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Planet Blue kaleidoscope
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ある教育機関の、ある研究室。
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そこで昼夜を問わず、ある時はペンで、ある時はキーボードで、またある時は口頭で、何かを記録し続ける者が居た。
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それが論考なのか、日記なのか、はたまた小説なのかは分からない。
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分かっているのは、そこに章と節と、そして本文があるという事だけだった。
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大牧 実葉
「文明がまだ未発達であった時代、人が生きる目的はまず何より、食糧を獲得し、生き残る事それ自体にあった。それから永い年月を経た現代、人生に明確な意義を求め、時代への意志を貫こうとする者は少ないように思われる。いや
寧 ろ、どんな形であれ目的自体は存在するにせよ、ただその事に気付いていないだけかも知れない」 -
大牧 実葉
「この物語に登場する人々もまた、激動の時代の中で自らの心と向き合い、それぞれの進む道を選んで行った。大海原に囲まれた、大陸東端の弧状列島。そこに生きるあなたと、人々が紡ぐ現代の神話」
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観天察人
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大牧 実葉
「著者の自己紹介が遅くなってしまいました。私の名は大牧実葉、一応学校の教諭という肩書を持っている者です。もっとも、あなたがこの文章が目にする頃には、この世に居ないかも知れませんが…」
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大牧 実葉
「本書の前書きを兼ねて、私のこれまでの経歴を少し説明させて頂きます。格別自慢できるような人生でもありませんが、いま私がこれを書いている理由を説明するには、どうしても『あの日』の事に触れる必要があるからです」
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2649(光復元)年夏、外東京コミューン。
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大牧 実葉
「私がまだ幼かった頃、空一面が烈火に染まり、世界が終わった日の事を覚えている。人民学校の窓から外を眺めると、そこにあるのは降り注ぐ無数の石の破片と、火の海と化して行く大地。何が起きているのかも分からないまま、私は校舎を飛び出し、両親が囚われている収容所を探して、殺戮の大地を走り続けた」
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大牧 実葉
「また一つ、また一つと爆発音が聞こえ、そのたびに耳を塞いで目を閉じ、次に見た時には、さっきまで居た人が、建物が無くなっている。私もいつ死ぬか分からなかったが、その時はそんな事を気にする暇も無かった。とにかく両親に会いに行かなければ…その気持ちだけが私を動かしていたらしい」
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大牧 実葉
「そして遂に、私はその場所に辿り着いた。けれどそこに、両親の姿は無かった。会える
筈 も無かった。収容所その物が、隕石で粉々になっていたのだから…それを知った瞬間、自分がどんな言葉で慟哭 したかはもう覚えていない」 -
大牧 実葉
「確かなのは、私の心身がその時既に限界だったという事だった。血まみれの全身に灼熱が追い打ちを掛け、程なく私の意識は闇に沈んだ」
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遠野フォイニクス衛
「…まだ生きている! おい、しっかりしろ!」
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大牧 実葉
「誰かの声が聞こえる。身体が重力から解放されていないし、どうやら自分はまだ死んではいないようだ。そして、隕石の爆発とはまた別の、何か騒々しい事が起きている」
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大牧 実葉
「気付けば、そこは戦場になっていた。左手にはこの国を治めている人達が、右手には彼らを倒すべく海から渡って来た人達が。そして目の前には、私に手を差し伸べる人の姿が。どんな顔をしていたかは良く覚えていないが、ともかくその人は私を拾って、どこかへと連れて行った」
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大牧 実葉
「そして爆心地から離れ、少しだが温度の下がった所に、傷だらけの私を休ませた。その人のほかにも何人か、仲間のような人達が居た」
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遠野フォイニクス衛
