少女達の戦争

  • 十三宮 幸

     戦争と革命の20世紀末、新時代の元年。

  • 十三宮 幸

    地球に小惑星が衝突したのを機に、日本人民共和国は崩壊し、政治的統一を失った日本列島は、分裂と内戦の混乱状態に突入した。

  • 十三宮 幸

    その対立による地域紛争は、やがて「東アジア地中海戦争」へと拡大する事になる。

  • 十三宮 幸

    それでは現下、我が国のどこに、どのような勢力が割拠しているのかを概説する。

  • 十三宮とさみや教会
  •  伊豆半島や駿河湾などを文化圏とする自由天主教会、通称「十三宮教会」。

  • 姉の十三宮 伊豆守 聖(右)、妹の十三宮 巫部かんなぎ めぐみ(左)を中心とし、相模湾の須崎グラティア優和ゆうな(中)らと共に、日本帝国の東海州に帰属している。

  • 星川軍浦和連隊
  •  埼玉から東京に派遣されて来ている「星川軍浦和連隊」。

  • 星川結(中)が連隊長、岩月いわつきあい(左)が副隊長を務め、武蔵大宮の星川軍閥を支えている。

  • 禍津日原第四学校
  •  東京・埼玉の県境に立地する、隕石クレーターの跡地に建設された「禍津日原まがつひはら第四学校」。

  • 地理学の大牧おおまき実葉みのは(中)らが教諭を務めている。

  • 会津軍閥
  •  福島・仙台・新潟を占領する「会津軍閥」。

  • 陸軍大臣の泰邦やすくに 陸奥守むつのかみ 清継きよつぐと、長女の泰邦清子きよこ(中)によって統率されている同盟で、禍津日原総督府と連携し、ヨーロッパのガリア共和国などとも交流している。

  • 日本帝国
  •  関東平野の東京・相模・千葉・常陸・宇都宮と、西海九州などを統治する「日本帝国」。

  • 雲母日女きらひめ(中)を君主に奉戴し、帝国議会・太政官・日本国民軍によって立憲政治が行われ、アメリカ連邦を始めとする国連と正式な外交を結んでいる。

  • 禍津日原総督府
  •  クレーター復興庁から発展した自治体であり、第四学校などを経営している「禍津日原総督府」。

  • 雲母日女の皇太弟である西宮堯彦(中)を総督とし、藤原ふじわら 鷹司たかつかさ 智子ともこ(右)が側近を務め、聖の双子である十三宮メーテルリンクMaeterlinck勇(左)も所属する。

  • 星川軍大宮旅団
  •  関東北西部の埼玉・前橋を支配する「星川軍大宮旅団」。

  • 総書記の星川うい(中)を指導者とし、政府の扇谷おうぎがやつ 上杉うえすぎ 橄欖かんらん(左)、軍部の小田おだ皐月さつき(右)らが政権に参画して、独自の社会主義国家を建設しており、中華ソビエト共和国と外交関係を持っている。

  • 畿内軍閥
  •  大坂・神戸を中心に、広大な関西地方と中國山地に君臨する「畿内軍閥」。

  • 豊臣とよとみ 近衛このえ 秀国ひでくに(中)と方広院ほうこういん和泉いずみ(右)の力によって、近畿地方から山陰・山陽道まで領地を拡大し、中近東の傭兵なども招いている。

  • 日本人民共和国
  •  かつて列島を恐怖政治に陥れた「日本人民共和国」だが、その勢力は盛岡・青森に逃れ、密かにロシア共和国から援助を受けて、復讐の時を待ち望んでいる…とも言われる。

  • 滝山たきやま未來みき(中)や遠野とおのフォイニクスPhoinixまもる(左)などの人物が、政権を担っていたようだが、本当の黒幕は別に存在したとの説もある…。

  • 清水財閥
  •  出羽山地、山形・秋田の農村集落から発展し、我が国を代表する大企業グループに成長した「清水財閥」。

  • この地域は現在、日本帝国奥羽州に帰属しており、財閥当主の清水賢一郎けんいちろうは、娘の桐原きりはら愛美あゆみ(右)と清水夢有むう(中)を、七宝院学園の東京渋谷校に通わせている。

  • 七宝院学園
  •  日本アルプス高地、甲斐・信濃の寺子屋から始まり、今では広域の私立学校法人を経営している「七宝院学園」。

  • 尼僧の七宝院夜宵やよいによって創設され、日本帝国に帰属した後、東京の渋谷にも校舎を建立し、星川初の姪(星川結の従妹)である星河亜紀(中)なども、この学園に通っている。

  • 異界
  •  このほか、グローバルに活動するインターナショナル組織や、現代の地球世界とは異なる「異界」の者達も、日本列島の命運に影響を及ぼしつつある…などと言われる。

  • 果たして我々は…は、あなたは、これから始まる物語において、その心に何を想い、言葉を語り、行動するのか…?

