爆豪&???
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「おい!!先生よぉ!ちょっとツラか、せ…」
扉を開けたのは爆豪君だった。
すぐに轟君もいることに気づいて声が尻すぼみになっていった。
ってかツラかせって言った?
なに?カツアゲ?
「…ってめぇ!!この半分野郎!ここで何してやがる!!」
「お前こそ。最近妙にここに通ってんじゃねぇか」
2人とも目つきが鋭くなる。
声もなんかいつもより数段低くてちょっとお兄さんびっくり。
2人は仲が悪いのか?
「爆豪くんもコーヒーどう?さっき淹れたとこだし」
「もらうわ」
「…っち」
「おい舐めプやろぉが、今の舌打ち聞こえてんぞ」
…仲、悪いんだ。
でも3人でコーヒーでも飲んでるうちにちょっと打ち解けられたりしないかな。
これから3年間苦楽を共にする仲間だ。
ただのクラスメイトじゃない。卒業してからもきっとかけがえのない存在だ。
合う合わないはあるだろうけど、彼らなりに理解し合った上で適度な距離感をとれたらいいな。
そんな気持ちで3人でコーヒーでも飲んで、たわいのない話をしようと思った。
「あ、でも爆豪くん俺に用があったんだよな?今ここで聞いていいことか?」
もし轟くんや他の人に聞かれたくないことだったら時間を改めて話を聞くつもりだ。
爆豪くんは隣に座る轟くんをチラリと横目で見ると少し考えた後…
「…コイツもいるならむしろ都合がいいわ」
「え?」
轟くんにも関係している話なのかな?
大丈夫…か?本人の前で話聞いて…。
そう思った瞬間にも彼は口を開いて話し出した。
「先生は今付き合ってる奴いんのかよ?」
「ブッッ‼︎」
俺はまた気休めに口に含もうとしていたコーヒーを吹いた。そして盛大に咽せた。
「おいどぉしたぁ?!」
「コーヒー熱かったんじゃねぇか?!」
違う。もう流石に冷めてるって。
ってかそうじゃない。コーヒーはどうでもいい。
何?2人とも何か罰ゲームかなんかさせられてるのか?
いやヒーロー科の学生がそんなことでわざわざ時間を費やすとは思えない。
全くもって謎。
いやもう考えたくないもうダメ降参だからお兄さんに教えて。
「だ、大丈夫。いや、あのさ。その質問轟くんにもさっき聞かれたんだけど…2人ともどうしたの?そんなこと、そんなに気になる?」
轟くんに聞かれたって言った瞬間。あからさまに爆豪くんは表情を険しくして隣の轟くんを睨んだ。
それに何故か少し余裕を持った笑みで轟くんは応える。
いやだからそのマウントとってる笑みもなんで。
「どうなんだよ?!いるのか?!いねぇのか?!」
「ひぇ」
クルリとこちらに向き直った爆豪くんが掴みかかってきそうな勢いで聞いてくる。
その圧に負けて「いないいない!」と、慌てて答えた俺。
何か情けないなぁ。年上の威厳とかないじゃないか。
頼ってほしくて雄英に来たんだけどなぁ。
「そりゃいいな!!」
「何がよ」
「俺と付き合えよ先生!!」
「…は?」
「爆豪!!ふざけんな!」
「ふざけてねぇわ大真面目だわ!負け犬舐めプ野郎はそこで大人しく指でも咥えてな!」
「苗字先生はお前みたいな短気な人間に付き合うほど暇じゃねぇよ」
「は!てめぇこそ怪我もねぇのに入り浸りやがって邪魔なんだよ!」
「表出ろ爆豪」
「上等だわやんのかこらぁぁ!!」
え、あ、いやいやいやいや。
待って待って。
「え、あ、いやいやいやいや。待って待って。
」
もう思考回路はまともに機能しなくて、思いついた言葉がそのまま口からまろびでていた。
とりあえず何とか2人を落ち着かせないと。俺は何か声をかけなくてはと、すでに椅子から立ち上がって臨戦態勢な2人の間に立った。
すると轟くんが俺の白衣の袖を掴んで叫んだ。
「苗字先生!好きだ!俺を選んでくれ!」
ひぇぇぇぇえ!!!
もう無理!もう無理!
どうしたらいいわけ?!
こんなの養護教諭の仕事じゃないわ!
