爆豪&???
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「おい先生よぉ!肘んとこ擦ったわ!」
「苗字先生。俺も手の甲打撲したんだ」
「あーはいはい痛いの痛いの飛んでけー」
あの日…とんでもない2人からの告白以来、彼らは大っぴらに保健室に押しかけるようになった。大っぴらっていっても俺に対してのみ。相澤先生が何も言ってこないって事はたぶん他のクラスメイトや先生には何も勘付かれないようにして、わざわざ時間を作って頻繁に通っているのだろう。
「おい!んだそりゃあ!どうせやるならちゃんとこっち見てやりやがれ!」
「先生こっち見てくれ。せっかくならもうちょっと優しくしてくれ」
痛いの痛いの飛んでけなんて、子供騙しのおまじないみたいなもんですら真面目にやれと要求してくる。
何しに来たんだよ!
あ、怪我してんだったわ。
軽度の擦過傷と、これまた軽度の打撲ね。
自身の指先とそれぞれの患部に集中して個性を発揮する。
少し光が発したかと思えばすぐ治った。
別にこれくらいで保健室に来るなとは言わない。ちゃんと怪我は治してやりたい。
だから来るなとは言わないが、出来れば長居せず帰っていただきたい。いくらなんでも俺もあまり時間を長く一緒に過ごすと情が湧きそうだ。あと仕事が終わらん。
「ほら、治ったから教室戻れ」
「おい。何か最近治し方が片手間なんじゃねぇのかよ」
「先生、前みたいにもっと丁寧にしてくれ」
「治ってんだからいいだろ!贅沢だな!」
そう言ってもこの2人は文句を言うのを辞めない。
もっと色々問診してくれだの長く触れてくれだのわけがわからないことをギャーギャー騒いでいる。
こういうところはホントこの2人仲良しだ。
「あのなぁ…お前らだから敢えて時間もかけずに塩対応なの!」
「あぁ?!なんでだよ?!」
「納得いかねぇ!」
いやわかれよ!
2人共成績優秀だろ?!
俺はため息を隠しもせず吐いてから、ゆっくりと話し出す。
「理由は、お前たち2人が俺に好意を持ってくれてるからだ。嬉しいけど、それにはどうしたって応えてやれない。だから期待させるような態度取りたくねぇんだよ」
「わかったら帰ってくれ」そう言って俺は座っていた椅子をクルリと回転させて2人の顔を見ないようにした。
嫌いじゃない。むしろ可愛い生徒たちだから、やっぱり傷ついた顔は見たくない。
沈黙が流れて、2人が椅子から立ち上がった気配があった。
諦めて帰ってくれるということは…こうして頻繁に来ることはもうなくなるかな。なんて頭の片隅で考えて、それがちょっと寂しくもあったが…仕方のない事だ。
そう思っていたら急に椅子の背もたれを誰かに掴まれて(誰かってもうこの2人しかいなかんだけど)椅子の向きをまたクルリと戻された。
すると目の前にはこれまた顔がいい2人が並んで俺を見下ろしていた。
「言っただろぉが。絶対ぇ逃がさねぇって」
「先生のそういう誠実なところも好きだ。だけど俺が諦めるかどうかは俺の自由だ」
メンタル…。
ヒーロー科の学生ってみんなこうなのか?
柔な精神力じゃ確かに務まらないとは思うけど…ってかもうメンタル関係ある?もはやポジティブ通り越して執着っていうか何か怖いわ。
俺がポカンと2人を見ながら何も言わないでいると轟くんがしゃがみ込んで下から見上げてきた。上目遣いだ。少し眉を下げて捨てられた子犬みたいな顔してる。
あざといなぁー!
でもこれ本人狙ってやってないところが本当に本当にタチが悪い。
「じゃあ俺にはリカバリーガールと同じように治療してくれ。そしたらその日はすぐ帰るから」
「え?」
「はぁぁあ?!クソが!おい!なら俺にもそうしろ!」
「爆豪は引っこんでろ」
「はいそうしますって言うとでも思ってんのかぁ?!この舐めプ…」
「いやちょっと待て」
また喧嘩を本格的にしようとしている2人の間に割って入る。
これ、前にも言われたよな。
そうだ爆豪くんに言われた事あった。
リカバリーガールと俺、何が違うんだ?
