rkrn長編
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呆れてものが言えない…。
目の前には逆さ吊りにされながらふてくされてる鉢屋。
「全く、私が一体何をしたと言うんだ」
【覗き】
「良いじゃないか、人間生まれてきたときは皆裸だ!」
【だからといって正当化しないからな】
「…………ちっ」
舌打ちとは良い度胸だなぁ。
「大体、何で今日は狼が居るんだ」
【山本シナ先生から、覗きが多発しているから取り締まるようにと指示があった】
ついでに引っかかったのは鉢屋だけでなく、七松、竹谷などなど…。
「おほー、三郎も引っかかったのかー」
「八左ヱ門、お前もか。大体縄抜け出来ないのか?」
【縄抜け出来るものならして見ろ】
抜こうとすればするほど食い込む縄だ。下手をしたら腕に血が行かなくなり壊死、ということもあり得る。大体、縄抜けが出来たとしても着地地点から半径10m以内には罠だらけ。簡単には逃れられまい。それに縄を切ろうとしてもその縄は私の手製だ。鉄製の糸や針金も組み込んであるから苦無でも簡単には切れないぞ。
「やれやれ、まるで番人だな」
「確かに、ってか番人ってより、鬼?」
「確かにな!鬼…鬼婆じゃないか?」
婆って…、こいつら私が女だと知っているのか…。だとしたら、腕はなかなかのもの…。というか忘却薬作らなきゃ。
「違う違う。爺だ爺」
前言撤回。
ただの思春期の子みたい。
【怒車の術を使うならもう少し頭を使え】
「ちっ…」
「難しいな……」
そろそろ、くの一のお風呂の時間は終わりかな。シナ先生も入ったみたいだし、あとは私だけかな…。だからって3人を下ろすのはなぁ……、ん?そういえば、捕まえたときいけいけどんどんだとか言ってた七松が静か……。
「七松先輩、寝てるし…」
あぁ……、もう…。
「狼!一緒にー…、って八左ヱ門に三郎!七松先輩まで…」
「勘右衛門!良いところに!」
「下ろしてくれないか!?」
【今は仕置き中だ。手出しするな】
「あ、そうそう。狼、一緒にお風呂に入らない?」
…………、今なんて言った?
1番聞きたくなかった言葉が聞こえたような…。
【今なんて言った】
「ん?一緒にお風呂に入ろうって言っ、」
【諸君、今日の仕置きはここまでにする。金輪際、覗きは行わないこと。それではさらばだ】
紙を投げ捨てて駆け出す。
あ!逃げた!!と尾浜が叫んだ。逃げたくもなるよ!確かに私はくの一だけどみんなは私を男だと思ってるわけで、一緒にお風呂なんかに入ったらバレちゃうじゃん!
「狼!一緒にお風呂に入ろうよー!?」
出来るか!って叫べたらどれだけいいか…!仕方がない…、暫くは山の中の滝で身体を清めよう……。
「まさか滝で身体を洗おうなんて考えてないだろうね!?」
ギクッ…。
何でこんな時だけ鋭いんだろ……。
「あ!狼さんに勘右衛門くん!外出ですか?」
懐から外出届を出し、学園の門番と名高い小松田さんに投げつけると手裏剣のようにそれは壁に突き刺さった。マイペースな小松田さんはそれを受け取って受理しますねーと言ったけど尾浜はさすがに外出届は持ってないみたいで、追い回されてる。
「勘右衛門くん!外出届!!」
「わっ!?小松田さん!ちょっ…待って!後で出すから狼が……!」
私は門を飛び越えて山に向かった。
(一緒に入れるわけ、ないよねぇ…)(くぅん…)(愁もそうだよねぇ。ちゃんと見張っててよー)
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