「はぁぁ?!ふっざけんなテメェ!後出しジャンケンしてんじゃねぇぞ!!」
「これは順番とか関係ねぇだろ!先生がどっちを選ぶかだろうが!」
「そもそもお前ぇは選択肢に入んねぇんだよ!誰がてめぇみてぇな戦闘狂選ぶかよ!!」
「その言葉そっくりそのまま返させてもらわねぇとな!」
ギャーギャー。
どんどん声量の上がっていく2人に、流石に誰か心配してここにきてしまうかもしれないと思い…
「うーるーせー!」
俺は2人の額にそれぞれデコピンした。
これで大人しくなるかわかんなかったが、意外にも2人はピタリと動きを止めて、キョトンとした顔で俺を見た。
「ここ保健室だぞ!静かにしろ!」
いや俺もうるさい。と言われれば仕方ない声量で2人を叱責する。
「…っチ‼︎」
「悪かった先生」
2人は大人しくなってまた椅子にドカリと腰掛ける。
え?
ってかまだここにいるつもりなの?
「2人共…ヒーロー志す仲間だろ?特別仲良くしろって言うつもりないが、お互いを認め合って協力していくことも知っていか…」
「無理だわ!!」
「無理だ」
「おいー!!」
話くらい聞け!!
俺は頭を抱えた。
こっちは必死なのに「怒ってる先生も可愛いな」なんて的外れなことを言う轟くんの声がした。続いて「それには共感してやんよ!!」って爆豪くんの声。いや、そんなところで仲良くならなくていいから。
ダメだ。
今日は閉店する。
ちょっと頭を整理させる時間をくれ。
「とにかく!今日はもう帰れ!」
「はぁ?!返事聞いてねぇぞ!」
「俺も聞きたい」
「えぇ?!それ何かの冗談とかじゃないの?」
「んだとてめぇ?!俺が嘘言ってると思ってんのか?!」
「俺は本気だ先生!」
ええー?!
冗談ならどれだけよかったか…!
2人の表情は確かに冗談を言ってるようには見えない。
でも…
「いやいやいや!無理でしょうよ!どう考えても!俺は教諭で男だし!君たちは生徒!」
その気持ちが本気なら尚更だ。
ここでハッキリ言っておかないと、中途半端が1番いけない。
「このご時世に男だの何だの気にすんのかよ?」
「俺は爆豪と違って口が硬いから先生と付き合ってることは内緒にする」
「んだとこらぁ!」
「違う違う違う。そう言う問題じゃなくて…俺も本人同士が望むなら男だの女だのそんなの気にしない。俺が君たちと付き合うつもりはないってこと」
2人がハッとした後、押し黙って、傷ついた顔をした。
ハッキリ…言わなくては。
そう思って言ったが、どんな時でも誰かを傷つけてしまったという罪悪感は胸が痛む。だけど後々考えたら絶対これが最善なのだ。
相手の好意は嬉しい。
でも受け取れないのなら半端な優しさなどない方がいい。
「ごめんな。気持ちは嬉しいけど受け取れな…」
「じゃあ俺が卒業するまでにテメェをものにしちまえばいいってことだろうが!」
「男でも先生は気にしないんだろ?なら卒業したら付き合ってくれ」
メンタル鬼強かよー!!
いやまて、そう言う問題?
いや違う違う。何か話が一周回ってないか?
「いや!あのさ!よく考えてみ?!大事な3年間だよ?!こんな…俺みたいな奴じゃなくて、その、もっといい子いるだろうが?!」
「誰だよ?」
「誰だ?」
「だからそう言うところで息合わせるなよ!冷静になれよ!高校の3年間ってすげー大事だろ!もっといい青春しろよ!」
俺の心の叫びだった。
超真面目な本心。
万が一にもこんな男に3年間その青春捧げてみろ。一生後悔するぞ。お前ら2人共顔もいいし優秀だし女子にめちゃくちゃモテてんだろ!頼むからそんな勿体無いことしないでくれ!
「冷静になるのは苗字先生の方だ。さっき俺には自分の気持ちは大切にしろと言ってた」
げ。
今それ言う?
「あ、や、だからそれは後悔してほしくなくて…」
「そぉかよ!なら俺だって後悔なんぞしたくねぇからあんたのこと諦めねぇわ!」
「俺もだ。同じ時間はニ度と流れないんだろう?…なぁ先生」
爆豪君が俺のネクタイを軽く引っ張って、俺を見下ろしながら不敵な笑みを浮かべている。
轟君は跪いて俺の右手を取って俺を見上げながら妖艶に微笑む。
え?ちょっと待てよ。
どうなってんの?
俺ちゃんと断ったよな?
「逃げれると思うなよなぁ」
「絶対逃さねぇから」
いや。だから。
そんなところで息合わせてこなくていいから。
その時はまだ俺は2人の本気を甘く見ていた。
本当に3年間俺が恥ずかしくなるほど猛アタックかましてくれ、卒業式の日に再度2人から告白を受ける。いやだからそれ相手間違えてるって絶対、っていう思考は何度目か。
なのに…すっかりこの2人に絆されてしまった愚かな俺が今度はどちらも選べずに困り果てることになるとは…この時は流石に想像もつかなかった。
扉を開けたのは爆豪君だった。
すぐに轟君もいることに気づいて声が尻すぼみになっていった。
ってかツラかせって言った?