「共和国はもう終わりかも知れない。けれど、そこに生きる民衆が居る限り、希望は…少女よ、お前もその一人だ…死ぬなよ!」
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大牧 実葉
「後に私は、この人達が日本人民解放軍、つまり政権側の軍人であった事を知る。もしあの人が生きているなら、ぜひ一度会って見たい者である」
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大牧 実葉
「それからもう少し成長した後、
漸 く私は事の次第を理解した。私が生まれ育った国『日本人民共和国』は、あの日の隕石と、それに続く内戦で消滅した。そう、それはほかでもなく現代史に『七月革命』と記された事件であり、私はその時、外東京コミューンに居た者の生き残りである」 -
大牧 実葉
「私は全てを失った。両親も、友人も、学校の先生も、地元の人民公社も、私が知っている人の大半は死んだ。そして、永遠と言われた祖国までもが消え去った。けれど…私は生き残ってしまった。どうして、どうして私のような者だけが…」
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大牧 実葉
「あの日から、もう20年近く経つ。その間に、私は多くの経験をした。本来ならば、あの日の隕石で死んでいた筈の私。私は幾度も、自殺未遂を繰り返した。けれど…偶然か必然か、とうとう死ぬ事はできなかった」
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大牧 実葉
「私は科学者や宗教家に片っ端から会って、人が生きる目的について
訊 いて回った。私が求めている『答え』は、そのどれか一つ、どちらか一方ではなく、一見相対する両方にあるのではないか? そう考えた私は、私が生きているこの世界と向き合い、それを通して自分自身と向き合ってみたいと思い、誰でも入れる名も無き三流学校に暫 く通った」 -
大牧 実葉
「そして今、私は
無名 の自称学者と成って、あの日のクレーターの上で、教壇に立っている。一度死んだ人間が歴史の主人公に成ろうとは、生意気な話である。けれど、歴史の傍観者に成る事ならできよう。恐らく今の私にできる事は、それしかない」 -
大牧 実葉
「不治の病が日に日に身を蝕む中、私は生涯最後の研究として、一冊の本を書く事を決意した。七月革命から東アジア地中海戦争に至るこの国の歩みを、私はこの場所からずっと見続けて来た。その激動の時代と対峙して来た、人々の軌跡も」
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大牧 実葉
「それを後世に語り伝える事こそが、私に残された使命であると信じている。それが成し遂げられるまで、私の命脈が持ち
堪 える事を願ってやまない…」 -
ラテンアメリカ支局より、新しいニュースが入りました。
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カリブ海・西インディアス諸島のセントルシア島において、自称「アイドル」気取りの虚人芸者(無職)による、新人歌手への不適切な行為が発覚し、無事に炎上しました。
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なお、今から消火しても間に合わん模様。
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大牧 実葉
「…虚像の仮面で偶像に成り切っても、所詮は生身の人間。今日も綺麗に燃焼しているわね…本当に、哀れな子達」
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2669(光復二十一)年4月、
禍津日原 第四学校。 -
ここは20年前…2649年6月に、小惑星の破片である隕石の一つが衝突した、あのクレーターの跡地である。
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現在は「禍津日原」と呼ばれ、東京と埼玉の県境にして、日本帝国と日本民主共和国の国境地帯でもある。
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生き残った人々の尽力によって、人間が生活できる環境にまで復興した事を示す象徴として、この場所には「禍津日原第四学校」がある。
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十三宮 伊豆守 聖
「…実葉様、そろそろ時間のようですよ。えっと、配信開始ボタンというのは…どちらでしたっけ?」
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大牧 実葉
「ああ、これです…皆さん、聞こえますか? こちら、禍津日原第四学校です。瀬戸内海が海賊に荒らされ続け、それに伴う外出禁止令が長期化している事態などを考慮し、私達の学校では、世界中どこからでも授業に参加し、単位を修得できるインターネット通信教育を始めました。初対面の人も居ると思うので、自己紹介の時間を設けます。私は大牧実葉、主に地理科目を教えているわ。まあ、宜しくね…」
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学校の先生が、何故チェーンソーを持ち歩いているのか?
