7 どんどん
私は診察室に入り、今日、学校であった出来事をやっぱり言うことにした。
先生はうなずきながら真剣な眼差しで話を聞いてくれていた。
そしてすべてを話し終えたとき少し、スッキリした。
先生は
「…それは大変でしたね。
波さんに怪我がなくて本当に良かった。」
と私の心配をしてくれた。
大変なのは山原さんなのに。
「私なんかどうでもいいんです!山原さんが大変なんです!」
「どうでもよくないです。」
先生はピシャリと言った。
「波さんだって辛い目にあっているんです。それは同じでしょう?」
その言葉をきいて
なんだかホロリと涙がでてきた。
「あれ?私…なんで…泣いて…」
目を腕でゴシゴシふく。
私の涙をみた先生は
慌てふためいていた。
「あっ。すみません。別に波さんを泣かせようとした訳ではなくて……。その…波さんのことになると…どうしても…気になるっていうか…その」