4 どきどき
しばらくして
波さんは カイロ をもってきた。
…え ? カイロ ?
目が丸くなった。
確か…波さんは上着を持ってくる予定だった…はず。
「波さん…これは…」
「…カイロです。上着…私のサイズじゃ合わないかなと思ったので…」
波さんの上着!!!!
すごく着たいです!!!!いますぐ持ってきてください!!!!
とは、声には出さず
「そうですか…じゃあ、ありがたくいただきます。」
といった。
…………
無言がつづく。
そんななか最初の一言をきりだしたのは 波さんだった。
「…あの !」
「はい!なんでしょうか!」
やっぱり
リビングに入ってください
などと言うのかと思っていたのだが
全然違う言葉だった。
「私の手を返してください!!!!」
あ、 ですよね。