rkrn
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は忍たまとの合同実習。私達最上級生のくの一は5年生の忍たまと組んで密書を奪うというもの。時間は日没から夜明けまで。編成は密書を奪う班と密書を守る班。でも、組んでるのはくの一と5年生だけじゃない。
くの一はどうしても数が少ない。だから半分は6年の忍たまもいる。
私は密書を奪う班、相方は久々知。ようやく見つけた相手は超武闘派な2人、小平太と鉢屋。あまりに分が悪い、けど私達にも時間がない。理由は背後にも悲しいことに敵が居るから。
留三郎と竹谷のところ。
私達の班は密書を持っていたが留三郎達のところは持ってなくて、狙われ。で、小平太と鉢屋がいたけど超武闘派な2人と戦って密書を取れる可能性が五分なら、女の私のところから…という考えだと思う(アヒルバカが!)
「なんか楽しそうだから私も混ざるぞ!」
「……小平太潰す」
とか言っても小平太に勝てた事なんて1回や2回だけど…。
「梓季先輩、」
トンッと背中合わせ。久々知の体温を感じた。多分、久々知も不安だと思う。だったら、先輩である私がどうにかしないと。学園一と歌われる調薬師なめんなよ。
「うりゃっ」
地面に私が調合した薬物弾を投げつけ破裂させると周りが真っ白になった。私と久々知はマスクをして高く飛び上がると留三郎と小平太は気付いたのか追いかけてこようとする。でも遅い。私は第2発目の薬物弾を投げた。1発目と2発目は化学反応を見せ、色が変わる。
強力な痺れ薬と睡眠薬の出来上がり!
2人も多少なりとも吸ってたみたいで体内で化学反応を起こして痺れがしたのかパタリと倒れた。
「梓季…!てめ……!」
「密書もーらい」
小平太の隠していた場所から密書を奪って追われないような場所まで駆け出して夜明けを待った。
その結果。
「合格」
よし。
ガッツポーズ。
そういえば今回も久々知とあんまり話さなかった…。最初の挨拶と、あの時私を呼んだ時だけ…。久々知はくのたまの中でも結構有名だ。豆腐小僧ってのもあるけど、やっぱり顔が整ってるし、睫も長いし優しいから人気がある。それだけ良い噂があるんだから付き合ってる子が居るわけでも無さそうだし、愛想が良いってわけでも無さそうだしなぁ……。
「久々知、今回もありがとう。お疲れ様」
「………どうも」
そう言って久々知は行っちゃった…。うーん、今の子はあぁいった無愛想でクールでミステリアスな子が好きなのかなぁ…。どうも読めないなぁ。
覆面を外して空を見上げるとまだ夜が深い事が改めて分かった。
「梓季」
「仙蔵、確か審判だったよね?」
「あぁ、珍しく小平太と留三郎が不合格だったから、なるほどな。お前じゃ相性が悪い」
「あははー。誉めても今は痺れ薬しか出ないよ」
「だが、私だったら変わっていたかもな」
「そうかもね。それに、やっぱり相方もあるんじゃないかねぇ」
「……どういう事だ」
「実はさ、久々知と組むの今回が初めてじゃないんだー」
下級生と組む実習は、ずっと久々知と。しいて言うなら私が2年の時から。運が良いのか……。初めて組んだときも今日みたいにまともな会話はなかった。それが毎回毎回…。もう慣れたから良いけど。
「成績のために同じ相手と組むかなぁ…」
「……久々知が成績のため…?私にはそんな風には……ん…?あぁ、……なるほどな。取り敢えず飯を食べに行こう、そうだ。今日は私達と食べないか?」
「別に、良いけど…」
仙蔵、なんか企んでるな…。しかもなんか違う方見てるし。はぁ、取り敢えずみんなまだかなぁ…。………あ。
「やば、」
「どうした?」
「あの調合した薬物、片っぽの薬物が無くならない限り効力が…」
「おい梓季ーーッ!さっさと解毒に来いぃいいッ!」
留三郎の怒鳴り声。
はぁ、まだあそこに居るのかな…。でも声帯が随分痺れが無くなってるし…、いや、5年生はまともに吸っちゃったんだっけ…。
「仙蔵、」
「もうアイツらだけだからな。行っても良いぞ」
「ありがと!」
解毒しに行ったら何でもっと早く来なかったんだと怒られた。何も怒らなくても良いじゃない…。
―――――
「え、肝試し…」
「あはははは!梓季、くの一の腕は良いのにお化け怖いもんね!」
「まぁ参加は自由だって言ってたし、無理に参加しなくて良いって忍たまが言ってたよ」
「でも忍たまは高学年の、しかも5、6年だけ参加だよ?いい男揃いじゃん!」
顔目当てかい……。
「あー、なら私パ、」
「貴様は強制参加だ」
この有無を言わせない高圧的な言い方は…!
