サボり魔と無痛の怪物
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「うおぉぉぉぉ!!本当にゴメン!私が見聞色使えなくて!」
リアンは今日も仕事をしていた。もうすぐ一年が終わるからこそ仕事が増えるのだ。海賊を縛りながらも子電伝虫に叫ぶ。リアンが見聞色をを使えていればあちこちに海兵が配属される必要がなくなるからだ。連行する船と捕まえた賊共を連れていく海兵だけで済む。
『大丈夫ですよ!それでもどうせ別のとこに配属されますし、サボりまくるあの人よりかはありがたいです!』
子電伝虫から明るく声が聞こえる。へへ、と笑い声がこぼれた。
「でも、家族で新しい一年を迎えたかったよねえ。さすがに今日はサボってないみたいだけど」
それどころか船の上でも書類仕事に追われていた。海兵はいつもの事だと笑ったり、ざまあみろと言っていたりした。勿論、リアンは後者である。この会話も毎年恒例なのだ。
『リアン大佐!やはり酒場で海賊と山賊が暴れ始めました!南南西です!』
「牽制、警告!捕獲のち向かう!」
腕が足りない!と叫びながら縛る。この港の近くで漁をしている人達が親切に手伝ってくれたのでお礼を言いながら走る。空を走っていると叫ぶ人の声を無視して、目印の灯台を目指す。そこから南南西、近場の酒場の外で騒がしい喧騒が━━━━━。
「あれ?」
「あらら……遅かったな」
凍りついた賊を運ぶ海兵にひらひらと手を振るでかい人。リアンは思わず嫌な顔を隠すことが出来ない。
「ウッッッワ、噂をすればなんとやら!」
苦笑いをするみんなに顔を顰めるリアン。青雉は頭を掻きながら不満を口にした。
「なんて顔してんのよ……。酷くない?俺……頑張って全部捕まえたんだよ?」
チラリと近くの海兵を見る。
「本当ですよ。船ごと捕まえたんで、ほら」
指を指した方向を見れば軍船に縄で繋がれた三隻の海賊船がある。目の前で運ばれる氷像と化した賊たちを見て、リアンは唸った。
「どうよ?ちょっとは褒めてくれたっていいんじゃない?」
ドヤ顔でこちらを見下ろす青雉にリアンは人差し指を立てた。
「今までのサボりを含めてやっぱりマイナスです。この凍ったやつ、運ぶんだったらゼロになります」
「えぇ〜……めんどくさ……くないね、はいはい……」
ギロリと睨みを利かせると意見をくるりと変える。青雉はのそのそと氷像を二人持ち、リアンもテキパキと氷像を二人持ち上げた。
「大丈夫?冷たくない?」
「私にその気遣いは不要です。他の人たちが冷たいでしょうに」
冷たさも熱さも感じないリアンは他の氷像を運ぶ海兵の赤くなっている手を見た。冷てえと顔を歪める海兵もいる中、ヒエヒエの実の能力者の青雉と無痛症のリアンだけが何も感じずに運んでいる。
やらかした、と内心頭を抱える青雉と、氷像が帰るまでに溶けないかを考えるリアン。黙々と氷像を運んでいる時にドン!と大きな音が背後から聞こえた。驚いたリアンは持っていた右手の氷像を砕いてしまった。
「……やっ……ちまった!くそ、なんだよ!」
止まぬ騒音に後ろを振り返ると綺麗な花火が打ち上がっていた。海兵がここでは年が明けると花火を上げるんだな、と話しているのを聞いてもう年が明けたのかと実感する。
「あららら、もう新年か……。仕事納めと仕事初め、一気にやっちゃったな」
「もうずっと何年かはそうですよ。ホント、忙しい一年でした」
よっこらしょと氷像と海賊船の方に乗せて呟く。
「今年もよろしくお願いしますね」
「……ああ、よろしくな。リアンちゃん」
-----------------------------
「今年も忙しいかどうかは青雉さんにかかってますからね」
