この星空に

大切な願い事

託してみても

私のささやかな願いは

聞き届けられることはない










「星に嫌われた少女」










叶わないと分かっていても、叶うかもしれないと思って、つい短冊に願い事を書いてしまう。


――高望みなのだろうか。


月が仄明るい星空に問いかけても、答えは帰ってくるはずもなく。


――ただ誰かに愛されてみたいと思うのは、高望みなのだろうか……。


それが高望みなら、一体私は何を望めばいい？
何を願えばいい？

見上げる夜空はきらきらと星が輝いていて、私はため息を吐く。

いつも同じ。
何が悪くて、嫌われていなければならないのか。
何が気に食わなくて、私を騙そうとするのか。
たとえ被害妄想だとしても、それが考えられるほどにしたのは、彼らの責任だろうに……。

神にとっては生意気な子だろうか。
崩したはずの精神が、まだバランスを保っていて。
嫌われるように仕向けたはずなのに、私は気にもしていなくて。
性別は女なのに、男の身体つきに似ているのも、気にしていない私に、神は何か絶望を与えようと躍起になっているのか。

せめて少しでも、幸せというものを感じたいのに。
神は私の感情の一部を取り去ってしまったのか。

与える優しさはあれど、与えられる優しさは感じられず。
愛も分からず。
それ故、誰かを愛せず。
ただ、耐えるだけの生活。

その生活が嫌と思うのは、いけないことなのでしょうか？
逃げ出したいと思うのは、卑怯なのでしょうか？
何処に行っても、私は嫌われるように仕向けてあるのですか？

一生叶わないと思っていた夢は現実になったのに、私がいた世界と代わらずに悲しく、辛く、苦しい。

現実の人に嫌われるなら、架空の人を好きなろうと思った矢先、私は飛ばされた。

目の前に広がるのは、架空の世界だった現実の世界。
架空の人も現実の人になった。

私を一人ぽっちにしてどうするのか。
私は神の実験動物ではないというのに。
それでも、飼いならされた動物に違いない。

狂気で彼を殺してしまう前に、私はここを去らなければならない。
彼を私の狂気に巻き込んでしまってはいけない。
彼はまだ、純粋な心を持っている。
彼自身が知らないだけで。


「さようなら、セブルス」


神が仕向けた運命に抗い、私を愛してくれた人。






END

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あとがき

七夕の話にしたつもりが、真っ暗な話になってしまいました……。
最初だけですよね、七夕関連のものが出てきたのは。
なんかもう、自分の思いを好き勝手書いちゃって申し訳ないです。

カオス過ぎてごめんなさい。
来年は、明るく楽しくを目指します！