skdy
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
レジをまたいで向こうで、私と向き合って座っているシン君はとても笑顔だ。
……、笑顔なんだけど、今までの見たこと無いようなまさに、ニコニコという表現がとっても似合う笑顔。
明日はお休みだからお菓子を買って、シン君とお話したいなぁ…と。迷惑なお客だと分かってはいたけど、閉店間際の坂本商店に駆け込んだ。
「あれ…?」
珍しく、誰も居ない…。
閉店時間間違えた…?
でも、お店の自動ドアに鍵は掛かってなかったし…?
もしかして、バックヤードにいるのかな。
なんて思いながら、かごを持ってお菓子と飲み物をかごに入れていく。レジのときは声かければ出てきてくれるかなぁ、なんて思いながら一通り店の中を回ってチラッとレジを見ると、
「いらっしゃーい」
レジで椅子に座ってるシン君が肘ついて、ニコニコ笑いながらこちらに手を振っていた。
あれ…?シン君…?
バックヤードから出てきた割には、音が全然しなかった…?
頭の上にポンポンとクエスチョンマークが飛び交う。私が気づかなかっただけかな、よく先輩や後輩にも鈍いとか言われるし。そう思うことでそれ以上深く考えるのは止めた。
かごを持ってレジに向かうと、レジ前にはさっきまで無かったのにパイプ椅子が置かれていた。首を傾げそうになっていると、シン君が座れば?と声をかけてくれた。
シン君の声なのに、何だか違和感。
まぁ、でも、このあと時間を押すような予定はないからと脇にかごを置いてパイプ椅子に腰掛けた。そして冒頭のシン君の状態に繋がる。
シン君はニコニコ笑って、こちらを見ている。それだけなのに何だか品定めをされているような気がして、居心地が悪かった。
いつもなら、確かに笑ってくれるけど、こんな笑い方じゃない。それに、シン君は一生懸命話しかけてくれる。それが心地良くて、楽しいんだけど。
今日のシン君は、まるでニコニコ笑ってるのに、品定めをしながら、私の目の前にナイフでも突きつけているかのような感じ…。
今日のシン君は、なんか嫌だな…。
機嫌悪いのかなぁ。この感じだとシン君って怒ると笑うタイプなのか…?
なんて悶々と考えていると、ふっとシン君が笑った。
「……?」
いきなり笑われて、私は今度こそ首を傾げた。
それを見てシン君はごめんごめん、と言って口元に手を当てた。
「俺が目の前にいるのに、何か考え事か?」
そう言ってシン君が手を伸ばして、私の頬を撫でようとしてくる。
「あ、あの……」
「ん…?」
その指先が私に触れようとした。
何だか嫌で、私はそれを拒否するように声を出した。
「怒ってらっしゃるんですか…?それとも機嫌悪いんですか……?」
そう恐る恐る聞くと、シン君は少し固まって手を引っ込めた。そしてうーん……と悩んだような声を出すと、パッとまた笑った。
切り替えが早くて、まるで次々変わるお面でも見ているみたい…。
「なんでそう思ったの?」
ニコニコと三日月を描く目の隙間から、冷たい目が私を見る。
それは間違いなく、
「私を品定め、しているみたいなので…」
「………」
「あと、」
あなたは誰ですか?
そう言おうとしたらお店の自動ドアが開いた。
ヤバい、他のお客さんが…、そう思ってそちらを見ると怒っているシン君と、普段通り飄々とした坂本さんが、
ってあれ…?
確かに目の前にシン君(?)はいたけど。まぁ、シン君ではないかなぁって疑っていたけど、でも見た目は完全にシン君で。頭の上にクエスチョンマークがまた飛び交う。そして目の前にいたはずのシン君に顔を向けると、
「大当たりー」
目の前に黒髪の男の人の顔が。
それにびっくりしてビクッと体が跳ねた。その近さに体を引こうとしたら強い力で後ろに体を引かれた。それに驚いて目を白黒していたら、黒髪の男の人はあはははは、と笑っていた。
驚きながら振り返ると、私の肩を抱き今にも目の前の人に殴りかかるのではないかというほど怒っているシン君がいた。
「南雲、てめぇ…!」
「ふふっ、機嫌は悪くないよ」
さっきの私の質問に答えているのか、南雲と呼ばれた男性は立ち上がるとレジからこちら側に出てきた。
「むしろ楽しかったよ」
そう言って南雲さんは私とシン君の前に来ると、黒曜石みたいな真っ黒な目で私を捉え、にこりと笑う。そして私に顔を近づける。
「またね」
「または無ぇ!!」
「あはははは!シン君少しは余裕持たないと!」
この子に嫌われちゃうよー、なんて言いながら南雲さんは威嚇する猫のように怒るシン君をみて笑いながらお店から出ていった。
まるで、嵐のような人だった…。
「大丈夫だったか?!」
シン君はそう言って私を見てくる。本当に心配してくれているのが目を見れば分かる。この人は、いつも私とお話してくれるシン君だ。そう感じてホッとした。
「大丈夫だよ、ありがとう」
「良かった…!坂本さん!!あの野郎出禁しましょうよ!!絶対に許さねぇ…!!」
こちらに歩いてくる坂本さんにシン君は話しかけながらそう言う。坂本さんは何も言わずに脇においてあったかごを持ってくれると、レジカウンターに置いてくれた。
「今日はもう閉店だから、ゆっくりシンと話をしていくといい」
「!!」
私のしたかったこと、もうバレてる…。
それが恥ずかしくて、ごめんなさいと言うけどシン君は嬉しそうに大きな声でありがとうございます!と感謝の言葉を言った。
******
シン君が特訓に行く前に話していた子、体格はさておき小動物みたいにビクビクしてるのにこちらの感情には鋭敏なんてね。なのにシン君からあんなに好意向けられてるのに気づかないなんて。
鋭いのやら鈍いのやら。
でも、あぁいうモダモダしている二人見てるの好きだし、なんなら"人の恋路を邪魔するやつは馬に蹴られればいい"みたいな言葉あるけど。
僕は邪魔とかちょっかいとかめちゃくちゃ出したいタイプなんだよねぇ〜♡
「あはははは!」
殺しのターゲットを始末した中で、自分の性格の悪さに南雲は笑った。
