第1章
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ハンコック様がいなくなってから、幾許かの時間が過ぎた。
『…!!』
エレベーターの動く音がして顔を上げる。
チン、という到着の音と共に先程と同じ__いや、それ以上の人数の看守や海軍が降りてくる。
ガチャン…ギィィイイ
牢屋の重たい扉が開かれる。
あぁついに、この時が来てしまった。
「火拳ポートガスDエース!!これより、貴様を処刑台のある場所マリンフォードに連行する!」
マゼランが意気揚々と宣言する。
間に合わなかった。
壁に貼り付けていた鎖が外され、代わりに海楼石の手枷をつけられたエースさんが連れ出される。
「エースさん…!!」
ジンベエさんが悔しそうに声を絞り出す。
「ありがとな、ジンベエ。それと__ななしも」
『私はそんな、何にもできなくて…私にもっと力があれば……ごめんなさい』
「いや、お前には元気をもらった」
処刑場に移されるというのに
私だったらこんな状況、泣いて取り乱すのに
彼はニカッと太陽のように笑って言った。
「もし空の下で出会えたら、今度は酒でも一杯飲みかわそう」
そして、彼はマゼラン達に連れられてインペルダウンを去っていった。
『………っう』
涙がポロポロと溢れる。
天竜人との結婚を断って海軍に捕まってからというもの、私は沢山泣いた。
捕まるくらいなら、歯を食いしばって我慢すればよかった。後悔も沢山した。
だけど牢屋に入れられてからは、泣くことも後悔することも少なくなった。もうこれ以上悲しいことはないだろうと、ある種開き直っていたから。
……でも、まだ、悲しいことあったよ。
どうか、どうか彼が助かりますように
あの笑顔が似合う炎の人を助けて____
その時だった
階段をバタバタと下る数名の足音
看守が戻って来たのか?そう思ったが違った。階段からは3人の男……いや、2名男、1名オカマ?が降りてきた。
「着いたぞ!!LEVEL6!!エースは!?」
そう言って叫ぶ真ん中の男の頭には麦わら帽子。
この人は、麦わらのルフィ。手配書で顔を見たことがある。
やっぱり、ジンベエさんが言っていた麦わらの少年というのは麦わらのルフィだったんだ。
『あなた、麦わらのルフィ!エースさんの弟だよね!?』
「今しがただ!すぐ追え!急げば間に合う!行け!」
私とジンベエさんの話を聞き、彼等は急いで上の階に戻ろうとした。
しかし、もう遅かったようで
「…くそっ、扉が動かない!!」
上の階に行く手段であるエレベーターと階段は、看守達の遠隔操作によって閉鎖されてしまった
そして用意周到なことに、閉鎖した階段に設置された穴から睡眠ガスを噴射してきた。
フロア一帯をガスで充して、侵入者を眠らせてゆっくりと捕まえようという魂胆なのだろう。脱出が不可能なこの場で、もっとも有効な手段。
わざわざ戦う必要もない。
「とりあえず俺が穴を塞ごう」
そう言うとイナズマと呼ばれた男は、両腕をハサミに変化させて地面を切り裂いた。切り裂いた地面は紙のようにペロンと捲れて、睡眠ガスが噴射されている穴を塞ぐ。
後から知ったが、イナズマさんはチョキチョキの実を食べたハサミ人間とのことだ。
彼のおかげで睡眠ガスで眠らされる心配は無くなった。
しかし、噴射口を防いだことにより階段も使えなくなってしまった。
万策尽きたか、そう思っていたその時
「ここを抜けたきゃおれを解放しろ!!麦わら……クハハハ」
私の正面の牢屋から、最早聞き慣れたと言っても良い素敵なバリトンボイスが聞こえてきた。
「クロコダイル!!」
声の主を確認した麦わらのルフィが叫ぶ。
アラバスタの事件から、この2人には深い因縁があるようだ。