俺、完璧に治療出来てないのか?
「なぁ、リカバリーガールと俺、何が違うんだ?傷の痛みが消えないとか、あるなら遠慮せず言ってくれ」
そうすると2人はキョトンとした顔をした。
そして何故か少し頬を赤くする。
え、何それやめろよそういう可愛い反応。
「ち、ちげぇわ!前も言ったろぉが!傷はちゃんと治ってんだよ!」
「え?じゃあなんで」
「先生の治療は完璧だ。完璧なんだが…どうせなら治し方をリカバリーガールみたいにして欲しいんだ」
「いやだからそれはどういうことなんだよ?!」
まだ意味がわかっていない俺を見て、爆豪くんと轟くんは顔を見合わせて…それからまた2人共俺を見て真剣な顔で言った。
「「あれだ。チューーーって…」」
おい。そんなところでハモんな。
「おい!ふざけんなよ!」
俺はもう教諭らしからぬほど感情を表に出していた。
「あぁ?!誰がふざけてるだぁ?!」
「大切なことだ先生」
「ぜんっぜん大切じゃない!」
そんな治し方できるかよ!
リカバリーガールのキャラクターだから許されるやり方であって、俺とか色々アウトだろ!
ってかそう言う事じゃねぇ!!
絶対やれてもそんな個性の出し方しねぇ!
「俺の個性は手のひらとか指先から発揮されんの!!リカバリーガールはたまたま口から個性が発揮されてるからああいう治療の仕方なわけ!」
だから無理!!
って言ったら、これまた可哀想になるくらいしょんぼりした顔で罪悪感。
と、思ったのも束の間。次の瞬間には欲しいおもちゃを買ってもらえなかった子供のように駄々を捏ねて文句を言い始めた。
「先生!やってみなきゃわかんねぇだろ!」
「根性で何とかしてみやがれ!!」
やらねぇよ!
もう帰れよ!
「苗字先生。俺も手の甲打撲したんだ」
「あーはいはい痛いの痛いの飛んでけー」
あの日…とんでもない2人からの告白以来、彼らは大っぴらに保健室に押しかけるようになった。大っぴらっていっても俺に対してのみ。相澤先生が何も言ってこないって事はたぶん他のクラスメイトや先生には何も勘付かれないようにして、わざわざ時間を作って頻繁に通っているのだろう。
「おい!んだそりゃあ!どうせやるならちゃんとこっち見てやりやがれ!」
「先生こっち見てくれ。せっかくならもうちょっと優しくしてくれ」
痛いの痛いの飛んでけなんて、子供騙しのおまじないみたいなもんですら真面目にやれと要求してくる。
何しに来たんだよ!
あ、怪我してんだったわ。
軽度の擦過傷と、これまた軽度の打撲ね。
自身の指先とそれぞれの患部に集中して個性を発揮する。
少し光が発したかと思えばすぐ治った。
別にこれくらいで保健室に来るなとは言わない。ちゃんと怪我は治してやりたい。
だから来るなとは言わないが、出来れば長居せず帰っていただきたい。いくらなんでも俺もあまり時間を長く一緒に過ごすと情が湧きそうだ。あと仕事が終わらん。
「ほら、治ったから教室戻れ」
「おい。何か最近治し方が片手間なんじゃねぇのかよ」
「先生、前みたいにもっと丁寧にしてくれ」
「治ってんだからいいだろ!贅沢だな!」
そう言ってもこの2人は文句を言うのを辞めない。
もっと色々問診してくれだの長く触れてくれだのわけがわからないことをギャーギャー騒いでいる。
こういうところはホントこの2人仲良しだ。
「あのなぁ…お前らだから敢えて時間もかけずに塩対応なの!」
「あぁ?!なんでだよ?!」
「納得いかねぇ!」
いやわかれよ!
2人共成績優秀だろ?!
