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Twitterまとめ

『マロングラッセ』(会話ss)


「おかえり、遅かったな」
「ええ、ファミレスで友人と夕飯とってきました」
「夕飯要らないって聞いてたけど、おまえがファミレス……プッ、にあわねぇ……」
「そうですか? あぁ、そういえばあなたとは行ったことがありませんでしたね。意外とよく行くんですよ」
「へぇ? どこ行ってきたんだ?」
「ロイヤルホストです」
「ファミレスはファミレスでもけっこうイイトコ行ってんな……」
「高耶さん。これ、いちおうお土産です。レジ横にあったものなんですが、ちゃんとしたものを用意できなくてすみません」
「つか、いちいち土産とか買ってくんなよ。これでも同じ家に住んでんだから」
「そうですね、すみません」
「あーもーあやまんなって。どれどれ、マロン……グラッセ?」
「ええ、イガの中にひと粒だけ入った大きな栗を砂糖漬けにした、ヨーロッパのお菓子です」
「へぇー、栗ね。甘くて美味そうじゃん。紅茶でもいれて食うか」
「私が淹れますよ。高耶さんは先に座っていて」
「じゃあ皿持ってって、袋から出しとく」
「はい」


「は、ふめぇひゃん!」
「ひと口で食べるには大きいでしょう、大丈夫ですか?」
「ん、はいひょーふ」
「高耶さん」
「ん?」
「男がマロングラッセを贈るのには、ちゃんと意味があるんですよ」
「はんらよ」
「『永遠に愛を誓う』……あなたへの永遠の愛を誓います」
「ぐふ、ゲホッゲホッ」
「高耶さん!?」
「ゲホッ……おっ、おまえな!よくもそんな小っ恥ずかしいことを真顔で!」
「すみません、でも本当ですよ」
「……」
「高耶さん?また喉につかえますよ」

「ッ!?」
「……オレからだ!先寝る!」
「待ってください。口移しなんてかわいいことされて、寝かせられるわけがないでしょう?」
「ちょ、ここかたづけ……」
「そんなもの、後でいい」
「おい、直江!」
「高耶さんの希望通り、大きめのソファにして良かったです」
「それはこういう意味じゃあ……」
「嘘つき。本当はこういうの、好きなくせに……」
「なお……」
「今夜は、優しくできそうにありません」
「いいぜ……こいよ」
「高耶さん、愛しています、未来永劫」
「ああ、……オレも、愛してる、直江……」


/マロングラッセ #直高ss
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