クロコダイルさんは国家を転覆させようとして、海軍がやっつけたと新聞では報告されていたけど……事実はちょっと違うらしい。
険悪なムードだ。
「俺ならこの天井に穴を開けられる。悪い話じゃねえはずだ。互いにメリットがある」
そう言うと彼はニヒルな笑みを浮かべる。
「お前、ビビの国を滅茶苦茶にしようとしただろ!」
「昔の話だ。今はあの国に興味はねぇ」
なおも解放するのを反対するルフィを止めたのは、イワンコフと呼ばれる人物だった
「解放しましょう。麦わらボーイ。確かにこいつがいれば大きな戦力になる」
彼__いや彼女?はクロコダイルさんの弱みを1つ知っているようで、大人しく力だけを貸すよう要求した。
「イワンコフ…!!」
「大人しく力だけを貸すなら黙っててあげる。あなたの過去。ヒーハー!!」
その提案に嫌々、了解したクロコダイルさんが牢獄から解放された。
クロコダイルさん、エースさん助けてくれないかな。いや、クロコダイルさん白ひげに旧怨あるみたいだから無理か。
「後生の頼みだ!わしも連れて行ってくれ!必ず役に立つ!!」
そう叫んだのは私の隣にいるジンベエさん
「わしはこの戦争に反対した事でここにおる!エースさんを救いたいんじゃ!頼む、わしに死に場所をくれ!!」
ジンベエさんは麦わらを真っ直ぐに見つめた。
麦わらもジンベエさんを見つめて、一言
「いいぞ」
イナズマと呼ばれる男が慌てて「素性もわからないやつを解放して大丈夫なのか」と告げる。
でも彼の決断は変わらない。
「いいんだ。出してやってくれ」
ジンベエさんからエースさんを救いたいという、強い意志を感じ取ったのだろうか。
ジンベエさんも解放された。
良かった。彼ならきっとエースさんを助けてくれる。
ちなみに、「俺も俺も!」「後生の頼みだ!」とついでに解放を要求した囚人達はイワンコフさんにデスウィンクされて吹き飛ばされてました。
何あのウインク。怖っ。
『…!!』
エレベーターの動く音がして顔を上げる。
チン、という到着の音と共に先程と同じ__いや、それ以上の人数の看守や海軍が降りてくる。
ガチャン…ギィィイイ
牢屋の重たい扉が開かれる。
あぁついに、この時が来てしまった。
「火拳ポートガスDエース!!これより、貴様を処刑台のある場所マリンフォードに連行する!」
マゼランが意気揚々と宣言する。
間に合わなかった。
壁に貼り付けていた鎖が外され、代わりに海楼石の手枷をつけられたエースさんが連れ出される。
「エースさん…!!」
ジンベエさんが悔しそうに声を絞り出す。
「ありがとな、ジンベエ。それと__ななしも」
『私はそんな、何にもできなくて…私にもっと力があれば……ごめんなさい』
「いや、お前には元気をもらった」
処刑場に移されるというのに
私だったらこんな状況、泣いて取り乱すのに
彼はニカッと太陽のように笑って言った。
「もし空の下で出会えたら、今度は酒でも一杯飲みかわそう」
そして、彼はマゼラン達に連れられてインペルダウンを去っていった。
『………っう』
涙がポロポロと溢れる。
天竜人との結婚を断って海軍に捕まってからというもの、私は沢山泣いた。
捕まるくらいなら、歯を食いしばって我慢すればよかった。後悔も沢山した。
だけど牢屋に入れられてからは、泣くことも後悔することも少なくなった。もうこれ以上悲しいことはないだろうと、ある種開き直っていたから。
……でも、まだ、悲しいことあったよ。
どうか、どうか彼が助かりますように
あの笑顔が似合う炎の人を助けて____
その時だった
階段をバタバタと下る数名の足音
看守が戻って来たのか?そう思ったが違った。階段からは3人の男……いや、2名男、1名オカマ?が降りてきた。
