第5話 ドリンクは青春の味
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「それで、ボトルがここにしまってあって…籠はここのを使用してください。」
「うんうん、可愛いね。」
「あのー…蒼さん?」
「何してるんですか?」
「動画撮影。」
「なんでですか。」
第5話 ドリンクは青春の味
早速マネージャーの仕事を教えてもらってるわけなんだけど、講師は買って出てくれた長太郎。
で、色々教えてくれるのに動画撮影をしてる私。
…いや、動画の方が後からでもわかりやすいし、家で長太郎をゆっくり眺められるからとか、そういうやましい気持ちでは決してないからね、決して!
「後で見返したとき動画の方がわかりやすいじゃん?ほら、続けて続けて!」
「あ、はい。タオルはここに入ってますので、洗濯が終わったらまたここへ補充いただいてって感じです。説明は大体そんな感じですが…あとはわからなかったらいつでも聞いてください。」
「ありがとね、長太郎。」
「いえ、これくらいなんでもないですよ。それに、少し強引に誘ってしまったと思うので、本当に困ったらすぐ言ってくださいね、」
下がり眉でそう言う長太郎が、可愛すぎて可愛すぎて可愛いすぎて食べてしまいたい。
「いんや、別にマネージャーになるのは全然いいんだけどさ。どっちかというと、異世界人の私をよくすんなり受け入れてくれたなーっていう気持ちよ。」
めちゃくちゃ漫画の世界だって話したし、みんなからすれば知らない怪しい異世界人な訳だもんな。
なのにマネージャーにしようとか、正直とち狂ってるのかとも思うよね。
憧れだった王子様たちが、すんなり受け入れて、まぁ役に立つかはわからないけど仲良くしてくれようとして、私としては凄く嬉しいよね。
「そんな、姿形同じ普通の人間なのに、受け入れるも受け入れないもないじゃないですか!勿論空から降ってきた時はびっくりしましたけど…」
「長太郎は優しいのね。ありがとう、嬉しいよ。」
「困ったら部活以外でも頼ってくださいね。」
ずっきゅーん♡
長太郎が王子様すぎて心臓が逝ってよしするとこだったわ…
というか、若といい、私みんなといたら心臓何個あっても足りないのでは…?
「ありがとう…結婚相手に困ったら頼らせてね…。」
「えっ?!」
長太郎が真っ赤になったところで跡部がそろそろ戻ってこいと水を差したので渋々別れることに。
あぁ…遠距離恋愛ってこんな気持ちなのかな
それとも彦星と織姫?私たちを引き裂く天の川は跡部ね、けっ!
まぁとにかく、初日だし、仕事しますか!
しかし、ただドリンク作るだけなのは楽しくないもんね…フフフフ…
「みんなお待たせー!」
「まぁ、初仕事にしては悪くねぇタイムじゃねーの?」
ドリンクとタオルの入った籠を運んでコートまで向かえば、お疲れーとみんなが迎えてくれた。
この俺様ホクロ小言星人を除いてね。
ほら、樺地なんて「持ちます…」って籠を一つひょいっともらってくれたのに、なんだこの小姑みたいな奴。
いや樺ちゃんはまじ天使まじ王子様。
でもピュアすぎる故に押し倒してはいけないと本能が言っている…!!