俺はため息を隠しもせず吐いてから、ゆっくりと話し出す。
「理由は、お前たち2人が俺に好意を持ってくれてるからだ。嬉しいけど、それにはどうしたって応えてやれない。だから期待させるような態度取りたくねぇんだよ」
「わかったら帰ってくれ」そう言って俺は座っていた椅子をクルリと回転させて2人の顔を見ないようにした。
嫌いじゃない。むしろ可愛い生徒たちだから、やっぱり傷ついた顔は見たくない。
沈黙が流れて、2人が椅子から立ち上がった気配があった。
諦めて帰ってくれるということは…こうして頻繁に来ることはもうなくなるかな。なんて頭の片隅で考えて、それがちょっと寂しくもあったが…仕方のない事だ。
そう思っていたら急に椅子の背もたれを誰かに掴まれて(誰かってもうこの2人しかいなかんだけど)椅子の向きをまたクルリと戻された。
すると目の前にはこれまた顔がいい2人が並んで俺を見下ろしていた。
「言っただろぉが。絶対ぇ逃がさねぇって」
「先生のそういう誠実なところも好きだ。だけど俺が諦めるかどうかは俺の自由だ」
メンタル…。
ヒーロー科の学生ってみんなこうなのか?
柔な精神力じゃ確かに務まらないとは思うけど…ってかもうメンタル関係ある?もはやポジティブ通り越して執着っていうか何か怖いわ。
俺がポカンと2人を見ながら何も言わないでいると轟くんがしゃがみ込んで下から見上げてきた。上目遣いだ。少し眉を下げて捨てられた子犬みたいな顔してる。
あざといなぁー!
でもこれ本人狙ってやってないところが本当に本当にタチが悪い。
「じゃあ俺にはリカバリーガールと同じように治療してくれ。そしたらその日はすぐ帰るから」
「え?」
「はぁぁあ?!クソが!おい!なら俺にもそうしろ!」
「爆豪は引っこんでろ」
「はいそうしますって言うとでも思ってんのかぁ?!この舐めプ…」
「いやちょっと待て」
また喧嘩を本格的にしようとしている2人の間に割って入る。
これ、前にも言われたよな。
そうだ爆豪くんに言われた事あった。
リカバリーガールと俺、何が違うんだ?
俺、完璧に治療出来てないのか?
「なぁ、リカバリーガールと俺、何が違うんだ?傷の痛みが消えないとか、あるなら遠慮せず言ってくれ」
そうすると2人はキョトンとした顔をした。
そして何故か少し頬を赤くする。
え、何それやめろよそういう可愛い反応。
「ち、ちげぇわ!前も言ったろぉが!傷はちゃんと治ってんだよ!」
「え?じゃあなんで」
「先生の治療は完璧だ。完璧なんだが…どうせなら治し方をリカバリーガールみたいにして欲しいんだ」
「いやだからそれはどういうことなんだよ?!」
まだ意味がわかっていない俺を見て、爆豪くんと轟くんは顔を見合わせて…それからまた2人共俺を見て真剣な顔で言った。
「「あれだ。チューーーって…」」
おい。そんなところでハモんな。
「おい!ふざけんなよ!」
俺はもう教諭らしからぬほど感情を表に出していた。
「あぁ?!誰がふざけてるだぁ?!」
「大切なことだ先生」
「ぜんっぜん大切じゃない!」
そんな治し方できるかよ!
リカバリーガールのキャラクターだから許されるやり方であって、俺とか色々アウトだろ!
ってかそう言う事じゃねぇ!!
絶対やれてもそんな個性の出し方しねぇ!
「俺の個性は手のひらとか指先から発揮されんの!!リカバリーガールはたまたま口から個性が発揮されてるからああいう治療の仕方なわけ!」
だから無理!!
って言ったら、これまた可哀想になるくらいしょんぼりした顔で罪悪感。
と、思ったのも束の間。次の瞬間には欲しいおもちゃを買ってもらえなかった子供のように駄々を捏ねて文句を言い始めた。
「先生!やってみなきゃわかんねぇだろ!」
「根性で何とかしてみやがれ!!」
やらねぇよ!
もう帰れよ!
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