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コンコン
「スネイプ教授、グリフィンドール全員のレポートを持ってきました」
・・・・。
「スネイプ教授?」
・・・・・・。
「・・・入りますよ?」
ガチャ
「何だ。いなかっt……Σスネイプ教授?!」
私はレポートを投げ捨てて、床に倒れている教授の傍に駆け寄った。
「大丈夫ですか!?」
苦しそうな息遣いが微かに聞こえる。
それに、顔色はいつもより良すぎる方だ。
「まさか……熱?!」
私は、一応浮遊呪文で教授を奥の方にあるベッドへ運んだ。
「どうしよう。ポンフリーは今日、出掛けてるし……。え~と、一応水と濡れたタオルかな?用意するのは」
アクシオを使って、二、三枚ほどタオルを呼び寄せると、備え付けのキッチンで飲み水と濡れタオルを用意した。
奥の教授を寝かせているベッドへ向かうと、教授は上体を起こしていた。
「Σちょっ、教授!寝てなきゃダメですよ!」
ベッドの脇に置いた椅子の上に持っていたものを置いて、教授の肩を掴んで抑える。
「やることがあるのだ。寝ている暇はない。その手を退かしたまえ」
「イヤです。倒れるほどの熱があるんですから、尚更この手を退かすことはできません」
「お前には関係ない」
「関係あります!」
教授は驚いたように微かに目を見開いた。
「今夜ぐらいは安静にしていてください。本当は、熱がきちんと下がるまで休んでいて欲しいんですけど……」
教授が忙しいのは分かってますから、と言いながら軽く教授の肩を押すと、教授は渋々大人しく横になった。
そんな教授に私は驚きながら、濡らしてきつめに絞ったタオルを教授の額に置いた。
「……我輩が倒れていたのが、お前にとってはそんなに驚くことだったのかね?」
「もちろんです!ですけど、何でそんなことを?」
「お前が持ってきたであろう羊皮紙が、全て床に落ちている」
「あっ!」
私は教授に指摘されて、慌てて床に投げ捨てたままのレポートを集めた。
「(あ~、折れてる……)」
折れてしまった所をきれいに伸ばして、テーブルの上に崩れないようにレポートを積む。
「(よしっと……)」
ベッドへ視線を移すと、教授はいつの間にか眠っていた。
足音を立てないようにゆっくりと忍び寄ると、倒れていたときより幾分か落ち着いた呼吸音が聞こえる。
初めて見る教授の寝顔は、予想外に可愛かった。
私は思わず笑みを溢し、サイドテーブルに椅子の上に置いていたものを置いて、椅子に腰掛けた。
「早く、良くなってくださいね。教授」
そう言いながら、私は顔にかかっている髪をそっと退かした。
次の日、空気感染と睡眠不足により、私が風邪を引いて寝込むことになることを、この時は露にも思わなかった。