閉じた心

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主人公の名前
主人公の苗字
梟の名前

繰り返される想像せかい

同じセリフ

同じ動き

それはまるで

演劇のように

決められた物語

いつまでも

リプレイし続ける






「閉じた心」










私は、誰かに呼ばれた気がして、目が覚めた。


「おお、目が覚めたのじゃな」


目の前には、真っ白い長い髭をした白髪の老人。
珍しい半月型の金縁の眼鏡を掛けている。

瞳はスカイブルーのように青く、澄みきっている。
とても悪戯っぽく輝いて見えるのは、目の錯覚ではなさそうだ。


「……ここ、は?」

「医務室じゃ。君が禁じられた森に倒れているのを彼が見つけたのじゃ」


ベッドの私の足元辺りに立ってこちらを見下ろす、肩に付くかどうかぐらいの黒髪に昏い黒い瞳。
全身黒尽くめで、肌の白さが際立っている。

怖いほど無表情で、何を考えているのか読み取れない。


「……そう……なんです、か……」


何もかもが知らない世界。

私は一体、どうしてこうなったのだろう?


「さて、お主に一つ聞きたいことがある」


老人は、先ほどの悪戯っぽい光が輝いていた青い瞳を、鋭く私を射抜くように光らせる。
その目の光は、相手を警戒している目だ。


「なぜ、禁じられた森にいたのじゃ。ここの森は、勝手に外部から侵入することはできぬのにじゃ」

「……分かり、ませ、ん。わた、し………私、さっきまで……ついさっきまで、家で本を読んでいたはずなんです。なのに……」


訳がわからない。
どうしてこんな所にいるのか。

場面の急な展開についていけない。


「ふむ……。それは、不思議な話じゃのう……」

「……校長、こやつの話を信じるのですか?」


黙って、私と老人を見ていた黒尽くめの男が始めて口を開いた。

男に校長と呼ばれた老人は、男の言葉に対して眉間に皺を寄せる。


「何じゃ、セブルス。こんなか弱い女の子が、自ら進んで危険が多い森に入ると思うのかのう?それに、杖も持っておらんかったじゃろう?」


何やら最もらしい事を言われた、校長にセブルスと呼ばれた男は、眉間の皺をさらに深くして、また黙り込んでしまう。


「おお、そうじゃ。お主の名前を聞いておらんかったのう。名前はなんと言うのじゃね?」

「……アスカです。アスカヒレン

アスカか。いい名じゃのう」


ニコニコと笑う校長に、先ほどの警戒心は消えていた。
その代わり、またあの悪戯っぽさが目に現れている。
 
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