「着いたぞ!!LEVEL6!!エースは!?」
そう言って叫ぶ真ん中の男の頭には麦わら帽子。
この人は、麦わらのルフィ。手配書で顔を見たことがある。
やっぱり、ジンベエさんが言っていた麦わらの少年というのは麦わらのルフィだったんだ。
『あなた、麦わらのルフィ!エースさんの弟だよね!?』
「今しがただ!すぐ追え!急げば間に合う!行け!」
私とジンベエさんの話を聞き、彼等は急いで上の階に戻ろうとした。
しかし、もう遅かったようで
「…くそっ、扉が動かない!!」
上の階に行く手段であるエレベーターと階段は、看守達の遠隔操作によって閉鎖されてしまった
そして用意周到なことに、閉鎖した階段に設置された穴から睡眠ガスを噴射してきた。
フロア一帯をガスで充して、侵入者を眠らせてゆっくりと捕まえようという魂胆なのだろう。脱出が不可能なこの場で、もっとも有効な手段。
わざわざ戦う必要もない。
「とりあえず俺が穴を塞ごう」
そう言うとイナズマと呼ばれた男は、両腕をハサミに変化させて地面を切り裂いた。切り裂いた地面は紙のようにペロンと捲れて、睡眠ガスが噴射されている穴を塞ぐ。
後から知ったが、イナズマさんはチョキチョキの実を食べたハサミ人間とのことだ。
彼のおかげで睡眠ガスで眠らされる心配は無くなった。
しかし、噴射口を防いだことにより階段も使えなくなってしまった。
万策尽きたか、そう思っていたその時
「ここを抜けたきゃおれを解放しろ!!麦わら……クハハハ」
私の正面の牢屋から、最早聞き慣れたと言っても良い素敵なバリトンボイスが聞こえてきた。
「クロコダイル!!」
声の主を確認した麦わらのルフィが叫ぶ。
アラバスタの事件から、この2人には深い因縁があるようだ。
クロコダイルさんは国家を転覆させようとして、海軍がやっつけたと新聞では報告されていたけど……事実はちょっと違うらしい。
険悪なムードだ。
「俺ならこの天井に穴を開けられる。悪い話じゃねえはずだ。互いにメリットがある」
そう言うと彼はニヒルな笑みを浮かべる。
「お前、ビビの国を滅茶苦茶にしようとしただろ!」
「昔の話だ。今はあの国に興味はねぇ」
なおも解放するのを反対するルフィを止めたのは、イワンコフと呼ばれる人物だった
「解放しましょう。麦わらボーイ。確かにこいつがいれば大きな戦力になる」
彼__いや彼女?はクロコダイルさんの弱みを1つ知っているようで、大人しく力だけを貸すよう要求した。
「イワンコフ…!!」
「大人しく力だけを貸すなら黙っててあげる。あなたの過去。ヒーハー!!」
その提案に嫌々、了解したクロコダイルさんが牢獄から解放された。
クロコダイルさん、エースさん助けてくれないかな。いや、クロコダイルさん白ひげに旧怨あるみたいだから無理か。
「後生の頼みだ!わしも連れて行ってくれ!必ず役に立つ!!」
そう叫んだのは私の隣にいるジンベエさん
「わしはこの戦争に反対した事でここにおる!エースさんを救いたいんじゃ!頼む、わしに死に場所をくれ!!」
ジンベエさんは麦わらを真っ直ぐに見つめた。
麦わらもジンベエさんを見つめて、一言
「いいぞ」
イナズマと呼ばれる男が慌てて「素性もわからないやつを解放して大丈夫なのか」と告げる。
でも彼の決断は変わらない。
「いいんだ。出してやってくれ」
ジンベエさんからエースさんを救いたいという、強い意志を感じ取ったのだろうか。
ジンベエさんも解放された。
良かった。彼ならきっとエースさんを助けてくれる。
ちなみに、「俺も俺も!」「後生の頼みだ!」とついでに解放を要求した囚人達はイワンコフさんにデスウィンクされて吹き飛ばされてました。
何あのウインク。怖っ。