「いやー、にしても綺麗な花火だなァ……」
「おい!明らかに話を逸らすな!」
リアンは今日も仕事をしていた。もうすぐ一年が終わるからこそ仕事が増えるのだ。海賊を縛りながらも子電伝虫に叫ぶ。リアンが見聞色をを使えていればあちこちに海兵が配属される必要がなくなるからだ。連行する船と捕まえた賊共を連れていく海兵だけで済む。
『大丈夫ですよ!それでもどうせ別のとこに配属されますし、サボりまくるあの人よりかはありがたいです!』
子電伝虫から明るく声が聞こえる。へへ、と笑い声がこぼれた。
「でも、家族で新しい一年を迎えたかったよねえ。さすがに今日はサボってないみたいだけど」
それどころか船の上でも書類仕事に追われていた。海兵はいつもの事だと笑ったり、ざまあみろと言っていたりした。勿論、リアンは後者である。この会話も毎年恒例なのだ。
『リアン大佐!やはり酒場で海賊と山賊が暴れ始めました!南南西です!』
「牽制、警告!捕獲のち向かう!」
腕が足りない!と叫びながら縛る。この港の近くで漁をしている人達が親切に手伝ってくれたのでお礼を言いながら走る。空を走っていると叫ぶ人の声を無視して、目印の灯台を目指す。そこから南南西、近場の酒場の外で騒がしい喧騒が━━━━━。
「あれ?」
「あらら……遅かったな」
凍りついた賊を運ぶ海兵にひらひらと手を振るでかい人。リアンは思わず嫌な顔を隠すことが出来ない。
「ウッッッワ、噂をすればなんとやら!」
苦笑いをするみんなに顔を顰めるリアン。青雉は頭を掻きながら不満を口にした。
「なんて顔してんのよ……。酷くない?俺……頑張って全部捕まえたんだよ?」
チラリと近くの海兵を見る。
「本当ですよ。船ごと捕まえたんで、ほら」
指を指した方向を見れば軍船に縄で繋がれた三隻の海賊船がある。目の前で運ばれる氷像と化した賊たちを見て、リアンは唸った。
「どうよ?ちょっとは褒めてくれたっていいんじゃない?」
ドヤ顔でこちらを見下ろす青雉にリアンは人差し指を立てた。
「今までのサボりを含めてやっぱりマイナスです。この凍ったやつ、運ぶんだったらゼロになります」
「えぇ〜……めんどくさ……くないね、はいはい……」
ギロリと睨みを利かせると意見をくるりと変える。青雉はのそのそと氷像を二人持ち、リアンもテキパキと氷像を二人持ち上げた。
「大丈夫?冷たくない?」
「私にその気遣いは不要です。他の人たちが冷たいでしょうに」
冷たさも熱さも感じないリアンは他の氷像を運ぶ海兵の赤くなっている手を見た。冷てえと顔を歪める海兵もいる中、ヒエヒエの実の能力者の青雉と無痛症のリアンだけが何も感じずに運んでいる。
やらかした、と内心頭を抱える青雉と、氷像が帰るまでに溶けないかを考えるリアン。黙々と氷像を運んでいる時にドン!と大きな音が背後から聞こえた。驚いたリアンは持っていた右手の氷像を砕いてしまった。
「……やっ……ちまった!くそ、なんだよ!」
止まぬ騒音に後ろを振り返ると綺麗な花火が打ち上がっていた。海兵がここでは年が明けると花火を上げるんだな、と話しているのを聞いてもう年が明けたのかと実感する。
「あららら、もう新年か……。仕事納めと仕事初め、一気にやっちゃったな」
「もうずっと何年かはそうですよ。ホント、忙しい一年でした」
よっこらしょと氷像と海賊船の方に乗せて呟く。
「今年もよろしくお願いしますね」
「……ああ、よろしくな。リアンちゃん」
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「今年も忙しいかどうかは青雉さんにかかってますからね」
「いやー、にしても綺麗な花火だなァ……」
「おい!明らかに話を逸らすな!」