不運スキルガン積みウーマンへっぽこサバイバー体験記(仮)
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気付いたら雨の中、傘も持たずに知らない山か森のような所にいた。そんな経験皆さんはありませんでしょうか?少なくとも私はありませんでした。そもそも私は連休でめちゃくちゃインドア派で家に篭ってゲームをしてる毎日を過ごしていた記憶しかない。こんな所に行くキッカケすら分からない。冷たい雨の中、木以外の雨宿り出来そうな場所がないか歩いて探す。木は雷が落ちやすいから危険だってとある有名な天才ヤブ医者の漫画で読んだ。
「クソ、眼鏡ビッチャビチャで全然前見えねぇ!」
叫びながら眼鏡を胸ポケットに差し込んだ。叫んで大きな音を出す事はイノシシ対策に必要だよ。おじいちゃんが言ってた。そもそもなんだこの服装は。白のブラウスにジーパンて。ガッツリ学校帰ってすぐスカート脱いでジーパン履いたやつじゃないですか。どうせそのままゲームしようとして親にちゃんと着替えろって怒られるやつ。じゃなくて、森とか山に行く格好じゃない。白とか虫寄ってくるしね。でもねぇ、ジーパンとか動きにくい服装じゃダメだし、ブラウスだけじゃ防寒の観点からアウトオブアウトだ。これが山だとしたら登山病で指切断とか…。
「ぅぶへっ、」
足元ばかり見ていると木にぶつかった。でも眼鏡ないし、足元見てないと滑落とか嫌だし、ブラウス汚したら怒られ…、待って?木にしては柔らか……。
「……」
皆さん、人間マジで驚いた時って声出ませんね。目の前に大男が不気味な仮面被って裸サスペンダー?してても声全く出ないどころか表情死にます。最近のオシャレには疎いですが、それは童貞を殺すセーターの逆バージョンの処女を殺すセーターのサスペンダー?バージョンですか?待ってこの人血塗れの鉈持ってる。草でもかってたら不器用で自分に刺しちゃった?この人傷だらけですし。ってそんなことあるかボケ。間違いなく死んだ。この間ざっと十秒ぐらい。悶々と色々な事を考えていると向こうから声がかかった。
『ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』
「……え、え?」
何か低い声とノイズ音。耳障りな音で何を言ったのか分からなかった。首を傾げているともう一度音が聞こえる。
『ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』
ダメだ全然何を言ってるのか聞こえない。そもそも喋っているのかどうかすら仮面のせいで怪しい。でも耳鳴りにしては変だ。キーンって感じではないし、短めで割と始終がハッキリしてる。どうせ逃げても運動音痴の私には追いつかれるし、こちらからコンタクトをとってみようか。
「あの、ここはどこですか?」
ザ、ザザ、と少しのノイズ音の後、大男はしゃがんだ。そうすると僅かに私の方が高くなるけれど、それでもこの身長差の無さから大男の身長の高さがかなりある事は確かだ。あ、若干目と口元が見える、なんて考えているとスッと指を立てられた。もう一度喋ってくれってことかな。
「ここは、どこですか?」
『……ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』
少しの間のあと口元が動いてノイズと低い声のようなものが聞こえる。ダメだこりゃ。何にも分からない。この調子だと多分私の言葉も通じてないんだろうな。
「あ、そうだ」
唐突に動き始めた私に大男はしゃがんだまま首を傾げながら見ている。いい感じの枝、いい感じの枝〜っと、あった。すっと大男の横にしゃがむと文字をガリガリと書く。ここはどこですか、と。横を見ると、なるほどと言った様子で私の手から枝を奪い取りガリガリと地面を削る。
「あ」
大男が書いている文の途中で彼と私の大きな違いに気付いた。私は日本語で文字を書いたが、大男は流暢な英語を書いている。しかも筆記体でだ。どうしよう。英語は苦手なんだけど。
「えっと…英語は出来ますか…かぁ」
手を出すと枝を渡されるので、ゆっくりながらも英語を書く。趣味、というかカッコイイなと思って筆記体覚えていてよかった。友達からは無駄だと言われたけどこの時の為に覚えたんだな。少しなら、と書いて枝を渡す。
貴方の名前は?
ミツキ・ツユミネ
私はエヴァン(読み方は分からないがおそらく)
ここはどこですか?
