日照雨

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桜も散り、気温が高い日も増えてきた今日この頃。

「ねぇもうすぐ編入生来るんだって!恵は聞いてる??」
「あぁ。まぁ、何て言うかもう会った」
「え!そうなの?男の子?女の子?」
「いや。どっちも来るらしい。俺が会ったのは男の方」
「へー!やったね!クラスメイトがいっぺんに増えるね」

女の子もくるんだぁ!と嬉々とした様子で名前は机に肘を着く。

「どんな人たちかな?」
「そうだな。男の方はまぁ、変わってるけどいい奴だ」
「!恵が人のこと褒めるなんて…、その人よっぽどいい人だね!」
「なんだよそれ」

たった2人だけの教室が賑うであろう未来に胸を躍らせる。
名前の隣の席に座る伏黒恵も満更でない様子だった。


「楽しみだね!」
「まぁ…。俺は2人でも居心地よかったけどな。名前は話しやすいし、楽」

ばっと驚いたように名前が恵の方へ顔を向ける。

「…恵」
「ん?」
「ダメだよ!そうやって女の子たちを誑かしちゃ!」
「はぁ?何が?」
「もー!自覚ないんだから!」

この天然イケメンに今まで一体何人の女の子たちが犠牲に…っ!と名前は机の上に突っ伏した。
それを恵は意味が訳がわからないと言った様子で見守っていた。


「はーい!おっはよう恵!名前!」


その時教室の古めかしい引き戸が音を立てて勢いよく開けられた。


「あれ?おにい…じゃなかった。"五条センセ"、今日は夏油先生の授業じゃなかったの?」
「アイツはちょっと急用ー。ってか名前に先生って言われるのやっぱりいいね!次は悟先生って呼んでみて?」
「いや」
「…五条先生。授業してください」
「はーい!」


心底嫌そうな顔をしている最愛の妹にもめげることなく、悟はいつもの調子を崩さない。


「今日は授業しませーん!新入生を迎えに行くよ!」
「え!今から?」
「2人とも座学は問題ないからたまにはそういうのもいいでしょ?」

ついでに遊びにいくよー!っと1人はしゃぐ教師に2人はやれやれと首を振るが、内心は悪くない提案だと微笑む。







東京の街へ出て人混みの中、五条悟一行は目的の人物を探す。

「あ!あの子だよ!」
「え?!どこどこ?」

五条兄妹ははしゃいだ様子で新入生を探す。
伏黒はそれを後ろから見守る。

「おーい!悠仁ぃー!」
「あ!五条せんせ!」

高専の制服で身を包んだ、赤毛の少年が手を挙げている。

「わ!何かドキドキしてきたっ。じ、自己紹介考えてない!」
「そんな面接じゃねぇんだから」

緊張し出した名前とは対照的に、伏黒が冷静に言葉を返す。
とにかくそのまま虎杖と呼ばれた少年の方へと近づいた。

「ちわ!先生、伏黒!」
「お待たせー!紹介するね!悠仁のクラスメイトだよー!ってもう恵のことはわかってるもんね」

悟はそう言って緊張気味に後ろに立っている名前に、前に来るように手招きした。

「もう1人の同級生、五条名前ちゃんでーすっ!」
「は、はじめまして!よろしくね!虎杖君!」

虎杖は目をパチクリさせた。

「え、五条?…え!親戚かなんか??」

この流れは自己紹介の際、名前には日常茶飯事だった。
慣れた様子で返事をする。

「兄妹なの!あんまり似てないけど」
「えぇー!そんな事ないでしょ!僕にそっくりだよ名前はぁー!僕に似て美人だしー!」

その五条の反応に「…うん。似てないかもね」と虎杖が冷静に返す。

「ってか小ちゃくてめっちゃ可愛い!呪いと戦うところ想像できないくらい!」
「え!そ、そんな…っ!」

虎杖のストレートな物言いに名前は赤面した。

「やめろ虎杖。こいつそういうの免疫ないんだから」
「…そういうのって??」
「恵も人のこと言えないわよ!」

続けてこの天然人たらし!と叫ぶ。

「なんかごめん!本当のこと言っただけで悪気なかったんだけど…」
「もぅやめてぇー!」

虎杖の追い討ちに顔を隠す名前

それを面白くなさそうに黙って見ていた悟がようやく口を開いた。

「悠仁、恵… 今後名前に半径10m以内に近づいたらアウトね」

馬鹿な事を真顔で告げる。

「広くね?!」
「…クラスメイトなんで無理ですね」

そんなもういい歳の大人を前に呆れながら生徒達は反論した。


「あ、ねぇねぇ。もう1人の女の子は?虎杖君一緒じゃないの?」

「え?何それ?俺なんも聞いてねぇ。あ、俺のこと悠仁でいいから」
「うん!」

私も名前って呼んでね!と嬉しそうに名前は返す。

そんなやりとりを見ていた悟。
ちょっと人見知りする名前のパーソナルスペースにいとも簡単に入り込んだ虎杖のことを少し恐ろしく思った。

「五条先生。もう1人の新入生もここで待ち合わせなんですか?」
「悠仁…、無邪気で無垢だが、だからこそ侮れないな…」
「聞いてますか?」

伏黒が呆れ果てて何も言う気が失せた頃。

「あー、いたいた。その制服、呪術高専の人間ってあんた達のこと?」

えらく高飛車な雰囲気の声が聞こえた。
全員がそちらを振り向く。

「あ!噂をすれば。田舎から遥々お疲れサマンサー!」
「ちょっと!初対面でいきなり田舎者のレッテル付けないでよ!」

スレンダーで背が高め、茶色い髪を切り揃えた女子がそこには立っていた。
横には大きいキャリーケースを携えていた。


「はーい!皆注目ー!この子が新入生の、」
「釘崎野薔薇よ!」

今言おうとしたのにー、と小声で拗ねる五条の声を遮って、自分の名を高々に名乗る彼女はとても高貴なイメージを持たせた。
そして同時にプライドの高さも印象付けた。

そして順番にクラスメイトが名乗っていく中、男性陣には鼻くそ食ってただろとか、カモメに火をつけただろとか散々な酷評を下していた。

「んで、…あ、女の子もいんの?」
「わ、私!名前!五条名前!よろしくね!」

自身の順番が来たと、ドキドキしながら名前は名乗った。
これから女子は自分と釘崎の2人だけなのだ。
憧れのガールズトークなるものが出来るかもしれないと期待していた。
一方で性格が合わなかったり、嫌われてしまったらどうしようと不安も大きかった。

「…ちっ」
「‼︎」

そんな名前に、釘崎の小さな舌打ちは震え上がらせるには十分だった。

「あ、えっと。野薔薇ちゃん。あの、」
「都会はこんな可愛い子ばっかりなのか。流石ね…」
「え?」

釘崎の考えていることが全くわからず名前は混乱するばかりだった。


「のんびりしてらんないわ!名前!って言ってたわね!今から買い物行くわよ‼︎」
「え?!」
「わーい!楽しそう!悟子も行くー♪」

釘崎が名前の腕を掴む。

「新幹線の中で雑誌に齧り付いて目星はつけてあるから!まずはメイクね、そのあと今年の流行カラーのアイテムを買うわ。それから…」
「え、あ、でも…」
「それから今話題のパンケーキ食べて休憩ねー♪」
「いいわ。採用」
「野薔薇ちゃん!?」


後ろでは釘崎のキャリーケースと共に取り残された男子2名が途方に暮れていた。

「これ、持ってこいってことかな?」
「…どう考えてもそうだろ」

キャリーケースを引き摺りながら、この先荷物持ちにされる未来を想像した。
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