8 がんがん
ー キーンコーンカーンコーン………
授業終了の合図が鳴った。
もう、その頃にはクラス全員が
なにかしらの役、係に配属されていた。
調理係か。
ほんとによかったのかなぁ。、
そう、思っていたら、
肩をぽんっと叩かれた。
「ごめんね~~。勝手に調理係指名しちゃってさ~!四宮さん、料理上手そうな感じだったからさ~、つい!」
植村さんだった。
「いや、あの、むしろ、私に調理係させていただいてありがとうございます。私なんかには雑用とかがお似合いだと思うのに……。植村さん、気を遣ってくださって……」
「いやいや、暗すぎ暗すぎ!もっと、自分に自信持ちなよ!
てかさ~~、その植村さんって呼び方やめてくんない?」
………はい?
「あたし、みんなに桃って呼ばれてるから、桃って呼んでほしいんだけど………」
「えっ、でも、恐れ多いですよ」
「いやいや、同い年でしょ~?じゃあ、あたしも波って呼ぶから、桃って呼んで!ほらっ!」
クラスメートを呼び捨てだなんて………!
まだ、山原さんでさえ、『山原さん』なのに!
すごく呼びづらい。
だけど、覚悟を決めよう。
「う……………………桃………………………
ちゃん」
これが今の私の精一杯だ。
「ちゃん付けかい!まあ、いいけどね~!じゃっ、波、調理係よろしくね!今度、メニューとか考えといて~~」
と言い、教室からでていった。