ここは……
書きかけの英語のまま止まった。ちらりと隣の大男を伺うと地面に視線を向けたまま考え込んでいるのか微動だにしない。トントン、と枝の先端を地面に軽く刺しながら、しばらくして続きを書いた。
わからない
書かれた文字を見つめていると男はまたその下に文を綴る。
We cannot go home
そっと枝を手渡された。真っ白な頭で一単語書いた。
Why
私たちは家に帰れない。私だけじゃない。この人もという所が、余計に恐怖を煽る。強そうで、どちらかというと私をここから帰さなそうな人までも。雨がより冷たくなったような気がしてくる。
「…?えん、ちてぃ?のせい?」
書かれた単語に首を傾げる。ちゃんと勉強していればこの単語の意味が分かったかも知れない。やり残した事が多すぎる。でも、今はここをどう生き残るかだ。もしかしたらこの人も生きる為に獣を狩ったりしていたのかもしれない。だから傷だらけで、鉈に血が付いておかしな服装なのかもしれない。
エンチティは何ですか?
神らしい。馬鹿げた事だ
神?
貴方も神を信じてないんだ。例えば、このまま後ろの方向に進んでみて
後ろ?
またここに戻ってくるはず
言われた通りに回れ右をした。ひらひらと手を振るが振り返してくれはしなかった。少しすると何故かまたエヴァンさんの元に戻ってきていた。本当に言う通りだ。エヴァンさんはひらひらと手を軽く振った。おかえり、とでも言うように。
本当に戻ってきた
言っただろう。だから家に帰れない
ここではその神に従わなければいけない
何をする?
人を殺す
killの文字を見た瞬間、血の気が失せた。横目でエヴァンさんを見ると目が合った。心臓がビクリと跳ねたが、表情は動かないし、声も出ない。強いて言うなら手が震えそうになる。渡された枝を持って平常心を装いながら文を書く。
何故人を殺す?
エンチティがそれを望むから。やらないと私のようになる
最後の文を見て、隣を見る。すっとあちこちにある傷を指差すと頷かれた。このボロボロな身体はエンチティに対抗した勇敢で正義感のある印だったのか。見た目で判断して、失礼なことばかり考えていた。
殺される人じゃなくてよかった
少し時間を置いて、文字を消した後に上からまた文を書く。
彼らは永遠に死ぬ
不謹慎かも知れないが、その文を見て殺す側でよかったと思った。永遠に死ぬなんて絶対に嫌だ。でも殺すなんて出来るだろうか。
殺せるかな?
武器は?
ない
それはおかしい
どうして?
みんな何かしらの道具を持っている
ジーパンのポケットを探る。何もない。胸ポケットには眼鏡しか入ってない。申し訳なくエヴァンさんの方を見れば、スクと立ち上がった。少し歩いて後ろを振り返った。しゃがんだままでいるとちょいちょいと手を振って来いとジェスチャーされた。エヴァンさんの斜め後ろをスタスタ着いて行くと小屋があり、地下へと進んで行く。私雨ですごく濡れているけど問題ないのかな。
「クソ、眼鏡ビッチャビチャで全然前見えねぇ!」
叫びながら眼鏡を胸ポケットに差し込んだ。叫んで大きな音を出す事はイノシシ対策に必要だよ。おじいちゃんが言ってた。そもそもなんだこの服装は。白のブラウスにジーパンて。ガッツリ学校帰ってすぐスカート脱いでジーパン履いたやつじゃないですか。どうせそのままゲームしようとして親にちゃんと着替えろって怒られるやつ。じゃなくて、森とか山に行く格好じゃない。白とか虫寄ってくるしね。でもねぇ、ジーパンとか動きにくい服装じゃダメだし、ブラウスだけじゃ防寒の観点からアウトオブアウトだ。これが山だとしたら登山病で指切断とか…。
「ぅぶへっ、」
足元ばかり見ていると木にぶつかった。でも眼鏡ないし、足元見てないと滑落とか嫌だし、ブラウス汚したら怒られ…、待って?木にしては柔らか……。
「……」
皆さん、人間マジで驚いた時って声出ませんね。目の前に大男が不気味な仮面被って裸サスペンダー?してても声全く出ないどころか表情死にます。最近のオシャレには疎いですが、それは童貞を殺すセーターの逆バージョンの処女を殺すセーターのサスペンダー?バージョンですか?待ってこの人血塗れの鉈持ってる。草でもかってたら不器用で自分に刺しちゃった?この人傷だらけですし。ってそんなことあるかボケ。間違いなく死んだ。この間ざっと十秒ぐらい。悶々と色々な事を考えていると向こうから声がかかった。
『ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』
「……え、え?」
何か低い声とノイズ音。耳障りな音で何を言ったのか分からなかった。首を傾げているともう一度音が聞こえる。
『ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』
