バクテン!!
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築館君は格好いいし、性格もとても良い。頭だって良いし、運動ももちろん出来る。知り合いだった頃から自慢の出来る友人だったけど、こうやって付き合うようになってからだって自慢の彼氏だ。
でも、私(あと新体操部の皆)以外、他の皆は知らない事がある。
それは、築館君が、めちゃくちゃ食べるということだ。
いや、別にたくさん食べるのは今の育ち盛りの高校生なら当たり前かもしれないけど。でも私だって食べるの好きだから結構食べてるつもりだけど、それを上回る量を事も無げに食べてるから。そう思ってしまった。
更に全然太らないから羨ましい…。
今日は練習も休みで、テスト前でもないからデートしようという話になって一緒に出掛けたけど。
……、この店、バイキングで食べ放題やってるから来たいとは思ってたけど、まさか築館君と一緒に来ることとなるとは思ってなかった。
私はちょっと休憩と思いながら目の前で恐ろしい量の皿を次々に平らげていく築館君を見ながら、凄いを通り越して恐怖すら感じてしまう。
……、築館君の胃袋はいつからブラックホールになったんだろう。
ぼんやりとそんなことを思っていると、築館君は更に残っていた最後の一口をパクンッと美味しそうに口に放り込んだ。
築館君、物凄い量を食べるんだけどそれでも美味しそうに食べるんだよねぇ…。今だってそう。もう、普通お腹いっぱいになってくればこんな美味しそうに食べるなんて表情、普通出来ない。
「どうした?」
築館君が不思議そうに私を見ながらそう言ってくる。いや、物凄い量を食べているところを見られていることは、今更気にはしてないんだろう。まぁ私も今更そんなことは気にしてないけど。
「築館君が、美味しそうに食べてるなぁ…って思って…」
そう言うと築館君はきょとんとして、照れ臭そうに笑った。
「そんな顔してたか?じっと見られてたから、ちょっと恥ずかしいな…」
……、うん。恋愛漫画とか、ドラマとかなら築館君の今の反応は確実にヒロインの反応だよなぁ…。可愛いもん。
「まぁ、美味しいしな。ここのお店」
「そうだね」
そう言いながら私はドリンクを少し飲んだ。
「築館君って結構食べるよね?」
「そうか?いつもこれぐらい食べてるから、結構って量がよく分からないけど…」
それでいて筋肉のついたその肉体を維持してるんだ…、新体操部って凄い運動量なんだなぁ…。
そんなことを思いながらぼんやりとしていると、ふと昨日友人との昼食のひとときを思い出した。別に学校で昼食をとるときは友人と食べてるからそんな思い起こすようなことはないんだけど。ちょうど昨日はある話題の話をしていたから、思い出したのだ。
それは、食欲と性欲は結び付いている、とその(恋人持ちの)友人が言っていたのだ。
つまり、食欲が旺盛な人は性欲も旺盛だと言いたいわけか、友人よ。
いやいやいやいや、よく見てよ。私の恋人である築館君を。
確かに食欲は人より旺盛かもしれないけど、性欲への興味なんて微塵も見せない…。まるで妖精…、フェアリーのようじゃないか…!さっきの照れ臭そうに笑った顔で、築館君がコウノトリが赤ちゃんを運んで来るって言ったら、私はその夢を壊さないために嘘を演じきって見せる自信がある。いや、もしかしたら築館君は本当にそう思っているのかもしれない…!ピュアでフェアリーな築館君を、私は守る!
うんうん、と一人で納得しているといつの間にかデザートを取りに行っていたのか可愛らしいケーキを綺麗に盛り付けた築館君が戻ってきた。
意外だ。築館君って和菓子のイメージがあったけど、洋菓子とかも食べるんだ…。
というかケーキ美味しそう…。私も持ってこようかなぁ…。なんて思いながら席を立とうとした。
「ほら、あーん」
…、え。
築館君はにこにこ笑いながら私に一口サイズにしたケーキを一切れ差し出していた。
「つ、築館君…?」
「君は俺が美味しそう食べてるとこ見たんだから、俺も君が美味しそうに食べてるとこ見たいな」
はぁ…。
よく分からないが、差し出されたケーキを無下にするという選択肢は私の中には存在しない。私は差し出されたケーキを、パクンッと食べた。今までしょっぱいものとかを主に食べてたから甘いものがすごく美味しく感じた。
「美味しい…!」
つい、そう溢してしまう。
築館君は満足そうに笑うと、今度は自分の口にケーキを運んだ。
「君が幸せそうに食べてるの見ると、本当に美味しいんだなぁって思うよ」
「え……、そんな顔してた…?」
そう言うと築館君はふふっと笑いながら「あぁ、してるよ」と言った。
「だから、かな」
「ん?」
「時々、無性に君が食べたくなる時があるんだ」
………え、カニバリズム…?
にこにこ笑う築館君に私は何も言うことが出来ず同じように笑うことしか出来なかったが、ひきつった笑みしか私には出来なかった。
勿論、そんな意味じゃない事を知ることになるまで、あと…。
