4 どきどき
―最寄りの公園のベンチ
「勇気は確か、教師になったんだっけ?」
「そうよー。高校の教師になったのよ。なんと今年は念願のクラス担任!」
やはり勇気は相変わらず
女口調でいた。
そこだけは高校時代とは変わらないな。
「ところで修ちゃん。あんな場所でなにしてたの?」
「え、あーうん、煙草?」
「煙草?修ちゃん確か、医者になってからは止めたんじゃなかったっけ?」
物覚えいいな…こいつ…
「なんか急に吸いたくなったんだよ。」
「えー。駄目よ。体に悪いんだから。…本当は違う用事なんじゃないの。」
勇気はいつもカンがいい。
「そんなことない。煙草が吸いたかっただけだよ。」
「嘘よー。修ちゃん、煙草吸うときいつも何かあったときだもん。」
カンが鋭い。