初飲み
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「のんさん、空いてる日、あります?」
そう言い放ったのは、二個下の後輩。智樹 。
寒い日が続くのでマフラーを巻いている。
「ある…けど…」
「飲みに行きません?」
少し考え、のんはニコリと笑った。
「いいね、来週なら!授業3限までなんだー」
「お、そうなんすね。じゃあ待ってますね」
智樹も安堵したように笑う。
智樹とは大学の学園祭で知り合った。
同じフロアで案内スタッフをしていたのだ。
背が高く、パッチリ二重な智樹。
ちょっとやさぐれている感はあるけど、イケメンだなぁ…。
駅で待ち合わせてお店まで歩く。
ふと、智樹を見上げてのんは思った。
「のんさん、お酒強いんですか?」
「んーん、全然。飲むのは好きなんだけどね」
授業の話、教授の話、会話に花が咲く。
暗い店内で見える智樹のきれいな顔。
三杯目のハイボールを頼んだあと、智樹が口を開いた。
「のんさんの彼氏さんはどんな人?」
「え、いないよー!」
へらっとのんは笑う。
3年間付き合った彼とは去年別れた。
高校からの付き合いだったが
「やっぱり大学が違うと会うタイミングとか、
いろいろすれ違っちゃってね」
そう思うようにしていた。
実際、会おうと思えば会えたのに。
だって別に遠距離でもなんでもないんだし。
うん。
引きずってんなあ、私。
のんの顔が曇った。
カラン。
智樹の持ったグラスが揺れる。
「俺、立候補していいすか」
「え、」
「彼氏に」
「のんさんの、彼氏に」
「…っ」
のんの顔が赤くなる。
頭がクラっとした。
お酒のせいもあるのかな。
「…なにこの沈黙」
智樹が口をとがらせる。
「つか、立候補しますね、しました。今!」
「ふふ」
へにゃっと笑うのん。
「もう!」
智樹がさらに口を尖らせた。
かわいいな。
うれしいな。いいのかな。
のんの中に戸惑いがうまれる。
でも。
まだ、彼を完全に忘れられてない。
ずっと一緒だった。
何をするにも、ずっと。
キスも、遊園地も、お泊りだって。
「ありがとう。智樹くん」
「…あのね、でも」
「いいです!まだ、返事は」
智樹は続けて言った。
「立候補、しただけだし」
「告白はまだだし」
ニヤっと笑う。
「っふふ、なに、それ」
恥ずかしいような楽しいような、
のんがコロコロ笑う。
「送ります、今日は」
店を出るとひゅうっと冷たい風が吹いた
「うー……さむ、智樹くん、マフラー忘れてない?」
「あります、あ、のんさん、」
「ん?あ…」
「雪…」
パラパラと雪が降り始めていた。
そうだよね、こんなに寒いんだもんね。
でも、積る感じではないのかな。
そう思っていると
ふ、と目の前が暗くなる。
「!」
目の前には智樹の顔。
いつの間にか、繋がれた、手。
えっえっ
嘘、キスーーー!?
どうしていいか分からず
後ずさりをするのん。
一歩、二歩。
三歩目の所で、智樹に繋いだ手を強く惹かれる。
「ひゃ…!」
咄嗟にギュッと目をつぶる。
どうしようどうしよう。
いや、別に初キスでもないんだけども…!!
……
「…?」
何も起きないので、薄く目を開けると
ニヤニヤ笑っている智樹。
「…え、な、なに…」
「のんさん、俺にもちょっとは脈あるんですね」
「え」
「がんばろっと」
「ちょ」
「帰りましょ、のんさん!」
赤いままののん。
手は繋がれたまま。
そう言い放ったのは、二個下の後輩。
寒い日が続くのでマフラーを巻いている。
「ある…けど…」
「飲みに行きません?」
少し考え、のんはニコリと笑った。
「いいね、来週なら!授業3限までなんだー」
「お、そうなんすね。じゃあ待ってますね」
智樹も安堵したように笑う。
智樹とは大学の学園祭で知り合った。
同じフロアで案内スタッフをしていたのだ。
背が高く、パッチリ二重な智樹。
ちょっとやさぐれている感はあるけど、イケメンだなぁ…。
駅で待ち合わせてお店まで歩く。
ふと、智樹を見上げてのんは思った。
「のんさん、お酒強いんですか?」
「んーん、全然。飲むのは好きなんだけどね」
授業の話、教授の話、会話に花が咲く。
暗い店内で見える智樹のきれいな顔。
三杯目のハイボールを頼んだあと、智樹が口を開いた。
「のんさんの彼氏さんはどんな人?」
「え、いないよー!」
へらっとのんは笑う。
3年間付き合った彼とは去年別れた。
高校からの付き合いだったが
「やっぱり大学が違うと会うタイミングとか、
いろいろすれ違っちゃってね」
そう思うようにしていた。
実際、会おうと思えば会えたのに。
だって別に遠距離でもなんでもないんだし。
うん。
引きずってんなあ、私。
のんの顔が曇った。
カラン。
智樹の持ったグラスが揺れる。
「俺、立候補していいすか」
「え、」
「彼氏に」
「のんさんの、彼氏に」
「…っ」
のんの顔が赤くなる。
頭がクラっとした。
お酒のせいもあるのかな。
「…なにこの沈黙」
智樹が口をとがらせる。
「つか、立候補しますね、しました。今!」
「ふふ」
へにゃっと笑うのん。
「もう!」
智樹がさらに口を尖らせた。
かわいいな。
うれしいな。いいのかな。
のんの中に戸惑いがうまれる。
でも。
まだ、彼を完全に忘れられてない。
ずっと一緒だった。
何をするにも、ずっと。
キスも、遊園地も、お泊りだって。
「ありがとう。智樹くん」
「…あのね、でも」
「いいです!まだ、返事は」
智樹は続けて言った。
「立候補、しただけだし」
「告白はまだだし」
ニヤっと笑う。
「っふふ、なに、それ」
恥ずかしいような楽しいような、
のんがコロコロ笑う。
「送ります、今日は」
店を出るとひゅうっと冷たい風が吹いた
「うー……さむ、智樹くん、マフラー忘れてない?」
「あります、あ、のんさん、」
「ん?あ…」
「雪…」
パラパラと雪が降り始めていた。
そうだよね、こんなに寒いんだもんね。
でも、積る感じではないのかな。
そう思っていると
ふ、と目の前が暗くなる。
「!」
目の前には智樹の顔。
いつの間にか、繋がれた、手。
えっえっ
嘘、キスーーー!?
どうしていいか分からず
後ずさりをするのん。
一歩、二歩。
三歩目の所で、智樹に繋いだ手を強く惹かれる。
「ひゃ…!」
咄嗟にギュッと目をつぶる。
どうしようどうしよう。
いや、別に初キスでもないんだけども…!!
……
「…?」
何も起きないので、薄く目を開けると
ニヤニヤ笑っている智樹。
「…え、な、なに…」
「のんさん、俺にもちょっとは脈あるんですね」
「え」
「がんばろっと」
「ちょ」
「帰りましょ、のんさん!」
赤いままののん。
手は繋がれたまま。
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