第1章
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「なぁ、お前さん。一体なにをして捕まったんじゃ?」
『へ?』
フロアの囚人達の興奮がようやくおさまってきたという時に、急に声をかけられた。
さきほど、ルームメイトならぬ牢屋メイトになったジンベエさんだ。
「お嬢さんはどう見ても一般人のような気がするんじゃが…」
ジンベエさんが心配するように私を見つめる。
や、優しい…!この人、絶対こんなところに閉じ込められるような人じゃないでしょ。
『あ、えっと、私は…』
成り行きとはいえ、2人が捕まった理由も聞いてしまった。
火拳のエースさんは七武海候補の黒ひげと呼ばれる人物に負けて捕まり、ジンベエさんはエースさんを助けようとして捕まった。
聞いた以上は、私も隠さずに言う必要があるだろう。理由を答えようとしたところで、突然横から口を挟まれた。
「そいつの名前はウスイ礼ちゃん!!」
「天竜人にプロポーズされたけど、セッ○スするのが嫌で枕投げつけて断ったって理由で捕まっちゃったんだよな!!」
「男経験なし!!」
「虫嫌い」
「結構、貧乏」
「他には___」
『わぁああぁぁああああああああっ!!!??なんってこと暴露してくれてるんですか!!馬鹿!!大馬鹿!!最低っ!!』
プライバシーの侵害だ!!と叫んだが、だめだ。あの人達、まっったく反省してない。
「……そうか。天竜人にか。大変じゃな。お前さんも」
ジンベエさんは先ほどの囚人達の問題発言には触れず、捕まった理由のところだけを取り上げてくれた。やだ優しい。
『いえ、私のことは別に……それよりも、お二人とも怪我大丈夫ですか?』
「あぁ、平気じゃこんなもの」
「…あぁ。ていうかお前、よく凶悪な囚人達と普通に会話できるな」
「……。」
これが慣れってやつだと改めて自覚した。
____________
エースさんとジンベエさんがインペルダウンの同じ牢屋に閉じ込められて、数日が経った
結構、色々なことを話した。
海のこと、白ひげさんのこと、エースさんの弟のこと
白ひげさんのことを話すとき、エースさんはとても嬉しそうに話していた。しかし、話し終えた後は決まって悲しそうな、それでいて悔しそうな表情を浮かべる。
「親父達に迷惑をかけて申し訳ない…」
首を項垂れて呟くエースさんに対して、私は何もできなかった。
エースさんがマリンフォードに連れて行かれるまで、後どのくらいの時間があるんだろう。
そんなことを考えていると、エレベーターが停まった音が聞こえた。
まさか、と思いバッとエレベーターの方を向く
マゼランにハンニャバルに看守長達、それと……あの綺麗な女の人は誰だ
「こちら、海賊女帝ボア・ハンコック様であらせられるぞ!控えおろーう!!」
副署長のハンニャバルがそう言ってクラッカーを鳴らした。その後、マゼランにぶっ叩かれてたけど。
ボア・ハンコックの名前を聞いた途端、囚人達が騒ぎ始める
「ひゅー!!どうりで良い女がいると思ったぜ!」
「たまんねぇなおい!!」
「蛇姫ェ!女ヶ島は男に飢えてんだろう!?こっち来いよぉ~!!」
「マゼランこの下痢野郎!その女よこせぇ!!」
この人達は女を見たらこういう挨拶をするって、打ち合わせでもしてるのだろうか
そんなことを考えていたが、ひどい臭いが漂ってきたため現実に意識を戻す。臭いの原因はすぐにわかった。
__マゼラン、だ。
「…お前ら、調子に乗りすぎだ。俺にはここの囚人達全員を処刑する権限があるということを忘れるな」
彼の身体は紫色に変化し、頭の方からゴポゴポと何かが出てきた。
それが何か、分かった囚人達は驚愕の表情を浮かべて叫ぶ
「「「毒竜を出しやがったぁああ!!」」」
その紫色の物体が竜の形をしていると認識した次の瞬間、それは先ほどまで騒いでいた囚人達に降り注がれた
「「ぎゃあぁああああ!!」」
『っ……!?』
驚きすぎて声も出なかった。思わず口を両手で覆った。
表現するなら、人が溶けてくような。
まるで映画のワンシーンのようで、だけどこれは現実で
怖い、怖い、怖い
その騒動に紛れて、ボア・ハンコック様がエースさんに何かを伝えていたようだったけど、そんなことを気にしている余裕、私にはなかった