6 てるてる
―帰り道
私は山原さんと一緒に帰っている。
「ふわぁあ~。今日も学校、長かったな~。」
「そうですね。」
もう空がオレンジ色に染まっている。
そういえば、
あの青木くんになにかお礼をしなければ…
なにがいいのかな…
そんなことを考えていたら
山原さんが
「ねぇ、波ちゃんさ、今日、波ちゃんを助けた 青木って奴どう思った?」
と言った。
…え?
と思ったけどすぐに答えた。
「えっと、普通に良い少年だと思いましたよ?」
と返事をすると
山原さんは何か考えた様子でいた。
しばらくして
「まぁ、いっか!気のせいだろうし!」
と独り言のように言って
その話は終わった。