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…などと質問する勇気ある勇者は、多分この中には居ない。
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十三宮 伊豆守 聖
「私は、十三宮 伊豆守 聖です。教会祭司を務めながら、非常勤講師として本校のお手伝いもさせて頂いております。一応、教科としては道徳・倫理などを担当する先生ですが、皆様の幸せな未来を導く保護者でありたいと思いますので、取り敢えず『お姉ちゃん』って呼んで下さいね^^」
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大牧 実葉
「それ、今ここで言う事なのかしら…まあ良いわ。そうしたら次に、中級生の…間宮主計さん、居るかしら?」
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間宮 文次郎 主計
「えぇ…俺、自己紹介とか苦手なんだけど…あー、俺は大坂・和泉の間宮主計。一応、工学専攻という事になっているが、好きか得意かは知らん。以上!」
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「孤高」を擬人化したような性格の間宮主計は、最近の日本社会に増加しつつある「悟り世代」らしく、自分は周囲の者達に言われているよりは健康だし、恐らくは自分こそが世に言う天才だと思い込んでいる…が、どう見ても顔色が寝不足で不健康だし、今その成績じゃ間違い無く落第寸前です、本当にありがとう御座いました。
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十三宮 巫部 仁
「聖姉様の妹、十三宮 巫部 仁です! 好きな科目は日本史・国語・倫理かな。私達を見守って下さる神様にお仕えする、巫子さんのお仕事が好きだよ! 例え何回死んでも、何度生まれ変わっても、必ず…あなたに逢いに往くから(圧)宜しくね^^」
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十三宮 幸
「宜しく」
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その瞳に百年後の世界を映す「国民的彼女」十三宮仁は、今日も残酷な運命に立ち向かってそうな眼を輝かせている。
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十三宮 寿能城代 顯
「右下のコラボ画像、十三宮 寿能城代 顯と申します。大森貝塚や
武州 本門寺などがある東京市大森区の出身です。地理学などを探究し、様々な文章を執筆しており、いずれ自分が創った物語をゲーム化できるような、地球学文芸作家にでも成れたならば…などと、自由な夢を妄想しております。宜しくお願い申し上げます」 -
十三宮 伊豆守 聖
「ありがとう御座います。では次に下級生…綺音ちゃん、宜しいですか?」
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土御門 綺音
「遥かにゃる縄文の海『古鬼怒湾』の海跡湖、母にゃる霞ヶ浦を戴く
常陸 の土御門綺音だにゃ。先祖は陰陽師だったらしいにゃ、でも今は陰陽道の賽銭だけじゃ喰って生けにゃいので、軍需産業のお仕事を開店したにゃ! 武器が欲しけりゃ、そして戦争に勝ちたけりゃ、御賽銭を握り締めて内に来いにゃ。初回の課金は、お得だにゃ! リピーターも大歓迎にゃ!」 -
十三宮 巫部 仁
「にゃんにゃん可愛いけど、言ってる事が少し怖い…(^^;」
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土御門 綺音
「いつも両手に庖丁を持ち歩いている仁しゃんに、言われたくはないにゃん…」
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﨔木 長門守 夜慧
「山陽道の周防・長門から参戦、﨔木夜慧だ! 勉強は苦手だけど、美術とかは好きかも知れない」
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大牧 実葉
「本州からは以上。後は、九州から参加の下級生ね」
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神田エルンスト遊火
「はい…日本帝国西海道、
伊万里 県の神田エルンストです」 -
夢宮 魅咲
「ひ…
火州 の、ゆ…夢宮魅咲ですっ!」 -
十三宮 寿能城代 顯
「ミサっち、今日も可愛いなあ…」
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夢宮 魅咲
「は…恥ずかしいめぅ///」
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間宮 文次郎 主計
「…全く、どいつもこいつも俺の話を最後まで聴かず、なのに責任だけは俺のせいにしやがる…人間って面倒だな」
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十三宮 巫部 仁
「でもね、本当は主計ちゃん、物事をしっかり考えて、毎日を一所懸命に生き抜いているんだよね。めぐちゃん、知ってるよ! だからね、主計ちゃんは自信を以て、誇り高く道を歩み進んで良いと思うし、そうあって欲しいと、いつも私は祈り願っているんだよ^^」
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十三宮 寿能城代 顯
「仁さんの言う通り、だ。私の勝手な直感だが、間宮氏は決して、歴史の脇役で終わる程度の人材ではないような気がします。もし私が、間宮氏の小説を書くとするならば、きっと十年後には…いずれにせよ、あなた様の将来には期待しております」
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間宮 文次郎 主計
「悪く落とされるのには慣れているが、あまり礼讃されるのも、それはそれで対応に困るんだよ…」
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十三宮 幸
「十年後の世界、か…」
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ここに居る間宮主計・十三宮仁・十三宮顯などの人々は、得意・不得手の落差が大きく、智識を重んずる生き方が似ているからか、気が合って同じ派閥に属している事が多かった。
