複雑な関係には

複雑な感情が付きもの

でも

そんな感情嫌いだから

諦めるしか

ないのかな…？





△不安定数式▼










薄暗い地下牢教室で、いつも通りの魔法薬学の授業。

隣には友達であり、恋敵のクレア・ウォーカー。
黒板の前で、次回の授業で行う魔法薬の調合について講義しているのが、私とクレアの想い人セブルス・スネイプ教授。

思い返せば、いつからこんな複雑な関係になったのだろうか。
恐らく、つい最近の事がきっかけだろうが……。

微かにため息を吐き、ノートに羽ペンを滑らせる。

隣は教授に夢中らしい。
まったく、少しはノートを取らないと後が怖いと言うのに。

ただでさえ、私達はグリフィンドール生。
目の敵にされている以上、露骨な行動は避けないと……。


「Ms.ウォーカー、この調合についての注意すべきところはどこだ」

「は、はい！……えっと……」


当然、教授を見つめていた隣は教授の格好の餌食に。

ここで答えられれば逃れられたものの、話を聞いていなかったから答えられず。


「全く……話を聞きもしないとは…。グリフィンドール五点減点。Ms.ヒレン、答えたまえ」

「はい」


クレアが座る代わりに、隣の私が立つ。
そして、状況は逆転。

形だけでも授業を取っていた私は、教授の問題に的確とまではいかないが答える。

そして、教授は何事もなかったかのように、再び講義の続きを始めるのだ。