なに?カツアゲ?
「…ってめぇ!!この半分野郎!ここで何してやがる!!」
「お前こそ。最近妙にここに通ってんじゃねぇか」
2人とも目つきが鋭くなる。
声もなんかいつもより数段低くてちょっとお兄さんびっくり。
2人は仲が悪いのか?
「爆豪くんもコーヒーどう?さっき淹れたとこだし」
「もらうわ」
「…っち」
「おい舐めプやろぉが、今の舌打ち聞こえてんぞ」
…仲、悪いんだ。
でも3人でコーヒーでも飲んでるうちにちょっと打ち解けられたりしないかな。
これから3年間苦楽を共にする仲間だ。
ただのクラスメイトじゃない。卒業してからもきっとかけがえのない存在だ。
合う合わないはあるだろうけど、彼らなりに理解し合った上で適度な距離感をとれたらいいな。
そんな気持ちで3人でコーヒーでも飲んで、たわいのない話をしようと思った。
「あ、でも爆豪くん俺に用があったんだよな?今ここで聞いていいことか?」
もし轟くんや他の人に聞かれたくないことだったら時間を改めて話を聞くつもりだ。
爆豪くんは隣に座る轟くんをチラリと横目で見ると少し考えた後…
「…コイツもいるならむしろ都合がいいわ」
「え?」
轟くんにも関係している話なのかな?
大丈夫…か?本人の前で話聞いて…。
そう思った瞬間にも彼は口を開いて話し出した。
「先生は今付き合ってる奴いんのかよ?」
「ブッッ‼︎」
俺はまた気休めに口に含もうとしていたコーヒーを吹いた。そして盛大に咽せた。
「おいどぉしたぁ?!」
「コーヒー熱かったんじゃねぇか?!」
違う。もう流石に冷めてるって。
ってかそうじゃない。コーヒーはどうでもいい。
何?2人とも何か罰ゲームかなんかさせられてるのか?
いやヒーロー科の学生がそんなことでわざわざ時間を費やすとは思えない。
全くもって謎。
いやもう考えたくないもうダメ降参だからお兄さんに教えて。
「だ、大丈夫。いや、あのさ。その質問轟くんにもさっき聞かれたんだけど…2人ともどうしたの?そんなこと、そんなに気になる?」
轟くんに聞かれたって言った瞬間。あからさまに爆豪くんは表情を険しくして隣の轟くんを睨んだ。
それに何故か少し余裕を持った笑みで轟くんは応える。
いやだからそのマウントとってる笑みもなんで。
「どうなんだよ?!いるのか?!いねぇのか?!」
「ひぇ」
クルリとこちらに向き直った爆豪くんが掴みかかってきそうな勢いで聞いてくる。
その圧に負けて「いないいない!」と、慌てて答えた俺。
何か情けないなぁ。年上の威厳とかないじゃないか。
頼ってほしくて雄英に来たんだけどなぁ。
「そりゃいいな!!」
「何がよ」
「俺と付き合えよ先生!!」
「…は?」
「爆豪!!ふざけんな!」
「ふざけてねぇわ大真面目だわ!負け犬舐めプ野郎はそこで大人しく指でも咥えてな!」
「苗字先生はお前みたいな短気な人間に付き合うほど暇じゃねぇよ」
「は!てめぇこそ怪我もねぇのに入り浸りやがって邪魔なんだよ!」
「表出ろ爆豪」
「上等だわやんのかこらぁぁ!!」
え、あ、いやいやいやいや。
待って待って。
「え、あ、いやいやいやいや。待って待って。
」
もう思考回路はまともに機能しなくて、思いついた言葉がそのまま口からまろびでていた。
とりあえず何とか2人を落ち着かせないと。俺は何か声をかけなくてはと、すでに椅子から立ち上がって臨戦態勢な2人の間に立った。
すると轟くんが俺の白衣の袖を掴んで叫んだ。
「苗字先生!好きだ!俺を選んでくれ!」
ひぇぇぇぇえ!!!
もう無理!もう無理!
どうしたらいいわけ?!
こんなの養護教諭の仕事じゃないわ!