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しかし…間宮主計が10年後の世界で、この国の最高司令官にまで成り上がっている事を、真に予知できた人は居なかったであろう。
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更に言えば、間宮主計が周囲の者達から、「無能な指示待ち勇者」などと過小評価されて来た事、実はそれ自体が、彼女の計画通りだったのかも知れないが、その真相はきっと、神と本人にしか分からない…。
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十三宮 巫部 仁
「そう言えば…あっくん、新しい服を買ったみたいだけど、もしかして…好きな人が出来た、とか…?」
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十三宮 寿能城代 顯
「僕はもう、そういう事には興味が無い。今の自分には、ここに居るあなた方のような…愛すべき、大切な隣人が居るのだから。天主の真善美に目覚めた私が、いやしくも義に反する関係を交える行為など、断じて…!」
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(着信アリ)
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十三宮 寿能城代 顯
「ん、私の着信だ。暫し、お待ちを…」
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十三宮 寿能城代 顯
「…もしもし、ナギちゃん? ん、どうしたの? え? 別れるって、急にどうして…は? 寝落ち電話したの!? 俺以外の相手と!? どうして、どうしてそんな…え、俺が浮気したから? ち…違うって、あれは誤解なんだ! あの時は、俺のほうから手を出したんじゃなくて、美少女に強引に誘われ迫られ断れず、一夜の過ちだったんだ! 信じてくれよ! お金は払う! 宝石も買う…待って、着信拒否しないでよ!」
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その時、十三宮仁は思った。
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十三宮 巫部 仁
「今日の日記。あっくん、可哀想…」
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十三宮 寿能城代 顯
「…落ち着け私。戦況を見極めよ、勝機は必ずある。このままでは、惜しい人材を失うリスクが高い…だがしかし! いま私の手札には、まだ『キープされし最愛の美少女』達が残っている! 次のターンで、ユミちゃんとアッキーちゃんを召喚できれば…ん? 背後に誰かの気配が…え、君そんな凶器を持って、何しに来たの…え? ま…待て、早まるな! 敵の急襲を受けた! 至急、援軍を要請すr…ぐはぁッ!!」
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十三宮 寿能城代 顯
「…深淵に、眠りし我は、可哀想。勿体無きと、お悔やみ申せ…チ───(´-ω-`)───ン」
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間宮 文次郎 主計
「お悔やみ申し上げます」
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十三宮 幸
「かwわwいwそwうw」
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﨔木 長門守 夜慧
「まーみや・マミヤ低収入~♪ おい、間宮っ!」
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間宮 文次郎 主計
「騒がしいな﨔木、なんの用だ?」
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﨔木 長門守 夜慧
「バイトで作らされた
蛸焼 が余りまくって、俺が持ち帰る羽目になった。俺が食べたら太りそうだから、お前が喰えっ!」 -
間宮 文次郎 主計
「お前は山口、俺は大坂だぞ! どうやって送るんだよ?」
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﨔木 長門守 夜慧
「安芸の益田権納言と松浦アイユーブ安子を脅して、下関・広島から
西廻 航路で瀬戸内海に当日お急ぎ便したぞ」 -
間宮 文次郎 主計
「権納言はともかく、松浦安子ってガザから密航して来たテロリストじゃねーか! 頼む相手を間違えてんだよ…」
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十三宮 巫部 仁
「主計ちゃんも、可哀想…」
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だが、果たして蛸焼が大坂に届く事は無かった。
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益田・松浦の輸送船団は、その任務を遂行途上、瀬戸内海で国籍不明の海賊に襲撃されていたのである…。
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大牧 実葉
「確か…この配信アプリケーションって、仮想現実データベースに接続して、地球上の好きな場所に移動できる機能があるのよね。例えば、今は本校のバーチャル教室に皆が居るけれど…」
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十三宮 伊豆守 聖
「…あら、ここは天空? あ…足が雲の上に浮いています! 美しき青天白日の世界…まるで浄土、畏れ多くも『神の国』に昇らせて頂いたかの如き錯覚が…」
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十三宮 寿能城代 顯
「これにプラネタリウムのプラグインを追加すれば、バーチャル宇宙空間『メタバース』を構築できるだろうな。飽くまで情報の世界だから、重力から解き放たれ、光よりも速くワープし、遥か彼方の地球外天体にだって行ける…まあ、こんな広大な時空間に万が一、敵軍が侵入するような事があったら、それこそSFみたいな戦争だよ…」
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大牧 実葉
「…あ、緊急警報よ。瀬戸内海にて不審船団の航行を確認、沿岸各地の政府が、船型を解析しつつ対応を協議中だって。例の東山海賊だった場合、遅くとも明朝6時までに、四国の『南海コモンウェルス』が義勇軍を動かすみたいよ」
