「スネイプさんは面白い服を着ていますね」

「これが普通だ」

「へえ～、そうなんですかあ」


レミさんとルークはセブルスが着ているローブに興味津々だった。


「まあ、この服のせいで陰険陰湿根暗ｈ……！！」

「「！」」


ここに来て何回目かのセブルスの鉄拳が落ちた。
レミさんとルークは驚いていたが、レイトン教授はまあ慣れたんだろうな。
苦笑いしてる……。


「……今日のセブは機嫌が悪い……」

「誰のせいだと思っている」

「俺のせいだと？」

「当たり前だ」


まったく、いつになったら帰る気になるのかね？なんて文句言い始めたけど、敢えてスルー。

たぶん、一時的なトリップだと思うから、自動的に時間になれば引きずり返されるという予感がある。

今は、レミさんとルークが話す、今までレイトン教授が解決してきた事件の話に耳を傾けることにした。


「そういえば、今日シオンは来ましたか？」

「いや、今日はまだ来てないよ。たぶん、お店の手伝いが忙しいんじゃないかな」

「シオン？」


首をかしげると、ルークが教えてくれた。


「シオンさんは、先生の友人のロイさんの所で住んでいる、先生の助手兼監視役なんです」

「監視役？」

「先生は、部屋を見ても分かる通り片づけが苦手なんです。それでいて、徹夜とかよくするらしくて、シオンさんが先生の生活リズムを調整しているんです」

「へえー、すごい子なんだね」

「はい！」


ルークはまるで自分が褒められてるみたいに、嬉しそうに笑った。
それほどまでに、そのシオンって子のことが好きなんだろうな。


「(あー、マジで可愛いなあ)」


ドクン


そう思った時、心臓が一際大きく脈打った気がした。

その時、そろそろ戻される時間だなと直感的に感じた。

セブルスに目配せすると、何なのか分かったようでソファから立ち上がった。


「じゃあ、私達はそろそろ帰りますね」

「え！もう帰っちゃうんですか？」

「うん。ごめんね、ルーク」


寂しそうな顔をするルークに胸キュンしつつも、こちらも危ない顔じゃなくて寂しそうな顔をする。


「レイトン教授、色々とお世話になりました」

「いや、英国紳士としては当然のことだよ」


やばい、顔が思わずほころびそうだった。

見習えば良いのに……、の視線をセブルスに送りつつも、この後やることに胸が少し痛んだ。


「今日は、本当にお世話になって……ありがとうございました」