ダメだ全然何を言ってるのか聞こえない。そもそも喋っているのかどうかすら仮面のせいで怪しい。でも耳鳴りにしては変だ。キーンって感じではないし、短めで割と始終がハッキリしてる。どうせ逃げても運動音痴の私には追いつかれるし、こちらからコンタクトをとってみようか。
「あの、ここはどこですか?」
ザ、ザザ、と少しのノイズ音の後、大男はしゃがんだ。そうすると僅かに私の方が高くなるけれど、それでもこの身長差の無さから大男の身長の高さがかなりある事は確かだ。あ、若干目と口元が見える、なんて考えているとスッと指を立てられた。もう一度喋ってくれってことかな。
「ここは、どこですか?」
『……ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』
少しの間のあと口元が動いてノイズと低い声のようなものが聞こえる。ダメだこりゃ。何にも分からない。この調子だと多分私の言葉も通じてないんだろうな。
「あ、そうだ」
唐突に動き始めた私に大男はしゃがんだまま首を傾げながら見ている。いい感じの枝、いい感じの枝〜っと、あった。すっと大男の横にしゃがむと文字をガリガリと書く。ここはどこですか、と。横を見ると、なるほどと言った様子で私の手から枝を奪い取りガリガリと地面を削る。
「あ」
大男が書いている文の途中で彼と私の大きな違いに気付いた。私は日本語で文字を書いたが、大男は流暢な英語を書いている。しかも筆記体でだ。どうしよう。英語は苦手なんだけど。
「えっと…英語は出来ますか…かぁ」
手を出すと枝を渡されるので、ゆっくりながらも英語を書く。趣味、というかカッコイイなと思って筆記体覚えていてよかった。友達からは無駄だと言われたけどこの時の為に覚えたんだな。少しなら、と書いて枝を渡す。
貴方の名前は?
ミツキ・ツユミネ
私はエヴァン(読み方は分からないがおそらく)
ここはどこですか?
ここは……
書きかけの英語のまま止まった。ちらりと隣の大男を伺うと地面に視線を向けたまま考え込んでいるのか微動だにしない。トントン、と枝の先端を地面に軽く刺しながら、しばらくして続きを書いた。
わからない
書かれた文字を見つめていると男はまたその下に文を綴る。
We cannot go home
そっと枝を手渡された。真っ白な頭で一単語書いた。
Why
私たちは家に帰れない。私だけじゃない。この人もという所が、余計に恐怖を煽る。強そうで、どちらかというと私をここから帰さなそうな人までも。雨がより冷たくなったような気がしてくる。
「…?えん、ちてぃ?のせい?」
書かれた単語に首を傾げる。ちゃんと勉強していればこの単語の意味が分かったかも知れない。やり残した事が多すぎる。でも、今はここをどう生き残るかだ。もしかしたらこの人も生きる為に獣を狩ったりしていたのかもしれない。だから傷だらけで、鉈に血が付いておかしな服装なのかもしれない。
エンチティは何ですか?
神らしい。馬鹿げた事だ
神?
貴方も神を信じてないんだ。例えば、このまま後ろの方向に進んでみて
後ろ?
またここに戻ってくるはず
言われた通りに回れ右をした。ひらひらと手を振るが振り返してくれはしなかった。少しすると何故かまたエヴァンさんの元に戻ってきていた。本当に言う通りだ。エヴァンさんはひらひらと手を軽く振った。おかえり、とでも言うように。
本当に戻ってきた
言っただろう。だから家に帰れない
ここではその神に従わなければいけない
何をする?
人を殺す
killの文字を見た瞬間、血の気が失せた。横目でエヴァンさんを見ると目が合った。心臓がビクリと跳ねたが、表情は動かないし、声も出ない。強いて言うなら手が震えそうになる。渡された枝を持って平常心を装いながら文を書く。
何故人を殺す?
エンチティがそれを望むから。やらないと私のようになる
最後の文を見て、隣を見る。すっとあちこちにある傷を指差すと頷かれた。このボロボロな身体はエンチティに対抗した勇敢で正義感のある印だったのか。見た目で判断して、失礼なことばかり考えていた。
殺される人じゃなくてよかった
少し時間を置いて、文字を消した後に上からまた文を書く。
彼らは永遠に死ぬ
不謹慎かも知れないが、その文を見て殺す側でよかったと思った。永遠に死ぬなんて絶対に嫌だ。でも殺すなんて出来るだろうか。
殺せるかな?
武器は?
ない
それはおかしい
どうして?
みんな何かしらの道具を持っている
ジーパンのポケットを探る。何もない。胸ポケットには眼鏡しか入ってない。申し訳なくエヴァンさんの方を見れば、スクと立ち上がった。少し歩いて後ろを振り返った。しゃがんだままでいるとちょいちょいと手を振って来いとジェスチャーされた。エヴァンさんの斜め後ろをスタスタ着いて行くと小屋があり、地下へと進んで行く。私雨ですごく濡れているけど問題ないのかな。
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