「夢見るホクロはちょっとは樺ちゃんを見習えや。」
「あーん?だからその夢見るホクロっていうのはなんなんだ。」
流石にキャラソンの概念はないのか、カラオケに引っ張って歌ってもらおうかと思ったのに。
「跡部景吾のここのホクロの事だよ。」
あと3センチ近づいたら〜な距離までずいっと近づいて、チャームポイントな泣きボクロを指し示してやると、彼はニヤリとした笑みを浮かべているではないか。
何を企んでるんだ、嫌な予感しかしない。
「蒼、お前本当に俺様の事なんとも思ってねぇんだな。」
手首を掴まれ、アイスブルーの瞳で見つめられる。
いや、好みじゃないだけで顔はいいんだよ。
だから照れちゃうしやめていただきたい。
「だったらなにさ。」
「おもしれぇ女だ。退屈しねぇ。」
「そりゃどーも。」
解放された腕で籠を持ち直して、ドリンクを置けるベンチまで逃げるように歩く。
また心臓止まるかと思ったよ
ビジュがいいとはまさにこの事。
ちょっと悔しいじゃんね。
「大丈夫?景吾くんに絡まれてたでしょ?」
「萩之介〜」
ドサっと籠を置いて、ハギーに抱きついたら頭をよしよししてくれた。
おかん…(違)
「なんでみんな顔がいいんだろうね。」
「流石にそれはちょっとわからないねー。」
「みんな顔が良くてズルい。」
「蒼も綺麗な顔してるじゃない。」
「キミたちは顔の良さの次元が違うんだよ。」
みんなすっぴんじゃんね。
こっちは朝から化粧して登校してるっていうのにさ。
ぐすん。
「なー蒼、ドリンクもらってっていいか?」
岳人に声をかけられて、思い出した。
「ちょいまち!!はいみんな整列!!!!」
「整列?どないしたん蒼。」
といいつつもみんなワラワラと集まってきた。
ええ子達だな。
「まず長太郎くん前へ!」
「は、はい!」
「さっきはありがとね。」
「あ、ありがとうございます!」
ドリンクとタオルを手渡すと、ちょっと照れてるのか、肩を竦めて小さくなってぺこりと頭を下げる。
はい可愛い!!!!
「残りのみんなは好きなのを取るといいよ、今日は初日だからね、張り切ってロシアンドリンクルーレットにしてみました⭐︎」
「えっ、何入ってるんですか。」
「長太郎のは普通の美味しいドリンクだよ。さっきのお礼だし。」
「ほなら、他のは…」
「大体普通のドリンクだよ?2つ程当たりが有るけど。」
あからさまに嫌そうな顔をする宍戸やがっくん。
精一杯作ったのに酷いわ(どっちが)
「誰も取らないならいただきますよ。」
「よ!若!いらっしゃい!」
スッと手を伸ばし選んだのは…?!
「…普通ですね。美味しいです。」
「みんなも早く取らないと確率上がるよ?」
各々ドリンクに手を伸ばしていく、さて、当たりは誰の手に?!
「あんまっっっ!!!!なんやこれ…」
「あ、おめでとう侑士。はちみつです。」
パチパチと拍手を贈ってみる。
「運動部への差し入れといえばレモンの蜂蜜漬けが定番かなって思ったから、1つは蜂蜜、1つはレモン100%果汁のご用意になっておりまーす!」
「せやなぁ、確かに定番や…ってなんで分けとんねん。」
「でた!ノリツッコミ!」
「しかし口ん中甘くて敵わんわ…余計に喉渇いた気がするんやけど…。」
うぇ…と言いながら明らかにテンションの落ちる侑士を見かねたのか、岳人が普通のドリンクであったであろうボトルを飲むか?と差し出す。
そして、おおきにと受け取り…飲んだ。
飲んだ?!飲みましたね?!
「間接キッッッス!!!!」
2人、そんな関係だったのね…
シャラララ…素敵にキッス…(?)
「いや、回し飲みくらいすんだろ。しかもまだ俺口つけてねーし。」
なんだ残念(?)
「忍足、どうした固まって。」
跡部がそういうので侑士に向き直ってみれば、目をギュッと瞑って、若干プルプル震えている。
まさか…
「すっっっっぱっ!!」
「おお〜!1人でふたつ引き当てるなんてやるねー!」
思わず賞賛の拍手を送る。
酸っぱすぎたのか薄ら涙を浮かべている気もするけど。
愉快愉快。
「どう?青春の味する?」
「確かに、ファーストキッスはレモンの味言うもんなぁ…」
「侑士きめぇ。」
考えこむ侑士に対して岳人がかいしんのいちげき!
なんかすごいショック受けてるし。ウケる〜
「はー楽しかった。」
「もう二度とすんじゃねぇぞ。」
「多分ね!」
To be continued…
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