予想外
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「……なんでいるんですか?」
「いたら何か不都合でもあるのか?」
「ありませんけど……」
シオンは上陸した島の中心街にいた。 服の調達のため、買い出しに行くベポちゃん達とは別行動だ。
そして今一緒に行動しているのがー
トラファルガー・ロー
その人である。
そもそもの原因は、シオンがグランドラインの海の気候を全く気にかけていなかったことにある。
ハートの海賊団の仲間入りを果たしたシオンだったが、ハートの海賊団の船員が着ているつなぎは
着ることができなかった。
理由は単純明快、自分に合うサイズのモノがなかったせいである。
少々残念だなぁと思ったが、ないものは仕方ない。
シオンは、自分で持ってきた服を着ることにしたのだけれど
シオンの住んでいた島は春島。
ハートの海賊団に入ると決めた時、それなりの着替え等は持ってきていた。
が、
島の周辺ならまだしも、グランドラインの海はいつどんな気候になるか全く予想がつかないのだ。
「暑い~」
といってるそばから雪がいきなり降ってくる。
なんていう異常気象の連続だ。
暑いのはまだいい。 薄手のシャツを主軸として持っているから、何とかなる。
最悪キャミソールで動けばいい。
困るのは寒い時だ。
厚手の上着を1枚も持っていないシオンにとって、寒さは脅威以外の何者でもない。
ということがあったため、
「服の調達をしてこい」
と、ローから言い渡され冒頭に戻る。
当初の計画では、シオンは1人で買い物に出ることになっていた。
けれどなぜか、今はローが同行している。
「1人で買い物するのも寂しいからいいや」
なんて思っていたシオンだったが、すぐに考えを改めた。
「コレなんかどうだ?」
「……妨害するなら帰って下さい」
ローが示してくる服は、どれもこれも問題があるモノばかりだった。
無駄にフリルのついたワンピースやゴテゴテに装飾品で飾られた代物。
例外なく派手。
普段シオンは、Tシャツにジーパン+上着な「ド」がつく程シンプルな服装で過ごしている。
それを知っていてそれ系統を薦めてくるのは、いかがなものかと思う。
「どうやら好みが全く合わないようなので、結構です」
と、即座に切り返すのももう何回目だろうか。
ローだって普段からラフな格好しかしないくせに、なんで人のものを選ぶ時は違う系統を薦めてくるのか甚だ疑問だ。
横から口出しをしてくる誰かさんは放っておいて、シオンは必要な物を選んでいった。
「これいいかも」
膝丈まである白いニットのカーディガンを見つけ、シオンはさっそく試着してみることにした。
フードの周りには手触りのよいファーがついていて、かなり良い。
そしてなによりデザインがシンプルだった。
「よし、これにしよう♪」
試着をしてみてすっかりと気に入ったシオンは、色違いの黒のカーディガンも購入し、次の店へと向かった。
「あれ?」
しっかりとした防寒用のコートを選んでいた シオンは、ちょっとした違和感があることに気づいた。
「静かすぎる……」
店内を見渡せば、ローの姿がなくなっていることに気づく。 いつの間にいなくなったのだろうか。
横から口出しをされないのは非常に有り難い。
けれど、いなくなったらなったで寂しいと感じる自分がいる。
「どこ行ったんだろ?」
コートを選ぶ手を止め、シオンは通りに目を向けた。
09.6.30 tarot