惑なんて…思ってねぇよ」
夕暮れの中、家に向かって2人でゆったりと歩いた。
横をランドセルを背負った小学生が数人走って追い抜いていく。
スーツを着たサラリーマンが電話をしながら歩いてきて、家族との通話だろうか、すれ違いざまに「もう会社出たから」と言っているのが聞こえた。
なんて、穏やかで、現実味のない世界なのだろう。
もう、唯一母が俺に残した借金の心配もしなくていい。
もう、烏丸さんの機嫌を損ねたらどうしようとか考えなくていい。
もう、個性を隠して戦う術を考えなくていい。
もう、戦わなくていい。
でも…。
戦えなくなった俺に価値などあるのだろうか…。
胸の辺りが苦しくなる。
明日からどうやって生きていけばいいのだろう?
自由になったというのに。
その自由が怖い。
明日の命を心配する俺がいた。
これでは、地下闘技場で戦っていたときと、変わらないではないか。
「おい」
考え事を遮るように爆心地が言った。
「…え?んなに?」
爆心地が俺をまっすぐ見る。
いつも自信に溢れてるその目が、今は何だか不安げに見えたのは気のせいか。
「俺のとこに…ずっといてもいいんだぞ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は一瞬何のことかよくわからなくて、意味がわかった時、素直に嬉しかった。
と、同時に自分の狡さを思い知る。
爆心地は優しいから…そう言ってくれんじゃねぇかなって思ってたし、言って…欲しかったんだと思う。
でも実際言われてみると、ダメだ。
自分の想いを自覚する。
俺は…この人と一緒にはいられない。
この人にこれ以上は迷惑かけれねぇ。
俺にとって大切な人だ。
太陽みたいな、ヒーローだ。
みんなの、ヒーローだ。
だから…