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主人公は大変なものを盗んでいきました
それは…―――――
~歌姫は泥棒~
今日も今日とて寒い、ホグワーツの十二月。
そして、今日も歌うのは“黒銀の歌姫”
雪空の下、聞こえる歌声はいつも同じ歌。
♪…――Harvest、harvest、it yield the fruits.
「おい、また歌ってるぜ」
「飽きないもんだな」
「人殺しの歌なのに、切ない感じね」
「グリフィンドールの才女とは思えないわ」
♪…――Sweet、lala、sweet、lala、真っ赤なfruits.
彼女はいつも夕食前の時間に天文台で歌を歌っている。
誰のために歌っているのか、それはまだ誰も知らないこと。
♪…――もぎ取れないのなら 刈り取ればいいと
「あ!またやられたわ」
「また?ハーマイオニーはいつも標的にされるね」
「ロンよりマシよ」
「酷いなあ。僕だって、盗られたくて盗られてるんじゃないんだよ?」
♪…――嗚呼…でもそれは首じゃないか
しかし、歌姫にはもう一つの名があった。
それは……。
「いつも同じ歌で、よく飽きないものですな。“シャドウ”」
「好きな歌こそ、飽きないものです。それに、よく私の通り名をご存知ですね。スネイプ教授」
“シャドウ”
影のように闇に潜み、誰かのものを盗むためにその名が付けられた。
「我輩の寮のものが被害を訴えに来た時に聞いた」
「被害と言っても、きちんと返してますよ?」
柵に寄りかかりながら、彼女は言った。
「返してもらってない、という者もいるが?」
「自分で無くしたんでしょう。私は盗んだその日に返していますから」
スネイプは確かにそのことを知っている。
彼女がその日のうちに盗んだものを返していることを。
「ああ。でも、盗んだら返さないものは一つありますよ」
彼女は思い出したように言った。
そして、少し不思議そうな顔をするスネイプに歩み寄った。
彼女はスネイプを見上げて言った。
「教授のことが好きです。だから、いつか必ず教授の心を盗みますね」
突然の告白にスネイプは動くことも、声を出すこともできなかった。
ただ、頬にキスを落として楽しげに笑って去っていく彼女を見送るしかなかった。
「ねえ、今日はなんだかご機嫌ね」
「え?そう?」
「見るからに楽しそうだよ。何があったんだい?」
「フフッ。ちょっと宣戦布告と告白してきたの」
「誰に?!」
「秘密♪」
彼女は大変なものを盗んでいきました。
それは……。
「もう、我輩の心はお前に盗まれている……」
彼女が去った後、スネイプは苦笑いを溢しながら呟いた。
だが、彼女はそれを知らない。
それを知るのは、明日になるだろう。
END
―――――――――
あとがき
(実は謝罪文です)
で、で、できたぁ~!!!
は、初めて短い短いお話が書けました!
嬉しいです!
ですが、歌を入れた意味がなかったです。
しかも、全然関係ない歌だし……。
気にしないでくださいね。
ちなみに、この歌は「Sound Horizon」の「Yield」です。
曲が気になる方は、You Tubeで「Sound Horizon」または「サンホラ」と打てばヒットするはずです。
私はいつも「Sound Horizon」ですが。
では、ここまで読んでいただきありがとうございました!
2009/10/16/Fri
改2024/10/15