バクテン!!
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栗駒ちゃんが。
あの無表情というか、常に動じないあの栗駒ちゃんが、無表情だけど私に圧をかける。背後に漫画ならゴゴゴゴゴッて字が見えてきそう。
「その歯型、なに」
圧がかけられているだけで精一杯の私だけど、栗駒ちゃんが怒っているのだけは分かった。
「な…に、と言われても……」
何故付いたのかなんて、理由を知っているであろう栗駒ちゃんに素直に答えたら火に油を注ぐことになるなんて、この時の私はいっぱいいっぱいで分からなかった。
私は、亘理君と付き合ってる。
栗駒ちゃんに背を押され、私の猛プッシュ(だと思ってる)で折れてくれて付き合ってくれている亘理君は、興奮とか、いわゆる愛情が最高潮に達すると。
噛むのだ。
甘噛みとかじゃない。歯型がくっきり残るぐらいガッチリ噛む。最初、もちろん私も嫌われたとか、理由が分からなくて何でと思ってボロボロ泣いたりしたけど、亘理君が話してくれた。
話してくれたときも戸惑ったけど、それが彼の愛情表現のひとつなのかと思うと納得できた。
そして、昨日。
後ろから亘理君が抱き締めてくれて、嬉しくて。
「亘理君、暖かいね」
「そ、そうか?」
「うん」
亘理君はあまりこうやってイチャイチャはしてくれないし、なかなかスキンシップもしてくれない。だから二人きりの時も私が隣に座って寄りかかるのが精一杯だったのに。昨日は栗駒ちゃんに頼まれていた事をしていたら、後ろから抱き締められた。初めて亘理君からのスキンシップに嬉しくて。
亘理君に少しもたれかかりながら、こう言ったのだ。
「亘理君が抱き締めてくれるの、嬉しい」
………、亘理君からは反応がなかった。
もしかして私、やらかした?
私を抱き締める腕は離さまいと力が入っていて、私はなす術なく抱き締められていた。すると、亘理君はポスンと私の肩口に顔を埋めた。
どうしたんだろう、亘理君…。
もしかして、私の言葉が嬉しいとか?
いや、まさかね。でも、そうだったら嬉しいなぁ…。
なんて思いながら、亘理君の私の肩口に埋めた頭に頬擦りした。
そして、次の瞬間。
ガブッとそんな音が聞こえたかのような、鋭い痛みが肩に走った。
痛みにびっくりして、ビクンッと体が跳ねた。
そして、あぁ亘理君は嬉しいんだ、と思った。見た目や言葉遣いや趣向からなかなか愛情表現してくれなくて最初は不安だった。だけど、身体に傷は出来るけどそれでも愛情表現してくれる今の方が私は好きだ。
でも、
「亘理君、亘理く、ん」
ちょっと、痛い。
そう伝えると亘理君は、はっと我に返って私を放して離れた。その頬は少し紅潮していたけど、私の肩に残された噛み跡を見て、青ざめた。
「わ、るい……!俺……!!」
見る見る青くなっていく亘理君に、私は今度は正面から抱きついてみた。
「バ、カッまた…!」
「亘理君、大好き」
「〜〜〜〜〜ッッッ!!」
俺も大好きだ。
そう言うかのように、亘理君は私を強く強く抱き締めてくれた。
と、昨日の事を話すと栗駒ちゃんはどこか呆れたような溜息を吐いた。今日は体育がなくて良かったと安心していたけどそうだ、部活で着替える時に栗駒ちゃんに見られるかもって考えるべきだった。
「DVだったら、懲らしめようかと思ったけど…」
そう言って栗駒ちゃんは上着のファスナーを上げた。
「幸せなら良い」
「栗駒ちゃん…」
私、友人に恵まれ過ぎじゃない…?
「キスマークよりは全然良い」
「キッ……!!!」
顔が一気に熱くなった。
そんな私を栗駒ちゃんは「隙あり」と言ってパシャっと着替え途中の私の写真を撮った。
