4 どきどき
衝撃的だった。
だから、あのとき
暗い顔をしたのか。
見間違いではなかったようだ。
「…………。」
「ごめんね。暗くしちゃったみたい。やめよっか、この話。」
黙り込んだ僕に気を使ったみたいだ。
「いや 続けて。」
波さんのことが知れるチャンスかもしれない。
「………四宮さんその時
中学生くらいだったらしいんだけど。
お父さん、お母さん、弟の四人で仲良く暮らしていたそうよ。
弟といっても孤児院で引き取った子らしいんだけど。
その子が、まあ、精神的な理由で四宮さんのご両親を殺しちゃったわけ。
その現場に四宮さんもいたんだそうなんだけど
そのときに左手をなくしたらしいわ。
なんで切り落とされたのかは本人しかわからないけどね。」