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十三宮 伊豆守 聖
「ここにいらっしゃる皆様は自宅待機中だと思いますが、特に西国の方々は、瀬戸内海沿岸から急ぎ避難して下さい! 海賊の傾向・対策は津波と同じです! 海から離れた、高い台地へと逃げて下さい!」
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十三宮 寿能城代 顯
「兵役に属している方々は、動員令に備えて下さい…全く、海賊相手に少年兵を『学徒出陣』せねばならぬとは、実に慌ただしい世の中だ…」
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午前6時・中立国共同体「南海コモンウェルス」義勇軍、四国サイドワインダー指令室。
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鵜久森 ミナト
「これから、任務の内容を説明するよ」
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鵜久森 ミナト
今回の任務は芸予諸島、伊予
大三島 と安芸生口島 を結ぶ多々羅大橋の防衛だよ。 -
鵜久森 ミナト
ここは本州と四国の境目で、本州からの支援物資が、多々羅大橋を渡り大三島を経由して伊予に入る。
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鵜久森 ミナト
逆に、四国から本州へ物資を送る際は、生口島を経由して本州へ入るんだ。
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鵜久森 ミナト
万が一、この多々羅大橋がド畜生ビッチ共の手で、落とされたりすれば、本州と四国の補給路が断たれる。
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鵜久森 ミナト
今回は、本州への重要物資を満載したトラック数台が、多々羅大橋を通過し、経由地の生口島へ渡る。
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鵜久森 ミナト
しかし、その重要物資を狙って、例のド畜生ビッチ共が多々羅大橋を落として、それを回収するに違いない。
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鵜久森 ミナト
「何としてでも、重要物資を経由地の生口島へ渡そう! では出撃!!」
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土御門 綺音
「土御門家の縁故で、アラビア帝国から格安の石油を輸入できたから、補給は安心だにゃん! 後方
兵站 支援は私りゃに任せ、存分に戦って来いにゃん!」 -
松山 なつき
「ありがとう、いつも助かるよ!」
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間宮 文次郎 主計
「数の劣勢など、質で補えば問題は無い! 行くぞ、畿内軍! 正義とは何か!? 愚者とは誰か!?
戯 れと舞い踊りし上級国民の者達に今、分からせてやれ!」 -
﨔木 長門守 夜慧
「そんな台詞を考えてる暇あったら、さっさと戦えよ馬鹿間宮」
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間宮 文次郎 主計
「お…俺が隊長の時ぐらい、少しは好きにさせてくれよ…」
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﨔木 長門守 夜慧
「お、今度は病み間宮か? ざぁ~こ♪」
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間宮 文次郎 主計
「もし俺が大統領に成ったら、まずは貴様を拉致して叛逆罪で尋問してやる、覚悟の準備しとけ!」
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大牧 実葉
「東山…いえ、■■■■■…今はまだ、動くべき時機ではないって、あれだけ言ったのに…全く、先生の言い付けを守れないなんて、悪い子ね…! まあ、私の思い通りに動かない不良品なんて早晩、四国の子達が廃棄処分してくれるでしょう。さーて、次は誰を玩具にして、遊んであげようかしら…?」
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私達の担任教諭であり、ミステリアスだが結局は優しい大牧先生が、裏でテロリストに内通していた…という事実に気付くのは、もう少し後の話になる…。
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大牧 実葉
「…そして、あの十三宮聖さん…どういう技術なのか分からないけれど、ある種の読心能力を習得している…との噂は本当のようね。彼女の前では、こういう事を考えないようにしておきましょう…」
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十三宮 伊豆守 聖
「実葉様、お呼びになりましたか?」
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大牧 実葉
「え、よ…呼んでないですけど、どうしてここに…? 中継授業が終わって、先に帰られたはずでは…?」
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十三宮 伊豆守 聖
「あ、驚かせてしまいましたね…申し訳御座いません。私、時間を止めて瞬間移動する呪術を練習しておりまして、試しに通学路を行き来していたのですが…
如何 でしたか?」 -
大牧 実葉
「た…確かに物凄い速度で、目の前に現れたような気がするわね…」
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■■■■■
「…天国か、さもなくば地獄か…かつて神は、全ての人間に選択肢を与えた。だから私も、お前達に選ぶ権利を授けよう。我が子種を受胎し、産み落とす快楽に溺れ生かされるのか? それとも苦しみながら、誇り高く逝かせてあげようかしら? さあ、選ばせてあげる…いいえ、選びなさい! 我こそが、創造主に成り代わってはいかんのかね? いかんでしょう! だが、もう戻れない…最後の審判が、幕を開ける…!」 -
「里護り
散華 せし身は 消えようと 剣の山に 御霊還らる」
阿波徳島基地 殉職者慰霊碑
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