「はぁぁ?!ふっざけんなテメェ!後出しジャンケンしてんじゃねぇぞ!!」
「これは順番とか関係ねぇだろ!先生がどっちを選ぶかだろうが!」
「そもそもお前ぇは選択肢に入んねぇんだよ!誰がてめぇみてぇな戦闘狂選ぶかよ!!」
「その言葉そっくりそのまま返させてもらわねぇとな!」
ギャーギャー。
どんどん声量の上がっていく2人に、流石に誰か心配してここにきてしまうかもしれないと思い…
「うーるーせー!」
俺は2人の額にそれぞれデコピンした。
これで大人しくなるかわかんなかったが、意外にも2人はピタリと動きを止めて、キョトンとした顔で俺を見た。
「ここ保健室だぞ!静かにしろ!」
いや俺もうるさい。と言われれば仕方ない声量で2人を叱責する。
「…っチ‼︎」
「悪かった先生」
2人は大人しくなってまた椅子にドカリと腰掛ける。
え?
ってかまだここにいるつもりなの?
「2人共…ヒーロー志す仲間だろ?特別仲良くしろって言うつもりないが、お互いを認め合って協力していくことも知っていか…」
「無理だわ!!」
「無理だ」
「おいー!!」
話くらい聞け!!
俺は頭を抱えた。
こっちは必死なのに「怒ってる先生も可愛いな」なんて的外れなことを言う轟くんの声がした。続いて「それには共感してやんよ!!」って爆豪くんの声。いや、そんなところで仲良くならなくていいから。
ダメだ。
今日は閉店する。
ちょっと頭を整理させる時間をくれ。
「とにかく!今日はもう帰れ!」
「はぁ?!返事聞いてねぇぞ!」
「俺も聞きたい」
「えぇ?!それ何かの冗談とかじゃないの?」
「んだとてめぇ?!俺が嘘言ってると思ってんのか?!」
「俺は本気だ先生!」
ええー?!
冗談ならどれだけよかったか…!
2人の表情は確かに冗談を言ってるようには見えない。
でも…
「いやいやいや!無理でしょうよ!どう考えても!俺は教諭で男だし!君たちは生徒!」
その気持ちが本気なら尚更だ。
ここでハッキリ言っておかないと、中途半端が1番いけない。
「このご時世に男だの何だの気にすんのかよ?」
「俺は爆豪と違って口が硬いから先生と付き合ってることは内緒にする」
「んだとこらぁ!」
「違う違う違う。そう言う問題じゃなくて…俺も本人同士が望むなら男だの女だのそんなの気にしない。俺が君たちと付き合うつもりはないってこと」
2人がハッとした後、押し黙って、傷ついた顔をした。
ハッキリ…言わなくては。
そう思って言ったが、どんな時でも誰かを傷つけてしまったという罪悪感は胸が痛む。だけど後々考えたら絶対これが最善なのだ。
相手の好意は嬉しい。
でも受け取れないのなら半端な優しさなどない方がいい。
「ごめんな。気持ちは嬉しいけど受け取れな…」
「じゃあ俺が卒業するまでにテメェをものにしちまえばいいってことだろうが!」
「男でも先生は気にしないんだろ?なら卒業したら付き合ってくれ」
メンタル鬼強かよー!!
いやまて、そう言う問題?
いや違う違う。何か話が一周回ってないか?
「いや!あのさ!よく考えてみ?!大事な3年間だよ?!こんな…俺みたいな奴じゃなくて、その、もっといい子いるだろうが?!」
「誰だよ?」
「誰だ?」
「だからそう言うところで息合わせるなよ!冷静になれよ!高校の3年間ってすげー大事だろ!もっといい青春しろよ!」
俺の心の叫びだった。
超真面目な本心。
万が一にもこんな男に3年間その青春捧げてみろ。一生後悔するぞ。お前ら2人共顔もいいし優秀だし女子にめちゃくちゃモテてんだろ!頼むからそんな勿体無いことしないでくれ!
「冷静になるのは苗字先生の方だ。さっき俺には自分の気持ちは大切にしろと言ってた」
げ。
今それ言う?
「あ、や、だからそれは後悔してほしくなくて…」
「そぉかよ!なら俺だって後悔なんぞしたくねぇからあんたのこと諦めねぇわ!」
「俺もだ。同じ時間はニ度と流れないんだろう?…なぁ先生」
爆豪君が俺のネクタイを軽く引っ張って、俺を見下ろしながら不敵な笑みを浮かべている。
轟君は跪いて俺の右手を取って俺を見上げながら妖艶に微笑む。
え?ちょっと待てよ。
どうなってんの?
俺ちゃんと断ったよな?
「逃げれると思うなよなぁ」
「絶対逃さねぇから」
いや。だから。
そんなところで息合わせてこなくていいから。
その時はまだ俺は2人の本気を甘く見ていた。
本当に3年間俺が恥ずかしくなるほど猛アタックかましてくれ、卒業式の日に再度2人から告白を受ける。いやだからそれ相手間違えてるって絶対、っていう思考は何度目か。
なのに…すっかりこの2人に絆されてしまった愚かな俺が今度はどちらも選べずに困り果てることになるとは…この時は流石に想像もつかなかった。