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医学界で

ある種の精神的病が

世界を騒がせている

その病名は……





「シャッターハート」










ここは、とある病院の一室。

今の世の中、精神的な病にかからない人はいない。
彼女は、その精神的な病にかかっている。
だが……、彼女がかかってしまった病気は特殊だった。


「残念ながら、娘さんの病気を治す方法も、改善させる方法も今の医療技術では……ありません」


息を呑む彼女の母親。
父親は苦いを顔をする。

医者は、苦渋の表情で重い口を開き、彼女の両親に告げる。


「明日香さんを……ここの精神病棟に入院させて、様子を見るしかありません。もし、改善できる傾向でしたら、私どもが全力で改善の方向へと進めます」


彼女の両親は、医者のその言葉に全てを任せるしかなかった。


こうして、彼女の不思議な入院生活が始まった。







眩しい……。
それに、いつもより静かだ。

私が不思議に思って目を開けると、何故か私はいくつものベッドが並べられた病室のような部屋にいた。

その部屋にあるベッドの一つに、私は眠っていたらしい。


「あら、目が覚めたのね」

「……ここは……？」

「医務室ですよ。また、授業中に倒れたそうですね」


そう、私はまた授業中に倒れた。
いつも私の体調は最悪で、すぐに貧血を起こしたり、眩暈を起こしたりする。

昨日は、魔法薬の授業の時だ。


「珍しくスネイプ先生が駆け込んでくるものですから、驚きましたよ」

「ぇっ？」

「あなたを抱きかかえて、動揺の色を隠さずに来ましたからねえ……」


不思議そうに、それでいて珍しそうに話すマダム・ポンフリーは私の驚きの表情の意味に気づいていない。


「マダム・ポンフリー、頼まれた薬だ」

「ああ。ありがとうございます、スネイプ先生」


マダム・ポンフリーがスネイプ教授の手から薬が入ったビンを受け取ると、薬を片付けに奥へ行ってしまった。


「気分はどうかね？Ms.ヒレン」

「……まあまあ、です」

「あまり無理をして授業に出なくても良いと、我輩はこの間も言ったはずだが？」


確かに、先日も教授の授業中に倒れた。

その時は、危うく作り途中の魔法薬の鍋に倒れる所だったのだ。
そこを教授が間一髪のところで助けてくれた。