バクテン!!
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私の中で高瀬君は"頼りになる幼馴染み"だと位置付けている。頼ると仕方ないな、と言いながら手伝ってくれる、優しくて頼りになる幼馴染み。だから私もついつい頼ってしまっていた。
でも、何で、だろう。
何故、こんなことをするのだろう…?
今日は珍しく高瀬君の様子がおかしかった。いつもなら笑ってくれるところで笑ってくれず、どこか苦しそうな表情。どうしたの?と聞いてもなんでもない、とつっぱねられる。それに対して私はそれ以上踏み込めず、取り敢えず様子だけ見ていた。そして、練習が終わり全員が帰って、珍しく陸奥君も先に帰した高瀬君に部室に呼ばれた。入るとどこか切羽詰まったような表情。どうしたんだろう、何かあったのだろうか、私じゃ頼りないだろうか…と思いながら何があったのか聞こうとすると棚の上にある道具箱に必要なものがあるか確認してくれと言われた。そんなことでそんな表情をするかな…、と疑問に思いながらも取り敢えず頼まれた事をしようと高瀬君に背を向けて道具箱に手を伸ばした。
次の瞬間。
いつの間に近づいてきたのか分からないが、後ろから強く強く、抱き締められた。
それにびっくりするがこの部屋にいるのは高瀬君と私だけ。落ち着け、落ち着け…、と自分を落ちつかせながら笑い飛ばした。
「どうしたの、高瀬君?何かいた?幽霊でもいた?」
そう声をかけるが高瀬君は無反応。そんなに怖いのがいたのかな。そんなことを思いながら取り敢えず抱き締められた腕をほどこうと手を伸ばすが男と女の力の差は歴然で、全然腕はほどけない。
「もう…、本当にどうし、」
そして、高瀬君の髪が私の頬に触れる。首元に触れる吐息と、チクンッとした感覚が走った。その感覚は今まで恋愛小説や漫画で表現されるそのままの感覚だった。勿論私たちはそんなことをする関係じゃない。
幼馴染みだ。
驚きで私は高瀬君から逃げようとしたが、高瀬君は力を緩めない。それどころか放さないというように私を更に強く苦しくない程度で抱き締めてくる。
怖い。
高瀬君に初めてその感情を抱いた。一縷の望みをかけて私は震えそうになる声で、言った。
「や、やだ…。高瀬君、誰と勘違いしてるの…?」
幼馴染みの私だよ?
そう言うとギリッと歯を噛み締める音がした。そして高瀬君は腕をほどいて私を乱暴にひっくり返すと、私を壁に追い詰めた。その表情は楽しんでいるわけでもなく、からかってるわけでもなく、ただただ、苦しそうだった。
「お前だッ……!」
「え、」
「勘違いもなにもしてない…!俺はお前にこうしたいって、そういう欲を持って傍にいたんだ…!」
その言葉に私は分からなくなった。
だって私たちはただの幼馴染みで…。
「幼馴染みなんて言葉で片付けるな…、俺とお前は男と女なんだよ…!」
頭をガツンッと金槌で殴られた気分だった。
男と女。
私はそんな風に高瀬君を見てなかったけど、高瀬君はずっと私を幼馴染みじゃなくて、一人の女としてずっと見ててくれたわけで…。そういう欲っていうのはきっとこれ以上の行為を指しているのだろう。今までずっと頼りになる幼馴染みの高瀬君は、私を幼馴染みじゃなくてそういう欲のはけ口の相手としか見てなかったわけで…。
そう理解すると、ざぁ…、と血の気が引いた。まるで信頼を裏切られたような気がした。初めて高瀬君に、逃れることの出来ない恐怖を抱いた。
よく漫画とかでみる体だけの関係とかそういう言葉が脳裏を掠める。私は高瀬君にそうとしか見てもらえてなかった…。ショックと恐怖で涙が浮かんだ。それを見た高瀬君は落ち着けるように一度目を瞑り、大きく息を吐いた。
「た、高瀬君は…、私を、欲のはけ口相手としか、見てなかったんだね…」
「…………は?」
怒ったような高瀬君の声。その声に私の体はびくりと跳ねた。今まで自分に向けられたこともないような声だった。でも、私の中で恐怖やらショックやら色々な負の感情が膨れ上がり爆発していた。
「だって、そうでしょ…。男女の関係って…」
「おまっ…!そうじゃねえ!俺が言いたいのは恋愛の方だ!!」
………今、高瀬君の口から一番似合わないような言葉が出た気がする。もしかして、高瀬君がいう男女の関係って、恋人とかの恋愛の方…?
………私、は…。
考えが噛み合ってなかった事と、自分がかなり的外れなことを考えていたことと、とても恥ずかしいことを考えていたことを思うと顔が熱くなった。それは高瀬君も一緒で想像してしまったのか、顔を少し赤らめている。
「なんか、ごめん…」
一つ謝って顔を俯ける。えっと、考えを修正しよう。
高瀬君は、高瀨くんと私は男と女(恋愛)で。高瀬君は抱き締めたりしたいっていうそういう欲を私を持っていて。
つまり、高瀬君は私を、
ぶわっと顔が更に熱くなるのを感じた。
つまり、高瀬君は私をす、す…好きってこと…で…。多分、私がいつまでも幼馴染みという関係に甘えていたから高瀬君はそれを脱したいと思って、さっきの行為に走ったってこと…?
チラッと高瀬君を見ると、高瀬君は「で、どうなんだ」というような表情をしてる。
いや、どうなんだと言われましても…!
「ちなみに俺はお前が想像したようなさっき以上の事もお前にしたいと思ってる」
「やっ、やめてよぉ…!」
恥ずかしくなってくるから…!
でも不思議と嫌だとか嫌悪感は浮かんでこなかった。キュッと制服のスカートを握り締め、恐る恐る顔を上げて高瀬君を見るとバチッと高瀬君と視線が合った。いつものことなのに、今は恥ずかしくてちょっと顔を逸らしてしまう。
そして、私は、高瀬君の言葉にこう答えた。
