8 がんがん
――
「…そうだったのね。四宮さん、ごめんなさいね。」
あの後、左東先生が勇ちゃん先生に電話してくださり、私が悩んでいることすべて話してくれた。
いまは勇ちゃん先生に呼び出されて職員室にいます。
「いえ、そんな。勇ちゃん先生が謝ることではないですよ。」
「いや、本当に気づかなくて申し訳ないわ。しかも、四宮さんだけじゃなくて、山原さんまで。」
そうなのだ、私はともかく
山原さんまで被害にあっている。
それが、どうしても嫌なんです。
山原さんは明るく振る舞ってくれているけれど、誰だってあんなことされたら嫌なものだ。
「なんとかしなきゃね。分かった。絶対なんとかするから安心して!いまはこの状況が続くかもしれないけど我慢できる?」
勇ちゃん先生の両手が私の両肩の上にぽんっと置かれた。
勇ちゃん先生の眼差しはいつでもまっすぐ、信用できる目。
私はその目をまっすぐ見て、
「大丈夫です」
と覚悟を決めた。