「仙蔵!」
「参加をする者は裏々々山に集合だ。そこで2人1組に分ける」
「どうやって?」
「今からくじを引いてもらう。自分が引いたくじの色を覚えて、裏々々山に着いたとき同じ色のくじの者とペアになる」
なるほどなー…。
じゃあ私も、くじを、
「ぐぇっ」
「梓季、貴様は私とだ」
「はぁ!?意味分かんない!」
「だから貴様と私は強制的にペアだ」
いや、そういう意味じゃなくて…。
「良いじゃない。お化け嫌いの梓季なら頼り放題よ?」
「いやー…、頼る前に殺されそ、」
「そうか、1人が良いか」
「わーい!仙蔵様とペアになれてウレシイナー」
出来ればその右手に持つ焙烙火矢は懐にしまってお願いだから!
というわけで、夜に裏々々山に来たけど、なんかピリピリしてるなぁ…。あ、分かった。好きな子と一緒になったら告白する気だな…。うーん、青春!
「じゃあ、まずは私と梓季から行く」
「えー…、私最初は…」
「何だ、1人がそんなに良いなら1番最初の犠牲者に、」
「仙蔵、私1番がイイナー!」
悪魔め!
畜生、真っ暗で怖いんだけど…!
出発したは良いけどもう、マジ怖いんですけど!寒いし!鳥目じゃないけど…、真っ暗でよく見えないしぃいいッ!
「せ、仙蔵さーん…。提案」
「なんだ」
「腕に抱きついて良いっすか…?」
「そんな凹凸も無いような身体で私に色仕掛けでもする気か?今すぐ私に謝れ」
お前が謝れ。
まぁ何だかんだ言って仙蔵は抱きつかせてくれたけど。
「で、どうだ」
「何が」
「久々知以外と組んでみて、だ」
……あぁ、そういうこと。私はてっきり腕の抱き心地かと。
「別に変わらないよ。だって、相手が変わってあたふたしてるようじゃ忍者失格だし」
「………貴様、見なかったのか?」
「何が」
「出発するときの久々知の顔を」
「見てない、けど…」
何かあったのかな。
………ん?なんか凄い駆け足並の足音が聞こえてくるんですけど…。嫌だなぁ、嫌だけど振り返らなきゃ見えないしなぁ。
「先輩!!!」
「ぎゃあぁあッ!」
「相変わらず色気のない悲鳴だ。で、何のようだ久々知」
…………え。
久々知…?
そろそろ振り返ると片手に、鉢屋を連れた久々知がゼイゼイ息を荒らして立ってた。走ったみたいだなぁ。
「ズルいじゃないですか!」
「何がズルいんだ?お前だってそうしてきたのだろう?」
………どゆこと?
「お前はずっと梓季とペアとなれるように、細工をしたり、5年生に掛け合っていたんだろう」
そう言っていただけるととてもありがたいです仙蔵さ、……細工?
「えぇぇえええッ!?」
「っ……」
「幸い、このバカは気づかなかったみたいだがな」
馬鹿とは失礼な。
って、そうじゃない!
「久々知凄いじゃん!」
「「「は……?」」」
は……?じゃなくて!
だって低学年の時からずっと細工したり、先生の目を盗んでたわけじゃん!それって凄いじゃん!私なんてシナ先生の目なんて盗めないし…。盗もうとすると何されるか分かったもんじゃないし…。
「お前な…。驚く点が違うだろ」
「じゃあどこに驚けば…」
「立花先輩。申し訳ありませんが梓季先輩は私と組ませてもらいます」
久々知に腕を掴まれて、引っ張られる。仙蔵を見れば、仙蔵は小さく手を振って鉢屋に首輪をしていた(さすがドS)。その後、ゴールして久々知にまたペアになって下さいと言われるのを私はまだ知らない。
そして5年生の会話も。
「兵助、また挨拶しかできなかったの?」
「もっと話しかけろよ」
「だって、任務だし…」
「終わったらだよ!終わったら"梓季先輩!お疲れさまでした。あ、これから一緒にご飯はどうですか?"とか!」
「三郎。私に化けて口説くな…!」
「でも確かにそれぐらい話しかけなきゃ、梓季先輩。鈍くて有名だし」
「でも、優しいし、私のこと嫌がらないし…」
「その調子で話しかけろよ」
「だって私、豆腐小僧って呼ばれてるし…」
「あぁあああッ!!うぜえ!私が変装して口説いてくるからちょっと待ってろ!」
「止めなよ三郎!」
「大体なぁ!無愛想な奴の方がヤバいだろうが!見ろよ立花先輩が話しかけてるじゃねえか!!」
「あ、ホントだ。梓季先輩楽しそうだし」
「分かったな兵助!絶対話しかけろ!ってか何年越しの片思いだこんちくしょう!!」
「1年生から」
「……4年」
「だぁあああああッ!まどろっこしい!!俺がその恋粉砕してやる!!」
「止めろぉお!私の心は豆腐のハートなんだ!」
「……ガラスのハートって言いたいの?」
「割られる以前の問題じゃねえか」
1/5ページ