～見習い生活～




こうして、私はレイトン教授の下に預けられることとなった。

とはいえ、ただ居るというのも居心地が悪い……というか申し訳なさでいっぱいになるので、教授の部屋を片付けたり掃除したりする仕事を得た。
専属見習い掃除婦(仮)である。
ただし、作業机の方には手をつけるのが恐ろし過ぎてそのままにしがちだったりする。

そうして、見習い掃除婦兼助手を勤め始めて早四日目。
教授の研究室に泊まるのも、もう四日目である。

そんなことをしていたら、いつの間にか助手っぽいことをする羽目にまでなっていた。
不思議でならない。

それと、お店の鍵を一応預けられてはいるのに、何故研究室に教授と一緒になって泊まっているのかというと……。


「ここら辺は治安が良いとは言え、何があるか分からないからね。女の子一人なんて以ての外なんだから、出来る限りエルシャールと一緒に居るようにね！必ず、絶対だよ！」


と、カルヴァートさんにしつこく言いつけられているため、ここ研究室に一時的にだが住み込みに近い形を取らざるを得なかった状況だ。
素直に言いつけを守る真面目ちゃんな自分が、恨めしくも思う。

まあ、教授が家に帰っていれば別だったのだが。
いや、昨日と四日前辺りに着替えなり何なりで帰っていたようなんだが、結局研究室に泊まっている。

その時の私は、何故か研究室にお留守番だった。
解せぬ←

そんな訳で、私はお風呂に入る以外、お店の方に戻ることもせずに教授の研究室に教授と共に泊まり込んでいた。
今良いところなんだ、もう少しなんだ、という言葉を何度か聞いて諦めた節もあったりする←

そんな私はテーブルの上で本と本の間に挟まっていた資料とレポートの仕分け終え、未だに机に向かって書き物をしている教授の背中を見やる。

おそらく、学会提出用の論文なのだろう。
昼間に研究作業などをしていたことを書いているはずなのだが、どうも文章が上手くまとまらない様子だ。

私がそんな様子の教授の後ろで大き目のため息を吐いても、教授は集中しているのか気付かない。

トリップ前の事故で壊れそうになった腕時計を見やれば、只今の時刻は午前零時過ぎ。