-Ⅷ-
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~事件の朝~
パチリと目が覚めた。
教授の机に寄り掛かって寝ていた身体を起こし、伸びをすれば背中がパキパキと音を上げる。
窓の外は、すっかり朝の様子になっている。
腕時計に目をやれば、普通の朝の時刻だ。
「ふぁ………」
欠伸を零しながら立ち上がって、ソファの方を覗き込む。
教授は昨日ほとんど寝てなかったのがあってか、熟睡しているらしい。
むしろ、シルクハットを落とさずにソファで熟睡できるとか、どんな卓越した技術だ。
簡易キッチンへ行き、ポットの中に残っている水を入れ換えてお湯を沸かす。
お湯が沸くまでに軽く顔を洗って、お茶の準備を整える。
「……リ〇トン」
取り出した茶葉の入った缶を眺め、ぽつりと呟くのは元の世界でよく使っていた紅茶葉のメーカー名だ。
だが、残念ながらこの缶は違う。
そもそも、中身の茶葉はセイロンじゃなくてダージリンだし。
あのメーカーのはお手頃価格で美味しく、尚且つ内容量や商品種類が多かったので、味を覚える程飲んだなぁと感慨深くなる。
セイロンはストレートでもミルクを入れても良い、よくできた味だった……。
なんて耽りながら羽織ったままっだった、毛布代わりにしていた上着の黒いジャケットに腕を通す。
今着ている服は、カルヴァートさんと面白そうだからとついて来たお店のアルバイト店員ノエルさんが選んで買ってくださった服だ。
スカートを断固拒否させていただいた時の、ノエルさんのあの不満げな表情は記憶に新しい。
甲高のせいで可愛らしいパンプス類が入らなくて全滅した時は、カルヴァートさんもノエルさんも悔し泣きしていた。
泣くほどの事かと、内心引いていたことは秘密だ。
そんなことがあって、あの手この手で何とか自分が精神的に落ち着く、ボーイッシュなモノトーン系の服を買っていただいた訳だ。
次に洋服を買う時も、私を絶対に呼んでね!と脅すような勢いで釘を刺してきたノエルさんに、暫く買うつもりはないんだけどなあ……と思った。
思っただけに留めて、おそらくほぼ来ることのない次回を待っていただくことにした。
ヒドイとか分かってる。
シュンシュンと音を立て始めたポットの火を止めると、ノックの音が。
それから続けて聞こえたのは、聞き覚えのある声。
「教授!教授!!」
ローザさんの声に慌てて駆け寄り、ドアを開けた。
パチリと目が覚めた。
教授の机に寄り掛かって寝ていた身体を起こし、伸びをすれば背中がパキパキと音を上げる。
窓の外は、すっかり朝の様子になっている。
腕時計に目をやれば、普通の朝の時刻だ。
「ふぁ………」
欠伸を零しながら立ち上がって、ソファの方を覗き込む。
教授は昨日ほとんど寝てなかったのがあってか、熟睡しているらしい。
むしろ、シルクハットを落とさずにソファで熟睡できるとか、どんな卓越した技術だ。
簡易キッチンへ行き、ポットの中に残っている水を入れ換えてお湯を沸かす。
お湯が沸くまでに軽く顔を洗って、お茶の準備を整える。
「……リ〇トン」
取り出した茶葉の入った缶を眺め、ぽつりと呟くのは元の世界でよく使っていた紅茶葉のメーカー名だ。
だが、残念ながらこの缶は違う。
そもそも、中身の茶葉はセイロンじゃなくてダージリンだし。
あのメーカーのはお手頃価格で美味しく、尚且つ内容量や商品種類が多かったので、味を覚える程飲んだなぁと感慨深くなる。
セイロンはストレートでもミルクを入れても良い、よくできた味だった……。
なんて耽りながら羽織ったままっだった、毛布代わりにしていた上着の黒いジャケットに腕を通す。
今着ている服は、カルヴァートさんと面白そうだからとついて来たお店のアルバイト店員ノエルさんが選んで買ってくださった服だ。
スカートを断固拒否させていただいた時の、ノエルさんのあの不満げな表情は記憶に新しい。
甲高のせいで可愛らしいパンプス類が入らなくて全滅した時は、カルヴァートさんもノエルさんも悔し泣きしていた。
泣くほどの事かと、内心引いていたことは秘密だ。
そんなことがあって、あの手この手で何とか自分が精神的に落ち着く、ボーイッシュなモノトーン系の服を買っていただいた訳だ。
次に洋服を買う時も、私を絶対に呼んでね!と脅すような勢いで釘を刺してきたノエルさんに、暫く買うつもりはないんだけどなあ……と思った。
思っただけに留めて、おそらくほぼ来ることのない次回を待っていただくことにした。
ヒドイとか分かってる。
シュンシュンと音を立て始めたポットの火を止めると、ノックの音が。
それから続けて聞こえたのは、聞き覚えのある声。
「教授!教授!!」
ローザさんの声に慌てて駆け寄り、ドアを開けた。
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