-Ⅰ-
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~謎の少女~
彼女との出会いは、友人からの一通の手紙がきっかけだった…――――
親愛なる我が友人
エルシャール・レイトン君へ
やあ、久しぶり。
こうして君に手紙を書くのは、僕が店を出した時以来じゃないかな?
君は暇じゃなかったのか、来てくれなかったけどね。
さて、そのついでといってなんだが……。
ナゾトキをしてほしい。
といっても、彼女の正体のナゾを調べてもらいたいだけなんだけどね。
ああ、彼女と言うのは僕が雇った子なんだが……いや、連れてきちゃった子って言った方が正しいかな?
まあ、その辺りは色々とあってね。見た方が早いだろう。
無一文で家がなくて、おまけに身元不明ときたものだから、僕も驚いたよ。警察に届けるにしては、なんだか可哀想でね。
今、僕のところで働いてるから、店に遊びに来るついでとしてこのナゾを解いて欲しい。
もし来なかったら、君の所へ喫茶店を出張させようかと思っている。
それじゃあ、来てくれるのを楽しみに待ってるよ。
ロイ・カルヴァート
「これは、脅迫文か何かの間違いじゃないのかい?」
一枚の紙をカウンターを挟んで目の前にいる男に、ひらひらと見せながら男は言った。
「いやだなぁ。僕の冗談半分なんだから、本気にすることはないのに」
インテリアな喫茶店内のカウンターで、二人の男が楽しそうに……いや、一人は確実に困った表情で話しをしている。
一人はこの店のマスターである、ロイ・カルヴァート。
もう一人、大きなシルクハットを被った男は、かの有名な大学教授エルシャール・レイトン。
何故、その有名な人物がここへ来ているかと言うと……冒頭の手紙にもあったように二人は友人同士だった。
そして、今回の依頼人がロイである。
「まったく……。それで、君が言う少女は今どこに?」
呆れた様な溜息を吐きつつ、手紙を上着の懐にしまいながらレイトンはロイに尋ねた。
「彼女なら、二階にいるよ。開店前と閉店後に手伝ってもらっているだけだから」
「そうなのか……ん?」
上から微かに誰かの歌声が聞こえてきた。
物憂げで寂しげな声が、店内に流れる音楽に消されながらも途切れ途切れ、二人の耳に届いていた。
「この、歌は?」
「あぁ、彼女が屋上で歌ってる歌だよ。こうして何度か聞いてると、僕はセイレーンを海から連れてきてしまったんじゃないかって思っちゃうんだよね」
苦笑いを溢すロイを見ながら、レイトンは微かに聞こえてくる歌に耳を傾けていた。
「……おっと。そろそろ時間だな」
「閉店時間かい?」
「ああ」
そういって、ロイが外に出してあった看板を店の中に仕舞い始める。
その時、カウンターの奥の通路から眼鏡を掛けた黒髪の少女が足早に出てきた。
「カルヴァートさん、片づけを……」
「こんばんは―――」
レイトンに声を掛けられた少女は、彼を見て目を見開いた。
また、レイトンも彼女を見て目を見開いた。
まるで、有り得ないと言わんばかりの驚愕したような表情 で。
「ん?シオン?」
ロイがその場から動かなくなった少女に声を掛けると、少女は我に返ったのか慌てて奥へと引っ込んでしまった。
彼女との出会いは、友人からの一通の手紙がきっかけだった…――――
親愛なる我が友人
エルシャール・レイトン君へ
やあ、久しぶり。
こうして君に手紙を書くのは、僕が店を出した時以来じゃないかな?
君は暇じゃなかったのか、来てくれなかったけどね。
さて、そのついでといってなんだが……。
ナゾトキをしてほしい。
といっても、彼女の正体のナゾを調べてもらいたいだけなんだけどね。
ああ、彼女と言うのは僕が雇った子なんだが……いや、連れてきちゃった子って言った方が正しいかな?
まあ、その辺りは色々とあってね。見た方が早いだろう。
無一文で家がなくて、おまけに身元不明ときたものだから、僕も驚いたよ。警察に届けるにしては、なんだか可哀想でね。
今、僕のところで働いてるから、店に遊びに来るついでとしてこのナゾを解いて欲しい。
もし来なかったら、君の所へ喫茶店を出張させようかと思っている。
それじゃあ、来てくれるのを楽しみに待ってるよ。
ロイ・カルヴァート
「これは、脅迫文か何かの間違いじゃないのかい?」
一枚の紙をカウンターを挟んで目の前にいる男に、ひらひらと見せながら男は言った。
「いやだなぁ。僕の冗談半分なんだから、本気にすることはないのに」
インテリアな喫茶店内のカウンターで、二人の男が楽しそうに……いや、一人は確実に困った表情で話しをしている。
一人はこの店のマスターである、ロイ・カルヴァート。
もう一人、大きなシルクハットを被った男は、かの有名な大学教授エルシャール・レイトン。
何故、その有名な人物がここへ来ているかと言うと……冒頭の手紙にもあったように二人は友人同士だった。
そして、今回の依頼人がロイである。
「まったく……。それで、君が言う少女は今どこに?」
呆れた様な溜息を吐きつつ、手紙を上着の懐にしまいながらレイトンはロイに尋ねた。
「彼女なら、二階にいるよ。開店前と閉店後に手伝ってもらっているだけだから」
「そうなのか……ん?」
上から微かに誰かの歌声が聞こえてきた。
物憂げで寂しげな声が、店内に流れる音楽に消されながらも途切れ途切れ、二人の耳に届いていた。
「この、歌は?」
「あぁ、彼女が屋上で歌ってる歌だよ。こうして何度か聞いてると、僕はセイレーンを海から連れてきてしまったんじゃないかって思っちゃうんだよね」
苦笑いを溢すロイを見ながら、レイトンは微かに聞こえてくる歌に耳を傾けていた。
「……おっと。そろそろ時間だな」
「閉店時間かい?」
「ああ」
そういって、ロイが外に出してあった看板を店の中に仕舞い始める。
その時、カウンターの奥の通路から眼鏡を掛けた黒髪の少女が足早に出てきた。
「カルヴァートさん、片づけを……」
「こんばんは―――」
レイトンに声を掛けられた少女は、彼を見て目を見開いた。
また、レイトンも彼女を見て目を見開いた。
まるで、有り得ないと言わんばかりの驚愕したような
「ん?シオン?」
ロイがその場から動かなくなった少女に声を掛けると、少女は我に返ったのか慌てて奥へと引っ込んでしまった。
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