  • 益田 権納言
  • 「下関も山口も陥落した。
    最早、今ここで九州軍を押し返さなければ、僕らの故郷は灰燼に帰するかも知れない…だから、最期までやり遂げるしかないんだ。
    残された拠点は、安芸太田川と石州益田…恐らく、ここが僕らの最終決戦になるだろう。
    厳島への増援軍が間に合えば、戦線を死守できる望みはある。
    それまで、耐えてくれ…!」

  • 間宮 主計かずえ
  • 「俺が生まれ育った自由都市は、あのイザナミとか言う対小惑星隕石砲に滅ぼされた。
    関西は今、クーデターで内乱状態に陥っている。
    もう自分に、守るべき居場所は無くなってしまった。
    残された任務があるとすれば、それはきっと、大坂に踏み留まる事だろう…それなのに、軍令に背いて瀬戸内海を渡り、ここまでやって来たのは何故か?

  • あんたに、ここで死なれたら…俺が困るからだ!
    だから、生きてくれ…いや、生きろ!
    少なくとも、俺よりも早く死ぬ事だけは、絶対に許さないからな!」

  • 松浦アイユーブ安子
  • 「…何かを始めるのに、遅過ぎるという事は無い。
    君の永き人生において、今が最も若い時なのだから。
    ただ偶然にヒトとして生まれた故に生きるより、己が意志で人間として生きようとしてこそよみされるべきだ。
    ただ今この刹那、為すべき事を為せば良い。
    ヘブライの者達は、後悔するという言葉を知らずに戦った。
    なれば我らも悔い無く往こう、千一夜の深き夢に…」

  • 十三宮 勇

    「戦闘機の増援軍を期待できない以上、仁の自転火車に空戦を任せるしかないわね…了解、SCPX-02Bの出撃を許可するわ!
    クラスター爆弾を装填して!」

  • 黒井 勇人

    「今日ここに、僕らの長旅に終止符を打つべき時が訪れた。
    銚子半島に布陣する新世界軍を…討ち滅ぼす!
    東京軍は屏風ヶ浦、星川軍は利根川から、犬吠埼いぬぼうさきへと進撃する作戦になっている。
    全てを終わらせた暁には、きっと僕らはあの空に、一陽来復の夜明けを見出し、そして思い出すのだろう…光は東方より」

  • 夢宮 乖離

    「光と闇を操り、思い描いたものを創り出す…人々は私に、そんな力があると言うけれど、それって本当に異能な事なのかしら?
    今あなたのすぐ隣に、幻想の彼岸が広がっていたとしても、決して不可思議ではないと思うわよ」

  • 十三宮 伊豆守 聖

    「津軽十三湊にて苦戦されている連合軍の救援に参ります!
    天崎あまさき葵鋳あおい様は、このまま下北半島の恐山へと進撃し、白鷺しらさぎ霞那蹇かなえ様は、陸中鹿角で大湯環状列石をお守り下さい!
    私は、十三湖に迫り来る包囲網を雷撃して時間を稼ぎます!
    願わくは、どうか皆様に天主の御加護がありますよう…!」

  • 三浦フレデリック
  • 「この世界には、自らの原罪を認識する事ができない、人の姿形をした鬼畜が存在します。
    そのような者達には…彼ら自身の血を以て、犯した大罪を贖って頂くしかないでしょう。
    君ならば、きっとそれを分かって下さると、私は信じていますよ…この学院で同窓を眺めた、我が友よ」

  • 夢宮 魅咲

    「前にも言ったでしょ?
    私と関わった人は皆、不幸な最期を迎えて逝くの…今までも、これからも。
    兄様も…あなたも、きっとそうなる。
    それでも見たいなら、見せてあげるよ…二度と朝の来ない悪夢を、私の世界を…」

  •  世紀末の岸辺に開かれる、少女達の戦争。

  • そして、達の物語…。

  • 十三宮 巫部 仁

    「私の名前は、十三宮 巫部 仁…私が生きている世界と、死んでしまった世界…その全てを見届けた今、目覚めた私が再び認識する世界は…自転火車、解錠!
    クラスターホーミング弾幕、展開します!

  • 十三宮 巫部 仁

    私を愛してくれた、皆のために…そして、大好きなあなたのために、私は…さあ、一緒に出掛けよう!
    過去よりも現在、昨日よりも今日、現在よりも未来…そう、今日よりも幸せな明日へと、前世・現世・来世の久遠実成くおんじつじょうに…!」

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