バクテン!!
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幼い頃やってきた同い年の陸奥君は、幼い頃から私を子供扱いする。
私はそれが。
とても、とても!
気に入らない!
だって、私達同い年で(そりゃあ陸奥君に比べれば私はまだ子供っぽいかも知れないけど)、私は子供じゃないのに。
「ほら、転んだら危ないから」
そう言って陸奥君は振り返ると私に手を差し出してくる。今日も相変わらず寒くて。道が凍ってるから危ないと陸奥君はそう言っていた。そんな私と陸奥君をもう一人の同い年、高瀬君がじと…とした目で見てくる。
幼い頃から私達は一緒で、先を歩く陸奥君と高瀬君を追いかけ、二人の間に収まる私という構図がいつもの光景だ。
「………」
これ以上遅くなると高瀬君が何か言ってくるから仕方ない、とムッとしながら陸奥君の手を取って歩き出した。
これでいいの?
(違うもん)
(違うもん)
ねぇ、陸奥君。
私、まだ君から見て妹のようにしか見えないの?
私は君の特別になりたいのに…。
何時になったら、私は…。
モヤモヤした気持ちを何とかしたくて、大きく息を吸って、吐き出すと白い息がフワッと溢れた。白い息と一緒にこの独りよがりな気持ちも全部吐き出して、無くなっちゃえばいいのに…。
陸奥君は昔から後ろを歩く私を気にかけて手を差し伸ばして、手を繋いでくれた。最初の頃はおいていかれずに済むと思って嬉しかった。成長して恋心を抱くようになって、それでもこうやって手を繋いでくれて嬉しかった。でもある日、未だに手を引いてくれる陸奥君と私を見た同級生が、笑った。
「メイデン、子供じゃないんだから」
悪意はないと、思う。
でも、私の胸にグサリと刺さる何かがあった。
そうだ、陸奥君は私を好きで手を繋いでくれてるわけじゃない。あくまで、幼い頃後ろから追いかけてくる”子供"のような幼馴染を引っ張っていくためで…。
そう理解すると頭をガツンッと殴られた気分だった。陸奥君は足を止めてその同級生達に何か言いたそうだったけど、その時たまたま急いでいたから何も言わず私を引き連れて行ってしまった。
「はぁあ〜………」
大きな溜息を吐いて、じゅっとパックのジュースを飲んだ。そんな私を近くで見ていた高瀬君は呆れたような顔で同じくジュースを飲んだ。
「溜息吐くぐらいなら陸奥に言いたい事言え」
「分かってる。分かってるけど、さぁ…」
先程まで陸奥君も一緒にいたけど、先生に呼ばれて少し席を外している。
「高瀬君…。私、子供っぽいかな…」
「はぁ?」
そんな反応しなくても…。
更に呆れたような顔で私を見てくる高瀬君。そりゃあ男子新体操部で身体ムキムキで身長も高い二人に比べれば私なんて端から見れば子供っぽく見えるかもしれないけどさぁ…。
でも、同い年だって分かってる陸奥君にまで子供扱いされると…、悲しくなってくる。
「何でそんなこと聞く」
「だって、陸奥君…。私の事…、子供扱いするじゃん」
今日だって高瀬君も見てたじゃん。転んだら危ないからって言って…。
そう伝えると、高瀬君は今まで見たことない呆れ顔をされてしまった。
何で相談してるのに呆れられてるんだろ…、私…。
「あれは子供扱いじゃなくて、」
「ただいま」
高瀬君の言葉は帰ってきた陸奥君によって遮られてしまった。
「高瀬、監督が呼んでたよ」
「おう、ちょっと行って来る」
そう言って今度は高瀬君が言ってしまった。
私と陸奥君の間に、沈黙が流れたが、陸奥君のクツクツと抑えた笑い声が聞こえてきた。
「なるほど、最近不機嫌そうだなって思ってたら、僕がメイデンを子供扱いしてるって思ってたんだ?」
……、陸奥君。立ち聞きしてたな。
「だって本当でしょ、子供扱いしてるの」
「違う」
そう言って陸奥君は私の目の前に来ると、ズイッと顔を近付けてきた。
「僕は、君を子供扱いなんて一度もしたことないよ」
いつも弧を描いている目が少し開いて、私をその瞳に映した。
「特別扱いはしてたけどね」
特別、扱い…。
顔を離して腕を組んだ陸奥君は不服そうな声を上げながら少し上を見上げた。
「だってメイデン、全然気付いてくれないから随分焦ったよ。なのに、子供扱いと勘違いしてるとはね…」
特別、扱い…。
「陸奥君、」
顔が、熱い。
望んでいたことなのに。
恥ずかしさとか、嬉しさが込み上げてきて。
陸奥君の服の裾を摘んでクイッと引っ張りながら陸奥君を見上げると、陸奥君は満足そうに、嬉しそうに笑った。
