月白に苛まれて
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「そろそろこっちも疲れてんで、さっさと吐いちまってくだせぇ」
ダルそうに椅子に体重をかけながらそう呟く若い男。
ひどい一言を言ってしまった自覚はある。
あのあと山崎さんは何も言わずに去っていって、代わりにとやってきた数時間ぶりの男に連れられ何度目かの取り調べ室の扉を通った。
「女は黙ってりゃあ何とかなるなんて思ってんなら大間違いですぜ」
男の言葉を聞き流しながら、このままだとどうなってしまうんだろうと考えた。
こういうのは確か拘束時間なるものがあったように思うけど、この世界ではどうなんだろう。
解放されたとしても行く場所もなければお金も頼れる人物もいない。
土地勘もない、職場もない、家も。
本当に何一つ私には残っていなかった。
ならいっそ、起きたこと全てを話してみるのもありなのでは。
働きの悪い頭を使いながらぼんやりとそう思い浮かべた。
何も信じてもらえないなら今更、事故で死んだと思ったら知らない世界に来ていました、なんてネジが外れたようなバカげてる事を言い出したって大して変わりはしないだろうと。
