rkrn長編
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僕は1年生と2年生の時、とっても大好きだったくのたまの先輩がいた。あの人は他のくのたまと違って優しくて、暖かくてまるで、僕が想像する姉上そのものだった。
そんな先輩が僕は大好きだった。それはもちろん、消息が分からなくなった今でも。気持ちは消えることはない。
「おーい、伊作。大丈夫かー?」
「留三郎…、大丈夫じゃないよ…」
元気にいるんだよ?
あんまり泣いちゃダメ。
痛かったね。
一緒に行こうか。
貴女からもらったたくさんの暖かい言葉は今でも胸の中にあります。
*****④*****
遊廓には情報が溢れてる。
絶好の諜報場だが、タソガレドキの情報はせいぜい戦の回数が増えた減った、忍組頭がカッコいいなど…、要らない情報ばかり。他の花魁達にも話を聞いたが忍組頭の話で持ち切り(最後には次来た時に抱かれるんだと威張られる始末)。
遊廓にいる女の子は私と同じくらいかそれより下ぐらいの女の子ばかり。その歳でもう快楽の虜になってしまっては永遠に抜け出せはしないと思う。
はっきり言って私は房術が苦手だ。くのたまの時もこれに関する実技は"良"止まり。ただ諜報に関した房術は"優"だった。だが私は初めてを奪われた時以来、脚を開かない。大体自分で調合した自白薬を飲ませ情報を聞き、あとは朝まで眠らせて客を帰す。それを今夜もしなくちゃいけないのかと思うと気が重かった先日。
どうやら運は私に向いている。
花魁達に有名な忍組頭が来たのだ。雑渡昆奈門。花魁達がたかり私を私をと言っている。そんな彼女達と雑渡と伴に来た諸泉尊奈門を遠巻きに眺める。変装して作った皮の上から化粧をしたせいか気持ち悪い。あぁ誰か抱かれないか。そうすれば聞けるのに…。そう思っていたら気配。掴まれそうになる。害を与えないようにスッと避けて振り返れば、……何故ここに…。
「私は君にしよう」
目元だけで、雑渡は笑った。
……前言撤回、運は私を見放した。
部屋に連れて行かれる。敷かれた布団。花魁には掟がある。顧客になって3回通って花魁に気に入られなければ客は花魁を抱けない。
が…。
今日で、3回目…。相手は忍組頭。自白薬を正直に飲んでくれるわけではないだろうし…、かといって抱かれるのは嫌だ。どうしたものか。チラッと見ると雑渡は包帯を取りながら私を見て微笑んだ。
「さぁ、3日目だよ」
36歳のくせにぃいッ……!!
何でそんなに盛りついているんだ!しかもいそいそ脱ぎ出してるし!もう構わない。相手が忍組頭だろうがなんだろうが絶対に自白させて眠らせる…!くの一に眠らされて抱けなくて赤っ恥かいてしまえ!!
「あぁ…、それとも、」
脱がして欲しいのかな。
耳元で囁かれる。
ゾッと寒気がした。
ハッとして避けると雑渡の手には、苦無。どうやらバレたようだ。
「タソガレドキの情報を探ってる遊女がいるって聞いて来てみれば、随分遊女らしくない娘だねぇ。どこのくの一?」
「答える義務は無い」
変装を解いて対峙する。布に巻かれた顔さえ見透かされているようなそんな目。つい、目を細めたが雑渡はキョトンとしてなぁんだ…と言った。
「忍術学園の番犬か」
「ッ…!?」
「驚いているのかい?伊作くんに聞きました」
善法寺…、情報を外部に漏らしちゃだめでしょ!!
「なら、良いや。どうせ竹を伐採してることが気になったんでしょ?」
「………」
「悪いけど、私達が今してるのは殿を迎え入れるため」
「………戦」
「まさか。まぁ、また会うだろうから、その時は」
可愛い素顔を見せてくれると嬉しいな。
また私の耳元で囁いて雑渡は包帯を直すと出て行った。戦ではない。じゃあ何を行って…。
「あぁ、それと」
障子から顔を覗かせながら雑渡は言った。
「うちの軍に来ない?それか私のお嫁さんに、」
「さっさと帰れ!!」
怒鳴りついでに手裏剣を投げておいた。
(あんな男…ッ、大嫌いだ大嫌いだ大嫌いだ大嫌いだ大嫌いだ大嫌いだ大嫌いぃい!!)(ふふふん♪)(…組頭、何か良い事あったんですか?)(あとは実力だよねぇ…、まぁダメだったら啼かせるまでだけど)